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アニソン特化をうたう、ハイエンドイヤホン

歌声がよく聴こえる、finalの新機軸イヤホン「B1」を聴く

2019年07月19日 13時00分更新

アニソンにターゲットを絞ったチューニング!?

 ここでちょっとした余談を。B seriesは5月開催のヘッドフォン祭で発表されたが、その内容は独特だった。製品説明をする際は、普通、技術的な特徴の解説が中心になる。しかし、ここにはほとんど触れられず、コンセプト中心の説明。横軸に音楽再生時の音の距離感(音場感/解像感)、縦軸にダイナミックレンジ(音量の変化幅)を置いて整理した図が示された。

B seriesのポジショニング。音場感を重視し、ダイナミックレンジが広い音源の代表はクラシック、音が近く聞こえ、一定の音圧を常にキープしている音源としてはJ-POPやアニソンが代表だそうだ。

 この図が示しているのは、各製品がどのような録音(ソース)に合っているか。既存機種を例にとると、オーバーイヤー型でフラッグシップのD8000はどのようなソースにも広範に対応できる。カナル型で5000円程度とリーズナブルな価格のE3000はニュートラルな音作りで、D8000ほどではないが、様々なソースをバランスよく再生する。

 一方で、B seriesはピンポイントだ。モデルごとにターゲットを絞り、それに特化した音作りをした。

 横軸の「音の距離感」というのは、ステージから離れた場所にマイクを置いて録音するオーケストラ演奏のように、空間の再現を含んだ録音(音場感重視)なのか、ロックやポップスのようにボーカルや個々の楽器の音が明確に聴こえる点を重視した録音(解像感重視)なのかを示す。クラシックなど、距離が離れた場所にマイクを置き、生音を収録すると、楽器全体の音がまとまって聴こえ、ホールの響きなど、リスナーに届くまでの反射音の影響も強くなる。一方、多重録音も多いポップスやロックの録音は、直接音を中心に収録した音源になる。

 縦軸は音源のダイナミクスだ。ダイナミックレンジは、最も小さな音と最も大きな音の比を差すが、イヤホン自体の再現力の違いというよりは、一定の音圧感をキープした録音と、ピアノとフォルテなど強弱の差が幅が広く付けられている録音のどちらに合っているかで整理したものとなる。

 B seriesは、E3000と比べて、ボーカルや楽器の直接音が明瞭に聴こえるチューニング。さらに、B1については、音圧感があってエネルギッシュなロックやポップス、人気のアニソンの再生などに特化したもののようだ。finalの言葉を借りると「これらの前提条件が、特にイヤホン・ヘッドホンのリスニングにおいては非常に重要で、それぞれに適したターゲットカーブやドライバー設計にすれば、より深く、音楽を楽しめるようになることがわかってきました」とのことだ。

 ただ、そのために具体的にどうしたかについてはボヤかされている。このあたりが、雲をつかむような印象にもつながっている……のだが、そもそもイヤホンで重視すべきは、仕組みではなく、出音だ。ここも「先入観なく、まずは音を聴け」というfinalの考えの表れなのかもしれない。

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