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WindowsPC設定で節電35万kWを目指せ! 日本マイクロソフトが本気で指南

2011年05月11日 00時14分更新

 福島第一原発での事故を受け、この夏、東京電力圏内では電力不足が懸念されている。最近では、政府は家庭や企業にむけて、使用電力の15%削減を呼びかけるなど、節電の機運がムクムクと高まる中、日本マイクロソフトは財団法人電力中央研究所と協力し、Windows搭載PCの消費電力を徹底的に調査・検証した結果を発表した。

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 今回はOSそのものの消費電力を比較する目的ではないため、使用されたPCは2006年モデル(Windows XP搭載/Intel Celeron D 3.06GHz)、2008年モデル(Windows Vista搭載/Intel Core2 Duo E4500 2.2GHz)、2010年モデル(Windows7搭載/Intel Celeron T3100 1.9GHz)など、OS登場時に最もポピュラーだったPC構成で行なわれており、一般的なユーザーの使用環境に近いものだ(上記モデルはデスクトップの例。このほかノートPCもそれぞれ用意)。その結果得られた情報は以下となる。

●PC節電豆知識 その1
2010年モデルの消費電力は、対2006年モデル比で約半分と省エネである。

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●PC節電豆知識 その2

 OS起動時、終了時に多く電力が使われる。電源オフからの起動はスリープからの復帰に比べて3倍以上消費する。

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●PC節電豆知識 その3
 シャットダウンとスリープ時の待機電力は約0.5W程度の差。特にWindows XPデスクトップの場合、約1時間45分が分かれ目で、会議の離席程度の長さならスリープ(スタンバイ)のほうが省電力。

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●PC節電豆知識 その4
 ディスプレーの明るさを100%→40%に落とすことで平均23%の電力削減となる。

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 筆者的におもしろかったのは、Windows XP搭載デスクトップPCでは、約1時間45分を境に電源をオフにしたほうが節電できるという話。これは、環境によって変わってくるが、この具体的な指標は覚えておいて損はない。

シャットダウンが有効になる時間の目安
Windows7 搭載デスクトップPC・・・・・・・約1時間40分
Windows Vista 搭載デスクトップPC・・・・約1時間20分
Windows XP 搭載デスクトップPC・・・・・・約1時間45分

Windows7 搭載ノートPC・・・・・・約1時間50分
Windows Vista 搭載ノートPC・・・約1時間30分
WIndows XP 搭載ノートPC・・・・・約40分

 これらの検証結果は『Windows PC節電策』というページからダウンロードできる。おもしろいのでぜひ読んでおこう。

 さて。PCに慣れたユーザーであれば、以上の結果をふまえ、コントロールパネルをイジることで節電仕様に変えられるが、世の中にはそうもいかない人が案外多い。そこで日本マイクロソフトは、誰でも簡単にズバッと減らせる設定にできるWindows PC 自動節電プログラムの配布を開始した。

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 ソフトのインストールは1分程度。スタートメニューで“電源プラン”と検索して、“電源プランの選択”を選び、追加のプランにある“省電力”を選ぶだけ。

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 誰でもインストールするだけで、コントロールパネルの“電源オプション”項目を自動的に省電力設定モードに変更し、パソコンをACアダプターにつないでいる場合になるべく電気を使わないようにするという設定ファイルだ。この設定ファイルを適用し、一定のシナリオ(PC起動→30分ウェブブラウズ→離席→20分ウェブブラウズ→離席)で90分使ったところ、普通に使うより約30%節電される結果となる。

 具体的には、【5分経ったらディスプレーを暗くする】、【10分でHDDの電源を切る】、【15分でスリープに移行する】よう設定してくれるもの。無線関連の設定を省電力に変えたり、Windows7のノートPCではディスプレーの輝度を40%に落とすといった感じ。対象となるOSはWindows7/Vista/XP。OSだけでなく、デスクトップかノートかを自動的に判別し、最適な設定へと変えてくれる。比較的省電力なWindows7搭載ノートPCでも、ACアダプターの接続時にはまだまだ節電の余地があるという。

 さらに日本マイクロソフトは、8月10日まで、この節電に関して電話サポートの無料窓口 0120-37-0196(9:30~12:00/13:00~19:00 土日祝日とMS指定休業日を除く)まで用意して、節電に本格的に取り組む姿勢だ。

 東京電力管区内のPCは約2455万台、通常利用時の1台あたりの平均消費電力は約53W。実際にはすでに省エネ設定にしている会社もあるし、仕事の都合上PCを省エネ設定にできない状況もあるため、一概には言えないが、仮にすべてのPCが上記の節電対策をし、みんなが30%節電した場合、約35万kW程度の節電が可能となるとのこと(日本マイクロソフト調べ)。

 ウェブブラウズやメールチェック程度なら、より消費電力の低いスマホやタブレットで済ませるなど、みんなで協力して夏の電力ピークを乗り切ろう!

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