働き方改革が叫ばれて、すでに3年ほどの時間が経過している。しかし、いまだにどこから手を付ければいいのかわからないという企業も多い。モバイルワークを実現するモバイルマシンの導入がもっともわかりやすいが、モバイルワークを始めようとしたとき、また新しい壁にぶつかるだろう。
そんな課題の中に、ペーパーレス化やコミュニケーションといったものがある。紙の資料と、同じ場所に集まった会議や打ち合わせで進んでいたビジネスを、根本から見直す必要がある。ここで紹介するのは、富士ソフトのペーパーレスシステム「moreNOTE」とペン操作にも対応したディスプレー着脱式のノートパソコン「VAIO Pro PA」の組み合わせだ。両社のタッグはビジネスのどこに効くのか? それぞれの担当者に聞いた。
手書きだからスムーズにペーパーレス化可能
―― まずは富士ソフトでmoreNOTEの開発を担当している小宮山さんに、moreNOTEの開発に至った経緯と、オフィスでの効果的な活用法についてお聞きしたいです。
小宮山卓さん(以下小宮山) 「moreNOTEは、もともとiPad向けのアプリケーションとして開発を始めました。紙で持ち歩く資料をiPadに入れて、外出先のどこでも閲覧できるクラウドサービスを作ろうと思いました。開発・販売を進めていく中で、ビジネスの現場ではiOSだけでなくWindowsの端末でも使いたいという要望が多く、Windows版を開発したのが2014年になります。
現在は、紙資料として印刷していたものをWindowsマシンやタブレットに入れて見られるようにしたり、お客さま先でプレゼンテーションしたり、外出先から社内の会議に参加したりと、どこからでも仕事ができるサービスとしてご利用いただいています。
特に会議の場合、今までですと会議室に集まって同じ資料を配布するか、プロジェクターを準備しないと会議はできませんでした。moreNOTEを使うと、タブレットやPCさえあれば参加場所を選ばず、例えば外出先からでも同じ資料を見ながら会議に参加できます。
また、営業マンがお客様へプレゼンテーションする際も、今までであれば紙に資料を印刷して持っていきましたが、直前に資料に間違いがあったときの修正は難しいものです。moreNOTEであれば、打ち合わせ直前でも資料を修正し、それをそのままプレゼンテーションできます」
―― 実際に御社でも活用していらっしゃるそうですね。
小宮山 「社員全員にタブレットを支給して、moreNOTEでペーパーレス化しています。なかでも経営会議は5年ほど前からすべてペーパーレスで行っています」
―― どのぐらいの効果が得られるのでしょう。
小宮山 「ペーパーレス化以前は、経営会議に向けて5、6人の社員が7、8時間かけて資料を印刷していたと聞いています。もし資料に間違いが見つかれば回収して一から印刷し直しになるため、かなりの労力とコストがかかっていました。その後、ファイルサーバを使って会議室に設営されたノートパソコンから資料を閲覧する運用にしましたが、資料の視野性や操作性に課題がありました。moreNOTEでこれらの課題が解決できたため、ほぼすべての会議を今ではmoreNOTEで実施しており、全社だと月間100万枚ぐらい紙を削減できています」
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