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ASUS初の水冷クーラー「ROG RYUJIN」、有機ELモニター内蔵でMOD PCにも良し!

2018年12月29日 11時00分更新

 12月14日に販売開始となった、ASUSのオールインワン水冷CPUクーラー「ROG RYUJIN 360/240」は、マザーボードやグラフィックスボード、周辺機器といった手広い展開でその名を知られる同社が、今年6月に開催された「COMPUTEX TAIPEI 2018」にあわせて発表した待望の自作系パーツだ。同社初の水冷クーラーということで、ASUSのハイエンドゲーミングブランド「ROG」らしい高機能製品に仕上がっている。

 発売前にサンプル製品を借りることができたので、詳細をチェックしていこう。

ウォーターブロックのOLEDが強烈な「ROG RYUJIN」

360mmラジエーターの「ROG RYUJIN 360」。240mmラジエーター版の「RYUJIN 240」も販売中

 「ROG RYUJIN」は、同社初のハイエンド簡易水冷クーラー。ラジエーターサイズが異なる「ROG RYUJIN 360(360mmラジエーター、3連ファン搭載)」と「ROG RYUJIN 240(240mmラジエーター、2連ファン搭載)」の2モデルを併売するが、今回取り上げるサンプル機は360mmラジエーター搭載モデルだ。

 対応ソケットはインテルLGA 1150、LGA 1151、LGA 1152、LGA 1155、LGA 1156、LGA 1366、LGA 2011、LGA 2011-v3、LGA 2066のほか、AMD Socket AM4、Socket TR4でも使用できる(TR4で使用する場合、CPU付属のCPUクーラー取り付け用ブラケットが必須)。メインストリームだけでなく、最新のHEDT向け製品とも組み合わせられるのは嬉しい。

ウォーターブロック部分にはカバーが付いており、取り外すと固定用のネジが見えるようになる

内部にはCPU周辺のVRMやM.2スロット冷却も可能なファンが仕込まれている

 ウォーターブロックのカバーは取り外しができ、内部には小型の60mmファンが確認できる。水冷クーラーはその構造上、空冷のトップフローやサイドフローに比べてVRM部やM.2スロットの冷却面が弱くなりがちだが、こうしたファンを内蔵することで、CPU以外の部分も効率的に冷却できるというわけだ。

1.77インチの有機ELディスプレー「LiveDash full color OLED display」

LiveDashユーティリティーから表示する項目などを変更できる

プリセットのロゴもいくつかあるが、jpeg画像やGIFアニメーションを指定して表示することも

サイズ調整の必要はあるが、ジサトラマークもバッチリ

ウォーターブロックの取り付け方によっては画像が正しく表示されなくなるため、回転しての表示にも対応する

 最大の特徴は、カラー液晶が目を惹く巨大なウォーターブロック部分だろう。液晶は1.77インチの有機ELディスプレー「LiveDash full color OLED display」。近年のASUS製マザーボードに内蔵されているLiveDashモニターでは、CPU温度や電圧、動作クロックといった数値のモニタリングが可能だったが、このディスプレーはそれに加えて、jpegのカラー画像やGIFアニメーション、テキストなどを表示可能になっている。

テキスト表示の例。記号は一部うまく表示されなかった

アルファベットのみなら問題ない。日本語は表示不可

 画像などの表示には、「LiveDash」ユーティリティーをインストールする必要がある。表示できるのは解像度160×128ピクセルのjpeg/GIF画像。ファイルサイズは最大で1MBまで。テキストの場合は短い文字列を4行まで入力できるが、日本語には対応しておらず、アルファベットのみで、記号も一部正しく表示されない。画像の場合は用意する手間はあるが、PC内部のカスタマイズにこだわりたいコアな自作ユーザー垂涎の機能と言っていいだろう。

360mmラジエーター。搭載される120mmファンは、高級志向かつ静音の製品に定評があるNoctua製の「industrialPPC fan」

 ラジエーターは360mmモデルだとかなり大きいため、装着できるPCケースかどうかを事前にチェックする必要があるだろう。なお、搭載されるファンは、高級志向かつ静音の製品に定評があるNoctua製の「industrialPPC fan」。240mmモデル、360mmモデルのどちらも口径120mm、回転数2000rpmのファンを搭載している。

Aura Syncユーティリティーからはしっかり水冷クーラーとして認識されている

 もちろん、おなじみASUS独自のLED同期機能「Aura Sync」にも対応し、LEDカラー・パターンの制御や他パーツとのLED同期が可能だ。

編集部にはASUSのデモ機が直接送られてきたため、この環境で検証を実施している

ストレステストツール「OCCT」を起動し、30分間のCPU LINPACKを実行してみた。CPUはCore i9-9900Kでテスト中のCPU温度は約70度と問題ないレベルに収まっている。

 実売価格は、ROG RYUJIN 360が4万円前後、ROG RYUJIN 240が3万3000円前後。とにかくデザインや見栄えを意識したCPUクーラーなので、ROGブランドの製品を多く使った自作PCや、ユニークなMOD PCなどに採用するのが良さそうだ。特にウォーターブロック部分はカバーが取り外し式ということもあって、MODカスタムの余地も高そうだ。なかなかに高価ではあるが、最新CPUで水冷クーラーを検討しているユーザーはもちろん、PCのドレスアップに挑戦したいという人も一考の価値があるだろう。

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