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cTDPはRyzen世代APUでも効果アリ?前世代との性能差に驚愕

cTDPの設定方法の項目名は製品によって異なる

 cTDPの設定方法だが、マザーボードによって設定項目の名称が若干異なる。

 ASRock B450M Proの場合は「UEFI」→「Advanced」→「AMD CBS」→「NBIO Common Options」→「System Configration」の順に開くことで設定することが可能だ。同じASRockでもA88M-G/3.1では項目名が「Target TDP」という名称になっているので注意したい。

 設定自体は至って簡単で、好みのターゲットとするTDPを選択すればOKだ。

ASRock製「B450M Pro4」ではAutoを除くと「65W」「45W」「35W」の三択となる

ASRock製「A88M-G/3.1」ではAutoを除くと「65W」「45W」の二択となる

AM4世代とFM2+世代のAPUでcTDP性能を比較してみた

 cTDPを試す機会をいただいたので、その効果を最新のRyzenAPUとFM2+の前世代のAPUとで比較してみよう。いくつかのベンチマークソフトを走らせたときのスコアと消費電力、CPU温度で比較してみた。

比較に使用したCPU
モデル Ryzen 5 2400G Ryzen 3 2200G Athlon 200GE A12-9800E A10-7850K A8-7600
コードネーム Raven Ridge Bristol Ridge Kaveri
製造プロセス 14nm 28nm
コア/スレッド 4/8 4/4 2/2 4/4
クロック(定格) 3.6GHz 3.5GHz 3.2GHz 3.1GHz 3.7GHz 3.1GHz
クロック(TurboCore) 3.9GHz 3.7GHz - 3.8GHz 4.0GHz 3.8GHz
グラフィックス RADEON RX VEGA 11 RADEON VEGA 8 RADEON VEGA 3 Radeon R7
TDP 65W 65W 35W 35W 95W 65W
cTDP 46/65W 46/65W - - - 45W/65W
プラットフォーム SocketAM4 SocketFM2+

 現在発売中のRyzenAPUである2モデルに加え、発売したばかりのRyzenベースで低TDPのAthlon 200GE、同じく低TDPでBistol RidgeベースのA12-9800E、そして前世代のFM2+プラットフォームより、公式にはcTDPに対応していないA10-7850Kと対応しているA8-7600を用意した。

 CPU、メモリ、マザーボード以外の構成は同一とした。CPUクーラーは付属のものではなく、サードパーティーのもので統一している。

cTDPの比較に使用したパソコンの構成
AM4環境 FM2+環境
CPU(APU) Ryzen 5 2400G、Ryzen 3 2200G、Athlon 200GE、A12-9800E A10-7850K、A8-7600
CPUクーラー Thermaltake Contac Silent 12
メモリ DDR4-2400 4GB×2 DDR3-1600 4GB×2
マザーボード ASRock B450M Pro4 ASRock A88M-G/3.1
グラフィックス APU内蔵グラフィックス
電源 玄人志向 KRPW-SS600W/85+
OS Windows10 Home 64bit 1803

 CPU温度を比較する為、マザーボード付属のユーティリティ「ASRock A-Tuning utility」を使用してCPUクーラーの回転数を約900rpmに固定した。

 AM4とFM2+はマザーボードが異なるのでCPU以外にも消費電力が変わる要素があることを承知していただきたい。

RyzenAPUのCINEBENCH R15スコアはほぼ誤差の範囲

 まずは定番のCINEBENCHのスコアがcTDP有効時にどのように変化するのか確認してみた。

 まず、マルチスレッドのスコアに着目するとRyzenAPUのスコアが飛びぬけていることがわかる。登場したばかりのエントリーモデルであるAthlon 200GEでも前世代のA12-9800EやA10-7850Kよりも高いことに世代の進化が感じられる。

 cTDPを有効にした際のスコアだが、Ryzen 5 2400Gでは順当に少しずつ下がっており、FM2+世代のモデルと同様の傾向がある。対して、Ryzen 3 2200Gはほとんど変化がなかった。

 一方、シングルスレッドのスコアはRyzenAPUの2モデルはcTDP有無による変化はほとんどないとと言って良いだろう。これについては消費電力とCPU温度と併せてみていきたい。

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