エナドリはもう飲まなくていい?
そもそも、エナジーを補給するのが目的であれば、飲料でなくてもよいのではないか。そんな考えもありますよね。
マツモトキヨシは「EXSTRONG ENERGY TABLET」を9月に発売。「matsukiyo」のエナジードリンク、「EXSTRONG」シリーズの新商品。エナジードリンクを再現した、発泡感のあるタブレット菓子です。
“噛む”エナドリとでもいうべきでしょうか。1袋33gに、カフェイン162.5mg、アルギニン500mgを配合しています。ドリンクと同量の成分をタブレットで補給できるとのこと。
エナジードリンクを引き合いに出しているけれども、飲むわけではない。そんな嗜好品は増えており、たとえば、“噛む”系統でいくと「BEECRAZY」があります。
BEECRAZY|エナジーサプリメント
https://bee-crazy.com
2019年6月にクラウドファンディングで目標金額を達成したサプリメントで、4粒でエナジードリンク1缶と同じ効果を発揮するとか。価格は1980円(60粒)。
また、カナダの企業が開発した「EAGLE ENERGY」は、「吸うエナジードリンク」と銘打っています。「カフェインミストサプリ」とうたい、全世界で1億本以上を売り上げている禁煙ツールで、ニコチンやタールは含まれないとのこと。10〜20回の吸引で、エナドリorコーヒー1本と同等の効果が得られるとか。
日本総代理店EAGLE ENERGY Japan – 次世代!吸うエナジードリンク
https://eagle-energy.jp
エナジードリンクっぽい成分を、“飲む”以外の方法で摂取するのが今後のブームかもしれません。それはもうエナドリとは言えないんじゃないかと思いつつも、「“噛む”エナドリ」「“吸う“”エナドリ」という表現は、消費者にわかりやすいのでしょうね。
エナドリが世に広まったときから「味が苦手」「飲みきれない」という声はあったわけで、その不満に対する答え、といえなくもない。ちょっと注視していきたいトレンドです。
国産で気を吐くコカ・コーラシステム
サントリーは「スティング」に続く二の矢はあるか?
大手メーカーに動きはなかったのか。そんなことはありません。気を吐いていたのがコカ・コーラシステムです。
まずは、黒素材であるブラックジンジャー、ブラックペッパー、コーヒーのエキスを配合した「リアルゴールド」シリーズの「リアルゴールド ウルトラチャージ ブラック」を2月にリリース。炭酸には“禁じ手”ともいうべき、コーヒーを入れた挑戦的な姿勢が一部で評価されました。
そしてリアルゴールドからの“エナドリ”として登場したのが「リアルゴールド ドラゴンブースト」です。
定番のエナジードリンク成分に加え、厳選した6種の東洋素材を配合したとうたいます。ベリー系の味になっているので飲みやすい。「漢方×エナドリなのでヤバそう」みたいな気持ちで飲むと、ちょっと違うかもしれませんが、東洋素材で西洋を迎え撃とうとするカンフー映画的な展開には国産の意地を感じました。
7月には真打ち登場。「コカ・コーラ エナジー」です。世界でおそらくもっとも有名な飲料であるコカ・コーラのエナドリ版ということで、大きな話題となりました。
もっとも、テイスト自体はかなり無難にまとめてきたこともあり、ネットでの反響はあまり大きくなかったような気がします。コカ・コーラにガラナを足した感じで、コーラとエナドリが7:3ぐらいと言えば伝わりやすいでしょう。驚きはないけれど、そこがコカ・コーラの余裕を感じるといえば、そうかもしれません。
エナドリ好きとしては見逃せないのが、サントリーの「スティング エナジー〈ゴールド〉」。炭水化物は堂々の16.2g。カフェインやアルギニンで差をつける飲料はありますが、「炭水化物」の量でくるとは。
高めの糖配合をうたうだけはあります。「甘っ!」と口に出そうなぐらい甘い。基本はレッドブル系というか、エナジードリンクらしいケミカルな味と強い炭酸なのですが、ずいぶんと糖分が加わっていますね。ほかのエナドリと比較しても、ぶっちぎりで甘い。
挑戦自体は続けているのですが、いまいち市場を席巻するまでにはいたらなかった感もあるコカ・コーラシステム。「甘い!」という新機軸を打ち出したものの、二の矢、三の矢があるのかはわからないサントリー。2020年は、大手メーカーにも、新しいエナドリをどんどんと開発してほしいところです。
コラム:エナドリ番長・スピーディー末岡、
日本のエナドリ市場を憂う!
今の日本のエナドリ市場は海外メーカーに押されている。その海外のエナドリも、本国ではラインナップが豊富なのに日本だと1~2種類しか出さないなど、かなり残念な状態になっている。海外出張に行き、スーパーマーケットなどを覗くと、レッドブルやモンスターエナジーといった定番品のほかに、数多くのエナドリが並んでいる。正直、うらやましい限り。
選択肢があるということは、エナドリに限ったことではないが、そのマーケットが元気があることにほかならない。残念ながら、日本の市場は元気がないと言える。そもそも、レッドブルは「リポビタンD」にインスパイアされて誕生したというのに!
飲めば元気が出るエナドリの市場が、元気がないとは由々しき事態だろう。
様々なバリエーションがあるレッドブルやモンスターエナジーでも、日本では数種類だけ。きっと“舐められている”のだろう。この二大巨頭に様々なメーカーが挑んで散っていった。ある意味、淘汰されたとも言える。最近は海外でも、この傾向を感じる。数年前に比べてエナドリの種類が減った気がするのだ。
2020年は日本のエナドリ市場も二大巨頭に負けないインパクトの商品を登場させてほしい。イノベーティブなエナドリ、待ってます!
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。一人めし連載
「モーダル小嶋のTOKYO男子めし」もよろしくお願い申し上げます。
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