Forza Horizon 4では優劣の傾向が異なる
続いては「Forza Horizon 4」でも試してみよう。Far Cry New DawnはDirectX 11ベースだが、こちらはDirectX 12ベース。CPUやGPUの使われ方もFar Cry New Dawnとは対照的で、Forza Horizon 4のほうがマルチスレッドに最適化されている。
テストはFar Cry New Dawnと同様、ベンチマークモードをOBSで録画する。画質は「ウルトラ」、解像度は1920×1080ドットとした。グラフ中の「GPU-」で始まる項目はGPU内部で処理しているフレームレートで、実際にユーザーに観測される平均フレームレートは「Avg」で示す。
非常に興味深い結果が得られた。旧NVENCよりも新しいNVENCのほうがフレームレートが高いところは同じだが、CPU(x264)を使って録画したほうがより高いフレームレートが出たのだ。
ベンチマーク結果をよく観察してみると、NVENCを使った時はベンチマークと録画ともに微妙なカクつきが発生していた。順序的にはベンチマークでスタッターが発生し、それがNVENCで微妙なコマ落ちとして現われるといったところだろう。これについては後ほど原因を追求する。
こちらも同様に、VBR 40Mbpsで録画した際のフレームレートも比較する。
8Mbps時と同様、NVENCを使った場合はスタッターが発生するため若干フレームレートが落ち、むしろx264を使ったほうがゲーム上のフレームレートが高いという結果を得た。
しかし、録画したものの品質をチェックすると、NVENCは微妙なスタッターは出ているものの全体としては鑑賞に耐えるものなのに対し、x264で録画した場合はfastでもmediumでも派手にコマが飛んでしまい、とても観られたものではない。高ビットレート録画ではCPUを使わないNVENCが圧倒的に有利なのだ。
それでは画質比較といこう。上から順番に新NVENC(心理視覚エフェクト+Look-ahead)、新NVENC(心理視覚エフェクト)、旧NVENC、x264 fast、x264 mediumとなっている。
8Mbpsで比較した場合はエンコーダーの癖がハッキリとわかるシーンがあった。特に顕著なのはアスファルトのテクスチャーや車の輪郭、そして高速で通過する看板の文字の3点だ。
NVENCだと中距離にあるアスファルトのテクスチャーが完璧に消えてしまっているが、看板の文字は比較的しっかりとしている。また、旧NVENCよりも新NVENCのほうが車のディテールや看板の文字の輪郭がよりハッキリと描かれる。
これに対し、x264は中距離にあるアスファルトの質感が辛うじて(ややブロックノイズぽくなっているが)残されている反面、車のディテールや看板の文字に滲みが見られる。特にx264 fastではそれが顕著だ。アスファルトのテクスチャーを表現しようとするあまりビットレートを消費してしまい、他の部分がおろそかになったという感じだ。この辺はエンコーダーのバランス感の違いとも言えるだろう。
続いて40Mbpsでは、どのエンコーダーも中距離のアスファルトの質感がよく再現できており、ディテールもパキッとしている。しかし、x264はまだ文字の輪郭が微妙に甘い感じだし、何よりコマ落ちが激しくて鑑賞には適さない。
この理由は簡単で、Forza Horizon 4はCPUのマルチスレッド化が進んでおり、各コアの占有率が元々高いからだ。そのため、x264ではCPUパワーに余裕がなくなってしまい、激しくコマ落ちするのだ。Forza Horizon 4に関しては言えば、高ビットレート録画するならNVENCが圧倒的に強いことになる。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります