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レイトレーシング処理における見た目と性能、消費電力の変化が丸わかり!

「Battlefield V」をGeForce RTX 2070/2080/2080 TiでDXR徹底検証

2018年12月22日 07時00分更新

レイトレーシング有効時の消費電力は?

 今回BFVがDXRに正式対応したことで、今まで謎だったレイトレーシング時の消費電力が計測できるようになった。RTコアとTensorコアはこれまでのゲームでは使われてこなかったため、ワットパフォーマンスが良いのかどうかわからなかったが、今回ようやく試せるようになったことになる。

 今回はレイトレーシングの反射効果の多い「北極光:狼と犬」のシーンを画質「最高」+DXRレイトレース・リフレクションのクオリティー「最高」設定、解像度「フルHD」時でプレイした時の消費電力をチェックする。同じシーンでDXR無効時と比較すれば、RTコアとTensorコアを使った時のワットパフォーマンスがどの程度変化するのか判明するというわけだ。

 消費電力計測にはラトックシステムのワットチェッカー「REX-BTWATTCH1」を使用している。

「北極光:狼と犬」プレイ中のシステム全体の消費電力。

 まず、どのGPUもフレームレートに上限を設けない(実際はBFVの使用上、200fpsが上限となる)時は、DXRなしの時が最も消費電力が高くなる。これはDXRなしでフルHD設定だと超高フレームレートが出せてしまうためだ。

 そこで今回は「もしDXR有効時と同程度のフレームレートになった場合はどうなるのか」と考え、BFV側で120fps制限をかけた時の消費電力も計測してみた(DXRなし-120fpsと表記)。これを見るとDXR有効時のほうが高く、RTコアやTensorコアが稼働するぶん消費電力が増えたことがわかる。

 RTX 2080 Tiは特にDXR有効時の消費電力が高くなっているが、これはパワーがあるため120fpsを超えたフレームが計算されているためと推測できる。だが、GPUがRTX 2080→2070と格下になるにつれ、DXR有効時と無効時の差は小さくなる。むしろRTX 2070と2080でほとんど差が出ていない点にも注目したい。

まとめ:執念のDXR最適化は称賛すべき、あとはレイトレーシング対応ゲームが増えることを期待するだけ

 以上でRTX 20シリーズとBFVのDXRパフォーマンス検証は終了だ。DXRを有効にすると無効時の半分近くまでフレームレートが下がるため、マルチプレイでの勝ちを何より重視する人はDXRは今のところ封印すべきかもしれない。

 だがカジュアルに楽しむのであれば、RTX 20シリーズを導入してリアルタイムレイトレーシングという最新技術に触れても十分ゲームとして成立するところまで来たと言える。ひとえにDICEとNVIDIAの執念が結実したと言ってよいだろう。

 そして、これでようやくRTX 20シリーズの真価が発揮できるゲームが誕生したわけだが、問題は後続だ。NVIDIAが必要なのはレイトレーシング対応ゲームを1本でも増やすこと。実際「Shadow of The Tomb Raider」はDXR対応タイトルとして最初にリストアップされていたが、今年中にレイトレーシングが使えるようになるかは怪しいところだ。

 RTXテクノロジーのもうひとつの目玉「DLSS」も、ようやく「FFXV WINDOWS EDITION」が対応した程度だ。RTX 20シリーズのサプライやQAも完璧でない部分が見られるなど、NVIDIAは一見楽勝なようで実はハードな時期を迎えている。つまらないところで足をすくわれることのないよう、我々は暖かく見守っておきたいところだ。

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