第243回
349ドルのレイトレーシング対応GPUは“脱Pascal”を実現できるのか?
GeForce RTX 2060性能検証!GTX 1070 Ti拮抗の新メインストリーム
2019年01月07日 23時00分更新
RTX 2060の置き換えターゲットはGTX 1070 Ti
このRTX 2060が想定するターゲットだが、NVIDIAは1世代前のGTX 1070ではなく、その上のGTX 1070 Tiの置換を狙っている点を強調しておきたい。ライバルで言うとRadeon RX 590を飛び越し、Vega 56の領域を攻めるための製品だ。
これまでRTX 2080はGTX 1080 Ti+α、RTX 2070はGTX 1080+α……というようにTuring世代のGPUはPascal世代の1ランク上をターゲットにしてきたが、RTX 2060はやや伸び幅が大きくとられている。GTX 1070 Tiは(ゲームにもよるが)GTX 1080のやや下であることを考えると、RTX 2060はメインストリーム向けGPUの基準を大きく押し上げ、DXR世代のGPUのスタンダードにしようという意図のようだ。
レビュアーズガイドによれば、RTX 2060はフルHD~WQHD環境でゲームを快適に遊ぶための製品と記されていた。VRAMが6GBとやや少なく設定されているのは、ライバルのRX 590やVega 56などに比べると見劣りする点だが、WQHD環境想定なら、6GBもあれば大抵のゲームで困ることはない、という判断だろう。
それでは今回の検証環境を紹介しよう。今回RTX 2060 FEをテストするにあたり、比較用として上位モデルであるRTX 2070、想定ターゲットのGTX 1070 TiのほかにGTX 1070と1060も準備。用意した比較用ビデオカードはすべてFEで統一している。ドライバーのバージョンは「Shadow of the Tomb Raider」クラッシュ対策の入った417.58で比較しているが、RTX 2060はレビュー用のドライバーで検証している。
今回の見どころはRTX 2070との性能差も重要だが、それ以上にCUDAコアが1920基、ブーストクロックも非常に近いGTX 1070との性能差、そしてCUDAコア数では格上の1070 Tiにどこまで食らいつくかの2点だ。GTX 1070は流通在庫のみとなっているが、安いものなら4万円台で手に入る。GTX 1070 Tiはそれより1万円ほど上のゾーンにいる。高性能なものは高い、という価格設定が近年顕著になりつつあるが、RTX 2060はどうなるのだろうか?
検証環境 | |
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CPU | Intel「Core i9-9900K」(8C/16T、3.6~5GHz) |
マザーボード | GIGABYTE「Z390 AORUS MASTER」(Intel Z390) |
メモリー | G.Skill「F4-3200C14D-16GTZR」(DDR4-3200 8GB×2、DDR4-2666で運用) |
グラフィックス | NVIDIA「GeForce RTX 2070 Founders Edition」、NVIDIA「GeForce RTX 2060 Founders Edition」、NVIDIA「GeForce GTX 1070 Ti Founders Edition」、NVIDIA「GeForce GTX 1070 Founders Edition」、NVIDIA「GeForce GTX 1060 Founders Edition」 |
ストレージ | Western Digital「WDS100T2X0C」(M.2 NVMe、1TB SSD、システムドライブ運用)、Crucial「MX300 CT1050MX300SSD4/JP」(M.2 SATA、1.05TB SSD、データドライブ運用) |
電源ユニット | SilverStone「SST-ST85F-PT」(850W、80 PLUS Platinum) |
OS | Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」(October 2018 Update適用済み) |
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