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「Startup Factory Meetup」東京レポート

ハードウェアスタートアップを製造から支援するStartup Factory

2019年01月09日 07時00分更新

文● MOVIEW 清水 編集●北島幹雄/ASCII STARTUP

Startup Factory参画事業者によるスタートアップ支援

 続く事業者ピッチでは、Startup Factoryに参加している事業者から、その支援内容についての紹介が行なわれた。

 丸の内エリアで30棟のビルを保有する三菱地所からは、xTECH営業部の平井 瑛氏が登壇。大手町ビルの中にTechLabを新設し、スタートアップの一大集積地点としてコミュニティを作りたいという。このTechLabでは、ハードウェア系スタートアップの製品を量産して市場に投入するサポートを行なう。六本木のTechShop Tokyoとともに運営しており、プロトタイプとして作った製品をどのように量産していくか、その入り口までをスムーズに持っていき、どのように市場へ投入するかの実験や、コミュニティの中でのさまざまな支援環境を整えているとのことだ。

 丸の内というエリアを面で保有しているという強みもあり、行政との交渉などの手伝いや、ほかのエリアではできない、作った製品をすぐ試せる環境を作り上げていくとアピールした。

三菱地所 xTECH営業部 平井 瑛氏

 続いて登壇したのはエレファンテック 代表取締役社長 清水信哉氏。同社はインクジェットでエレクトロニクス製品を作ることを世界で初めて実用化した企業で、基板などを作る際、不要な部分の銅を削る製造法からインクジェットで必要なところにだけ銅を使用することで、大幅なムダを削減。プロセスが短くなり、コストが低下、さらに大量に捨てていた銅やそれから生じる有害な廃液なども低減し、環境問題にも寄与している。

 製造は大量に作らないとコストが減らないが、必要なときに必要な部分だけ作り、軌道に乗った際には増産する体制を可能にしていけると説明した。

エレファンテック 代表取締役社長 清水信哉氏

インクジェットによる基板製造でプロセスが半分、コストも低くなる

使用する銅が少なくなり、環境問題にも貢献できる

 事業者ピッチの最後はシナノケンシ 経営戦略室 取締役室長 金子行宏氏が登壇。モーター技術を中心に、それを仕様した最終製品まで対応する同社は、スタートアップからメモ程度のものをもらえば、それを仕様に起こし、図面を引き、量産ラインを作ってサプライチェーンを作るといったプロセスをワンストップで実現できると語る。

 非常にいいコンセプトを持っていても、実際に作っていみると音が大きい、振動があるといったことが起こりがちで、ギアやモーター、基板などの部材についてすべてのサプライヤーを探し、仕様を渡して自分で組み合わせることは困難をともなうが、同社と連携することで1サンプルから1000万個といった量産まで対応できる。またスタートアップでありがちな、他国に知財を盗まれるといったことにも注意しており、パートナーととも成長していくビジネスを心がけていると語った。

シナノケンシ 経営戦略室 取締役室長 金子行宏氏

スタートアップがすべてを自分でまかなおうとすると、さまざまな壁にぶつかる

プロトタイプから量産化までワンストップで対応可能

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