ASUSは3月1日、「TUF Gaming」シリーズ初のPCケース「TUF Gaming GT501」を販売開始した。堅牢性をウリにする「TUF Gaming」シリーズだが、もともとはマザーボードで展開されていたシリーズであり、他メーカーと連携してデザインなどを統一した「TUF Gaming Alliance」認定CPUクーラーや電源ユニット、メモリーも市場で販売されていることから、組み合わせればデザイン的に統一感のあるPCを簡単に作れるのがメリットだ。また、随所で作業のしやすさがあり、ゲーム用にPCを自作してみたいと考えているニュービィ向けでもある。
製品サンプルを使用し、パーツを組み込んでみたレポートをお送りしよう。
「TUF Gaming GT501」はE-ATXフォームファクターまで対応のミドルタワーケースで、本体サイズはおよそ251mm×545mm×552mm。卓上に設置する場合にはそれなりのスペースが前提となるが、吸気は正面と底面、排気は天板と背面となっているため、左右のスペースを確保しなくてもいい。
外観を見ていこう。TUF Gamingシリーズ共通のロゴとモザイク調の処理がポイントとなるが、黒基調で極端な自己主張はない。正面にはUSB 3.1 Gen 1×2、ヘッドフォン端子、マイク端子と電源ボタンがあるのみとシンプルだ。左側面はややスモークの入った約4mm厚の強化ガラスとなっている。内部がすぐに分かる点とライトアップのアピール目的で、最近ではすっかり定番となっているため、特筆すべき点はない。
さて。写真を見て天板部が気になった人もいるハズだが、天面にはハンドルが用意されている。ベルト式になっており、ある程度の長さの調整が可能だ。持ち運ぶためのものだが、フロント側のベルトだけを持って手前に引っぱり出すのも簡単で、場合によってはゲーム用コントローラーやマウスのケーブルマネジメントに使用できる。
ケース内は2チャンバー方式を採用しており、マザーボードやGPU向けのエアー、電源向けのエアーを独立させた分かりやすいエアフローを採用している。また付属のファンはフロント側に吸気用として120mmファン×3、バック側に排気用140mmファン×1を搭載。標準的な構成であれば、とくにファンを追加する必要はないだろう。また天板部はメッシュになっており、自然排気を期待できるほか、簡易間接水冷ユニットの取り付けも想定されている。フロント側のファンを外すと、こちら側にも簡易水冷ユニットの取り付けが可能だ。CPUだけでなくGPUも水冷にしたいといった場合に小便利で、フロントと天板部はいずれも280mmと360mmラジエーターを装着できる。なおフロントのファンはいずれもAura Sync対応だ。
細かい部分を見ていこう。主にストレージをマウントする2.5インチ/3.5インチシャドウベイは4つ、2.5インチシャドウベイは3つと、ストレージの設置場所にはかなりの余裕がある。M.2スロットの存在を考えると十分すぎるシャドウベイ数であり、また、くみ上げたあとにストレージを追加しやすい位置にある。また2.5インチシャドウベイ×3は右側面から見た場合、SSDを正面に捉える形になる。いくつか販売されている、LED内蔵のSSDなどがあれば目を引くだろう(というか、SSDのダミーモジュールやSSDに装着する発光モジュールがほしくなるので、ASUSさん、おねがいします)。
総じてケース内スペースが広大であるため、見ただけでも作業のしやさすがわかると思うが、最大のポイントはTUF Gamingシリーズに属するマザーボードのレイアウトに最適化されていることだ。自作PCにおいては、見た目重点でケースを選んだ結果、マザーボード側のレイアウトと相性が悪く、微妙にケーブルが届かないだとか、裏側配線をしようとしたらケーブルを通す穴がマザーボードで隠れてしまうなどのインシデントが発生しがちだが、本ケースとTUF Gamingシリーズマザーボードであれば、その点の心配がない。またTUF Gaming認定の電源ユニット「MasterWatt TUF Gaming Edition」のケーブル長も考慮されている。このあたりでよくあるイベントを回避できるため、初心者向けでもあるのだ。
フロント側の120mmファン×3とマザーボード、CPUクーラーはAura Sync対応である。最小構成状態での光り方もチェックしておこう。なおCPUクーラーは人によっては異なるものを選ぶであろうし、簡易水冷ユニットを選ぶかもしれないので消灯した状態だ。
「TUF Gaming GT501」は単体では作業性が高く、かつ改造、LEDの増設もやりやすいケースだ。さらにTUF Gamingシリーズのマザーボードや電源、CPUクーラーとのクリアランスが考えられているため、初めての自作PCの場合、めんどくさいイベントとのエンカウント率の低下を期待できる。パーツがよくわからない場合はTUF Gamingシリーズを揃えればOKという導線も評価すべきポイントといえるだろう。
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