始まりはお母さんに起こされるオープニングという王道展開
1403年、神聖ローマ帝国の政局は混迷を極めていた。ボヘミア王でもあり、帝国に繁栄をもたらした先帝チャールズ4世の没後、帝位を継いだベンツェスラウス4世は資質に欠けており怠慢王とまで呼ばれる始末。失望した諸侯は皇帝の異母兄弟、隣国ハンガリーの王シギスムントを立て帝位簒奪を画策、ボヘミアに戦乱が迫りつつあった。
起動するなりフレスコ画風の絵巻で濃厚な中世感が漂うこのゲームは「キングダムカム・デリバランス」。現在のチェコ共和国にあたるボヘミア王国を舞台に、徹底的な時代考証で超リアルな中世生活を満喫できると話題のRPGだ。
主人公ヘンリーはスカリッツという田舎村に住むごく普通の若者で鍛冶屋の息子。ゲームを始めると城のすぐ目の前にある自宅のベッドからスタートとなり、お母さんに起こされる場面から始まる。今日で16歳だからお城へ行って王様に会ってきなさいと言わんばかりのオープニング、これこそまさにRPG!
とはいえ、いきなり王様に会えとか大層なことはさすがに言われず、昨日の晩どこで何をしていたのか問いただしてくるママン。どうやらヘンリー君は昨晩、呑み屋でゴロ巻いて(※喧嘩すること)来たらしい。かーちゃんいつも暴力はダメって言ってるでしょと怒られションボリ、さらにとーちゃんが仕事手伝えって鍛冶場でカンカンだとか。わかったよ、急いで行くよママン。
この辺はまだチュートリアルなのでいろいろと細かい操作も入る。ステータスを見ると空腹状態らしいので家捜しして家中の食べ物をゲット。そこらに放り出してあるので、ツボやタンスは見なくてもいい。鍋の中身は直接食べられるのでひとまずこれで空腹状態を回復。そして外で待ってるおとーちゃんの元へ駆けつけると、仕事に必要な物をいくつか持ってきて欲しいらしい。
チーズだとかエールだとか、この猛暑の中ビールが飲みたくなる単語がポンポン飛び出しつつ、まずはお遣いクエストに挑戦! マップにはいくつかアイコンが出ているので、これを順番に巡っていけばいいわけですな。
拳で語るもあえなく敗退! この主人公、案外ヘボい
まずは村の外れで剣術の師匠に木剣で軽く稽古を付けてもらった後、村の広場へ行くとドイツ人の酔客が政治談義しているシーンに出くわす。どうやらドイツ人は今の皇帝ベンツェスラウスが気に入らないらしい。まあ暗君らしいからな。
しかし、そんな話を聞いて黙っていられないのが地元民であるヘンリーの友人一同。ドイツ人を懲らしめてやろうという話に。その方法は、ドイツ人の家の壁が塗り替えたばかりだというので、肥やし=家畜のウ●コを投げつけて汚してやろうというもの。え、やだ触りたくないよ、そんなの。悪ふざけは嫌いじゃないが、悪いけど今回はパスで。「やる/やらない」の選択肢が出たので丁重にお断り。
「キングダムカム・デリバランス」では、NPCとのやりとりがものすごく細かく作り込まれていて、ひとつの事件が展開していく過程で何度となく選択肢が表示されたり、他の行動が取れたりする。ここでも、友人たちと一緒に悪戯するルートと、真面目にお遣いの続きをするルートで展開が変わるようだ。
事前に聞いた話だと、どのルートを選んでも最終的に落ち着くべき所に落ち着くらしいので、遠慮なく自分の感性に沿った行動を選ぶことができる。ただ、相手からの評価や、選択肢に使った能力値の成長などにも影響するっぽいので、キャラの育て方やプレイスタイルをある程度気にして進めた方がよさそうだ。
友人を置いてきた以上は真面目に仕事しますかね。ということで、未払いの代金を回収しにクネシュとかいう男の元へ。ところが、このクネシュという男、ヘンリーが何を言ってもふてぶてしい態度で追い払おうとしてくる。何が「お前にやる金はねえ」だ、この野郎そっちがそのつもりなら拳で返してもらうのも厭わないぞ?
というわけでバトルに突入、素手での殴り合いになるのだが、これがまた案外強い。近づくと超反応でクリンチしてくるし、ちょっとでも間合いが遠いとパンチは空振り、ギリギリの間合いでうまく攻撃できても確実にカードしてくる。本来は牽制用と思われるキックが一番有効な攻撃という手強さだ。たぶんこれ、勝てないように作ってあるんじゃないだろうか。
結局、敗退してママンにお薬塗ってもらう結果に。どうしよう……ヘンリー君が思ったよりヘタレなんですが。
結局、ドイツ人への悪戯が終わって村はずれに隠れていた友人ご一同の力を借りることに。いやー、やっぱり持つべきものは友人だな。ウ●コ大作戦断ってごめんな! 結果的にメチャクチャお調子者になってしまっているヘンリー君、友人ご一同を引き連れて再びクネシュの元へ。挑発して呼び出しても、クネシュの野郎、この人数を前にまだ不遜な態度を取るので、キッチリ思い知らせてやることに。オラ、みんなで袋だ、ザマミロ、フハハハハ!
こうしてクネシュをやっつけて代金未払いの商品を回収、ようやく残りの買い物が出来るようになった。はー、スカッとした。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう