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質感の高さはクラスイチ、しかも意外にお買い得な注目機種

HP Spectre x360 13、そして木製ノートのちょっと深い話

2019年12月28日 15時00分更新

細部までこだわる日本市場はプレミアムノートの試金石

 まずは日本のプレミアムノート市場にどのような感想を持っているかを聞いてみた。

Tan氏 「ディティールに強い関心を持っていますね。単に見た目がいいだけではだめで質感も重視している。そして、そのために投資を惜しまない人が一定数います。われわれがプレミアム製品を作っていくうえでキーになる市場と言えます」

 Spectre x360 13では、アルミ合金を採用した筐体だが、ここをCNCの削り出しで仕上げている。細部までこだわった質感を提供するために重要とするが、どのあたりにこだわりがあるのか。質問してみた。まずは、45度に落とされた奥のコーナー部、そして薄型であるにも関わらず、側面を敢えてフラットにせず、山と谷のような凹凸を付けている点だ。ここがかなり高精度に仕上げられている。

Tan氏 「(まず側面に凹凸を付けた理由は)2つあります。ひとつは開閉をしやすくするため、ここをフラットにしてしまうと開閉が難しくなってしまいます。もうひとつは尖った面が前に出ることでより薄さが際立ち、さらにくさび形にすることによって実際の厚さよりも薄くスマートに見せられる点です」

 Spectre x360 13は、右の奥に2系統のUSB Type-C端子、左の奥に電源ボタンを用意しているが、ここは普通のノートではやらない斜めの位置に取り付けられている。なぜこうしたのだろうか。

Tan氏 「(角を指さしながら)この部分になぜ角度が付けたか理由が分かりますか? こうすることで、マウスを使う際に横にケーブルが出て邪魔にならないんですね。さらに、ここに斜めにドングルアダプターなどを付けた状態で、液晶ディスプレーの開閉までできます。コンバーチブルタイプなので、両手で持って液晶を反転させることもあるでしょう。この状態でも干渉しません。これはSpecre x360 13がコンバーチブル型だからこそ重要なポイントになるんですね。そして、高い正確性とクラフトマンシップが求められます。日本のユーザーにも認めていただけると嬉しいです」

 特に小さなUSB Type-C端子を斜めに2基搭載するような精度は、プレス成型では困難で、CNC加工でこそ実現できた部分だという。2組のUSB Type-C端子は、ともにディスプレー出力、充電(USB PD)、Thunderbolt 3などに対応している。つまり、充電対応のUSB Type-Cハブ機能やThnuderbolt 3入力に対応したディスプレーと組み合わせれば、ケーブル1本でデュアルモニター操作と、充電の両立ができることになる。

 Tan氏によると、企業向けであればIT担当者がいて、この端子にはこのケーブルをつなぐとといった説明をしてもらえるが、家庭では都合よく詳しい人がいるわけではない。そこでケーブルまわりは究極までシンプルにしたいという考えがあるのだそうだ。

 薄型の筐体であるが、フルサイズのUSB端子やヘッドホン端子などを装備している。USB A端子はJaw Drop型(驚いて顎が下に落ちてしまった様子を差す)の凝った作りだ。妥協してもよさそうだが、USBメモリーですぐデータを交換したい場合などは合った方が当然便利だ。また、ヘッドホン端子も動画編集などをするには必須と言える。なお、電源ボタンは先ほどのUSB Type-C端子の逆コーナーに付けているが、これはカバンに入れて持ち運んだ際、誤って電源が入ったり、落ちたりするのを防ぐ理由もあるのだそうだ。

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