第262回
RTX 2060 SUPERはRTX 2070相当、RTX 2070 SUPERはNVLink対応
GeForce RTX 20 SUPERの性能を検証、次期Radeon対抗の実力
2019年07月02日 23時58分更新
RTX 2060 SUPERとRTX 2060に大きなギャップ
次はやや毛色を変えてレーシング系の定番「Forza Horizon 4」で検証する。ダイナミックオプティマイゼーションを無効化し、画質“ウルトラ”に固定。ゲーム内ベンチマーク機能を利用して計測するが、GPU内のレンダリングフレームレートは“GPU-”で始まる項目で表示し、実際に送出される映像のフレームレートは“Avg”として掲示する。
こうして並べてみると、RTX 2060 FEとRTX 2060 SUPER FEの間に大きな性能ギャップがあることがわかる。メモリーバス192bitと256bitの差はかなり大きい……というか、実質RTX 2070化したことで性能が1ランク上がったと捉えるべきだろう。
続いては先日のSteamセールでかなり人気を集めた「MONSTER HUNTER: WORLD」で試してみたい。DLCのひとつとしてHi-Res Texture Packが追加されたので今回はこれも組み込んだ状態でテストしてみたい。画質“最高”状態でこのテクスチャーパックを組み込み、画質を4Kに上げると8GBのVRAMでは不足する危険があると警告が出るが、むしろ6GBと8GBの差異を見るには好都合だ。
待機所を作成し、一定のコースを移動したときのフレームレートを「OCAT」で計測する。グラフには最低フレームレートが2つ出ているが、それぞれ最下位から0.1%点及び1%点を比較する。スパイクのように一瞬カクつくような状況では、0.1%点のフレームレートが激しく落ち込みやすいからだ。
今回の計測条件では、VRAM 6GBのRTX 2060 FEは確かに重かったが、4Kでも平均25.2fpsと強烈に重さを感じることはなかった。実際の狩りのシーンではもう少し違った結果になる可能性もあるが、このゲームの設計上非常に時間がかかるのでこれ以上深い追求は断念せざるを得なかった。
最後にVRAM食いの代表として「BIOHAZARD RE:2」を試してみたい。VRAM内に影などの情報のデータをキャッシュするため、最高画質設定にすると8GBどころか16GBないと足らないと警告されるゲームだが、実際はVRAM 6GBでもプレイは可能だ。ここでも最低フレームレートは0.1%と1%点を見ることにする。警察署ロビー~西廊下のコースを移動するときのフレームレートを「OCAT」で計測した。
平均フレームレートの傾向は他のゲームと同じだが、最低フレームレートの出方にGPUの底力が出てくる。RTX 2060無印は要所要所で一瞬カクッとくるのがしっかり視認できるが、メモリーバスの広いRTX 2060 SUPERでは「気づきにくい」程度に収まっている。
VRAMを貪欲に使うタイプのゲームが今後増えてくると思うので、新しいゲーム好きならメモリーバス幅の広いRTX 2060 SUPERを買うのがお得と言えるだろう。もちろん、資金に余裕があればRTX 2070 SUPERや、まだ見ぬRTX 2080 SUPERのほうが良いに決まってはいるが……。
まとめ:本当に見たいデータはまだ出ていない
以上でRTX 2070 SUPERおよびRTX 2060 SUPERの検証は終わりだが、正直なところ今回の検証は茶番である。スペックがやや上がった新GPUに対し、ほぼ予想通りの結果を確認しただけだ。だが知っての通り、このRTX 20 SUPERシリーズは数日後にレビューが解禁されるであろうAMDの次期Radeonに対抗するためのもの。これと比較せずに、RTX 20 SUPERシリーズの何を評価するというのだろう?
製品が出荷され、自由に比較検証が行なえるようになった段階で改めて両者を対決させてみようと考えている。乞うご期待!
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