まとめ:新世代ミドルを名乗るのに相応しいパフォーマンス
以上でGTX 1660 Tiのファーストレビューは終了だ。RTX 20シリーズ登場当時から“RTコアとTensorコアを省いて安くしろ”というゲーマーの声が挙がっていたが、今回ミドルクラスのGPUでこれを実現したことになる。279ドルというのはベースラインの値段であるため、実際の製品は300ドル前後になりそうだが、それでもやや割高感はある。むしろ少し背伸びしてRTX 2060の安価なモデルを買ったほうがDLSSやDXRの恩恵を享受できるぶんお買い得かもしれない。
以下のグラフは今回比較に使ったビデオカードを基準に、GTX 1660 Tiは各GPUに対してどの程度速い/遅いかを示したもの(100%より上=高速)。検証に使用した実際のゲームベンチの平均フレームレートの増加率の平均である。
フルHDならRTX 2060に対して9%下、GTX 1070より6%上という絶妙なポジションにつけている。GTX 1070ユーザーが買い換える先はRTX 2070であって、GTX 1060ならGTX 1660 Tiに乗り換えてもしっかりメリットが感じられるということが示されている。GTX 960はそろそろ引退させてやろう。
価格面に納得できれば、GTX 1660 Tiは少しでも予算を圧縮したいゲーマーにオススメできることは間違いないだろう。RTコアが云々とか言っていた層なら、なおさらGTX 1660 Tiを選ぶべきだ。
ただ問題は、まだ市場にGTX 1060搭載カードが残っていること。GTX 1060の実売価格は売れ筋モデルで2万8000円前後であるため、これが消えないとGTX 1660 Tiはそう簡単には安くならないだろう。ゲーマーにとっては歓喜すべき製品だが、小売店にとっては頭痛の種になりそうな製品なのだ。
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