CES2012に見るスマートフォンの3つのトレンド【山根康宏氏寄稿】:CES2012
2012年01月13日 17時30分更新
CES2012で見かけた各社のスマートフォン新製品のなかから、3つのトレンドを見ることができた。2012年のスマートフォン市場はどのように変化していくのだろうか?
【1】ハイエンドスマホにLTEは必須
各社のスマートフォン新製品はデュアルコアプロセッサーや4インチを超える大画面HDディスプレーの搭載など高性能化が進んでいる。だがスマートフォンにとって重要な機能はハードウェア単体のスペックだけではない。
ソーシャルサービスの利用や大容量なリッチコンテンツの利用に必要とされるのが、高速で遅延の少ないネットワークアクセス機能だ。各国では昨年から最大100Mbpsの速度に対応するLTEサービスが開始されており、アメリカでもVerizonに引き続きAT&Tがサービスを始めている。
CES2012でも各社が発表する上位モデルはほとんどがLTEに対応しており、端末本体の動作速度だけではなく通信速度の高速化も図られている。
常時ネットワークアクセスを利用するアプリケーションやサービスが主流となっていくなかで、スマートフォンのLTE対応は今後必須のものとなっていくだろう。ストリーミングで高精細なビデオ利用を楽しめるタブレット製品も、これから出てくる製品はLTEの搭載が差別化のポイントとなりそうだ。
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↑各社のハイエンドスマートフォンの多くがLTEに対応している。 |
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↑VerizonのLTEに対応するLG Spectrum。ちょっとおしゃれなカバーは、LTEスマートフォンが一般消費者向け製品であることを物語っている。 |
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↑ノキアはアメリカ市場への再参入のキーをLTE対応スマートフォンとしている。 |
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↑サムスンのGalaxy TabはLTEも機能の大きなポイント。 |
【2】あらゆる機器とつながるスマホは生活の中心的存在に
スマートフォンは単体で利用する機器から、PCや家電と接続して相互で利用できる、家庭内の中心的な総合情報ツールになっていく。これまでにも各社から様々なソリューションが提供されていたが、実用に耐えられるものはほとんどなかったのが実情と言えるだろう。
だがスマートフォンの高性能化により、スマートフォンとほかの機器をシームレスに連携して利用できる環境がようやく整ってきたのだ。
たとえばスマートフォンをテレビに接続するだけで、高画質のビデオをテレビの大画面で楽しめるだけではなく、スマートフォンをコントローラーとして使ったり、テレビと画面を切り替えて利用するといった使い方も可能になる。
ブラウザーやSNSサービスの利用程度なら、スマートフォンをテレビにつなげばPCいらず、そんな時代が現実のものになるのだ。
外出先から自宅に戻ったらスマートフォンをテレビにワイヤレスで接続してテレビの大画面を利用する……そんな光景も今年の後半には当たり前のものになりそうだ。
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↑ソニー・エリクソンはスマートフォンをHDMIでTVに接続し、テレビのリモコンやスマートフォンを使い操作できるほか、テレビ接続中はテレビの大画面に適したUIが表示できる。 |
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↑サムスンのSmart Station。テレビにキーボードやマウスを接続。スマートフォンはワイヤレスで接続可能で、テレビ側のキーボードやマウスからスマートフォンの操作が行なえる。 |
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↑LGのSmart Screen Share。スマートフォンとテレビをワイヤレスで接続し、両者間で画面を切り替えたり、スマートフォンの画面でテレビのコントロールができる。 |
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↑医療機器とスマートフォンを接続する商品も出てきている。心拍計や血圧計をスマートフォンに接続し、データをリアルタイムに医療機関に送信できる。 |
【3】中国メーカーの存在感が高まる
中国製のスマートフォンはこれまで価格の安さが目立っており、機能や品質の面ではじゃっかん劣るものが多いのが事実だっただろう。だがファーウェイが発表したAscend P1 SとP1はもはや大手メーカー品とまったく遜色のない製品になっている。
世界最薄サイズを実現しただけではなくデザインや質感も優れており、メーカー名を見なければこれが同社製品と気がつかない人も多いのではないだろうか。
しかも予想される価格は大手メーカー品よりも20~30%以上も安い。
スマートフォンの価格破壊はこれまで主にローエンド品の世界の話だったが、今年はハイエンドスマートフォンにもその波は押し寄せてくるだろう。
またハイセンスやハイアールなど中国の大手家電メーカーも、スマートテレビや3Dテレビに加え、スマートフォンやタブレット製品を続々と発表している。
ファーウェイやZTEなどの通信メーカーよりも新製品の開発速度は劣るものの、いわゆる「中華パッド」と呼ばれる中国の無名ブランドメーカーの製品よりは品質がしっかりしており、しかも価格は安い。
中国の家電メーカーが本格的に市場参入を始めたことで、スマートフォンやタブレットを取り巻く環境やメーカー間のパワーバランスは今後大きな変化が起きるだろう。
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↑機能とデザインの両方に優れたファーウェイのAscend P1シリーズ。 |
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↑中国大手家電メーカー、ハイセンスのGingerbreadタブレット。 |
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↑垢抜けたデザインのHaiPadは中国ハイアールから。 |
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↑米コビーのタブレットは中国のOEM製。今後他メーカーからの発売も考えられる。標準で日本語に対応。 |
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