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SeasonicやFSPを販売するオウルテックに訊いた

理想の容量や80 PLUSは?本当はもっと吟味すべき電源ユニット選び

2019年04月19日 11時00分更新

実は危ない1500Wオーバーの電源ユニット

鈴木氏:あと、マイニング用のキロワット級電源によくあるんですが、15Aを超える電源ユニットも弊社では危険なので取り扱ってないです。

――あれ? ご家庭のコンセントは100V/15Aで最大1500Wまでじゃないですか。なので、そもそもそれを超える電源ユニットを付けてもそれ以上は使えないので、無駄ではあるけど問題ないと思ってました。

鈴木氏:結局、システム側がその電力を要求してしまうと、コンセント側に過負荷がかかって火を噴いたりすることもあるんです。それを知らないで、使っていると最悪火事になることもあるので実は結構危険なんですよ。

――それを知らずに1600Wの電源ユニットを使ってましたよ(笑)。使用電力は最大700Wぐらいのシステムだったので大丈夫だったのか……。

鈴木氏:電力変換効率的には良いところですね。ただ、定格容量ギリギリまで使ってしまうと危ない製品になります。日本で1500W以上使う場合は、200Vのコンセントで電流量を下げて使ったほうがいいですね。

――はい。肝に銘じておきます。鈴木さん、本日はありがとうございました!

 取材を終え、まだまだ奥が深いと痛感した電源ユニットの世界。定格容量や80 PLUSのグレード、ケーブルの仕様だけではなく、今回紹介した新たなポイントを電源ユニット選びに役立ててほしい。最後に、オウルテックが取り扱っている電源ユニットやPCケース、サービスをいくつか紹介しよう。

Seasonic「PRIME AirTouch 850 Gold SSR-850GD-AT」(定格電力850W)。80 PLUS GOLD認証で、MTLRで電圧変動幅を±0.5%に抑えた高品質なモデル。「ハイブリッド5-wayファンコントロール」と呼ばれる機能を備え、タッチボタンで5種類のファン動作モードを切り替えられる。交換保証は12年で、実売価格は2万7000円前後。ケーブルはフルモジュラー式で、4+4ピンのCPU補助電源ケーブルを2本備え、最新のハイエンドマザーボードにも十分対応できるだろう。

Seasonic「PRIME Titanium SSR-850TR」(定格電力850W)。実売価格は3万6400円前後と高価だが、使用負荷10~100%時と広いレンジで90%以上の電力変換効率を実現する80 PLUS TITANIUM認証を取得しているハイエンドモデル。フルモジュラー仕様はもちろん、MTLR対応で電圧変動幅は±0.5%に抑えている。12年間の長期交換保証。

FSP「DAGGER SDA600」(定格600W)。Mini-ITX自作などで活躍するSFXサイズながら、600Wの大容量を実現した80 PLUS GOLD認証モデル。フルモジュラー式で実売価格は1万2700円前後。なお、ATXブラケットが付属し、ATX用のPCケースでも取り付けられるのがありがたい。5年保証。

FSP「AURUM 92+ 650 PT-650M」(定格650W)。80 PLUS PLATINUM認証を取得しているセミモジュラー式だが、実売価格は1万400円前後とお手頃なモデル。2013年発売とやや古めのモデルだが、筆者も自宅で長らく使っているが現在までまったく問題ない。マルチレーン仕様で、+12Vが4レーン。1系統につき18A使用できるものの合計電力は576Wが上限となる。保証期間は3年。

ドイツの静音PCパーツメーカー、be quiet!のPCケース「SILENT BASE 801」(E-ATX)。各パートが外れるようになっており、マザーボードトレイは90度回転させた倒立レイアウトも可能。肉厚なスチールは一度触ればその出来の良さが体感できるほど。

SILENT BASE 801はフロントパネル、サイドパネル、トップパネルに10mmのぶ厚いダンピングマットを備えるなど、徹底的に騒音対策が施されているのも特徴のひとつ。なお、サイドパネルは背面のプッシュボタンでロックが解除される機構になっている。

オウルテックはプリント事業も行なっており、個人/法人問わず、小ロットはもちろん、1個からでもスマホケースやマグカップなどに印刷できる。スマホケースなどはUVインクジェットプリンターで型に入れて、曲面でもきれいにプリントできる。

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