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cTDPはRyzen世代APUでも効果アリ?前世代との性能差に驚愕

35Wで確かな効果!Athlon 200GEの消費電力の低さは圧倒的

 消費電力とCPU温度を測定するのに外せないのがOCCTである。ストレステスト用のソフトウェアであるため、他のベンチマークソフトより負荷が重く、ロード時は最大級の消費電力となると考えてよい。

 消費電力ではTDP95WのA10-7850Kが特出しており、cTDPの効果が明確に出ている。同様にRyzen 5 2400Gに関しても幅は小さいもののcTDPにより消費電力が低下している。

 Ryzen 3 2200Gは35Wのときだけ効果ありとCINEBENCHのマルチスレッドのときと同様の傾向を示している。やはり、この辺にcTDPが利き始める枠があるのだろう。

 余談だがAthlon 200GEは別格と言えるほど消費電力が低くことにも注目したい。ロード時にPC全体でわずか51Wというのは驚異的でA4ノートPCにありがちな65WクラスのACアダプタでも動作するレベルである。

 CPU温度は消費電力とほぼ同じ傾向である。温度が全体的に高く感じかもしれないが、これは意図的にCPUクーラーの回転数を抑えているからである。とは言え、Athlon 200GEとA12-9800EのネイティブTDP35W優秀さが出ていると思う。

 消費電力はCPU負荷時よりも全体的に低い。また、CPU負荷時にはcTDPで明確な差が出てきたA10-7850Kがほぼフラットになっている。GPU負荷時だとそれほどTDPが上がらない為に差が出ないのかもしれない。

 CPU温度もCPU負荷に比べると全体的に低い。Ryzen 5 2400GはcTDPの効果が出ているようだ。RyzenAPUのVEGAベースのグラフィックスコアは、FM2+世代のそれよりも低発熱と言えそうだ。

 ただし、A12-9800EはGPU周波数が抑えられていることもあり別格に低い。

RyzenAPUでもcTDPは効果アリ!

 今回は小型ケースであともう一歩CPU温度を下げたいというときに使えるcTDPをRyzenAPUで試してみたが「FM2+世代ほどの効果はないものの消費電力とCPU温度を低減することができる」という結果となった。追加投資ゼロで実施できるので小型PCであと一歩CPU温度を下げたいという方には試してみる価値はあると思う。

 ただし、RyzenAPUをTDP35W設定にしても、Athlon 200GEのネイティブな35Wには及ばない。この記事の執筆時点ではリテール市場向けに投入されるかは定かではないが、TDP35WのRyzen 5 2400GEとRyzen 3 2200GEの国内投入にも期待したいところである。

 RyzenAPUはFM2+世代と比較すると全体的に消費電力が低く、CPU性能は概ねマルチスレッドで2倍、シングルスレッドで1.5倍と大幅に性能が向上しており、内蔵グラフィックスもライトな3DゲームならFullHD解像度でも十分にプレイできる性能を持っている。旧世代のマシンでゲームをプレイしていて発熱や騒音が気になるという方にもお勧めだ(参照:以前のAPUの記事)。

 個人的にはスリムケースにRyzenAPUを組み込んでリビングのテレビに繋げ、コンシューマーゲーム機のようにゲームを楽しみたいと思う。スリムケースPCならリビングに置いても家族に白い目で見られなくて済むはずなのだ。

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