RTXシリーズ大本命!ASUS ROG STRIXブランドのグラフィックスボード2製品をチェック
9月から販売が開始され、大きな話題を呼んでいるNVIDIAの新グラフィックスボード「GeForce RTX 2000」シリーズ。人気モデルでは各店舗で売り切れ状態が続いているものもあるが、そんな人気モデルの一角に食い込んできそうな製品が、10月12日から販売開始となったASUSのゲーミングブランド「ROG STRIX」シリーズのRTX 2080搭載グラボ「ROG-STRIX-RTX2080-O8G-GAMING」だ。従来から定評あるシリーズの最新製品ということで、注目している自作ユーザーも多いだろう。さらに11月には、満を持してRTX 2080 Ti搭載モデル「ROG-STRIX-RTX2080TI-O11G-GAMING」もリリースされる予定だ。
編集部では「ROG-STRIX-RTX2080-O8G-GAMING」の製品サンプル、および「ROG-STRIX-RTX2080TI-O11G-GAMING」をお借りできたので、実機の外観やベンチマーク結果を紹介する。
2.7スロット占有のハイエンドグラボ、存在感は抜群
「ROG-STRIX-RTX2080-O8G-GAMING」および「ROG-STRIX-RTX2080TI-O11G-GAMING」は、どちらもASUSのゲーミングブランド「ROG STRIX」シリーズの製品。同じくASUS製のRTX 2000シリーズ搭載ボードとしては、一足先に「DUAL-RTX2080TI-O11G」といったモデルが販売されているが、デュアルBIOSの切り替えやStealthモードなど、より豊富な機能を盛りこんだのが今回の製品となる。
デザイン上の特徴は、それぞれ2.7スロット厚のオリジナルVGAクーラーを採用した重厚な外観だろう。カード長は「ROG-STRIX-RTX2080-O8G-GAMING」がおよそ299.7mm、「ROG-STRIX-RTX2080TI-O11G-GAMING」がおよそ304.8mmで、どちらもほぼ30cm級となるため、PCケースによっては装着が難しいことには留意する必要がある。補助電源コネクターは、いずれも8ピン×2を使用。巨大なVGAクーラーは前世代と比較して冷却面積が20%以上拡大しており、セミファンレス仕様の高性能な3連ファンを備えることで冷却性能を向上させている。
どちらの製品もオーバークロック仕様で、「ROG-STRIX-RTX2080-O8G-GAMING」はベースクロックが1515MHz、ブーストクロックが1860MHz(OC時1890MHz)。「ROG-STRIX-RTX2080TI-O11G-GAMING」は、ベースクロック1350MHz、ブーストクロック1650MHz(OC時1665MHz)。動作クロックは同社おなじみの設定ユーティリティー「GPU Tweak II」から調整でき、「OC mode」「Gaming mode」「Silent mode」の基本的な動作モードから変更するほか、アドバンスモードで電圧やメモリークロック、ファンスピードを含めた詳細な設定を詰めることも可能だ。
また前述のとおり、動作モードを性能重視の「Performance Mode」と静音性重視の「Quiet Mode」の2種類間で切り替える“デュアルBIOS”機能があらたに実装された。モードは基板上のスイッチから切り替える方式で、デフォルト設定はPerformance Modeが適用されている。これをQuiet Modeに切り替えることで静音性が向上するほか、アイドル時のGPU温度が55度以下になった際にGPUクーラーのファンを停止する「0dB Technology」が適用されるようになる。このクラスのGPUでも静音性にはこだわりたい、というユーザーにとっては魅力的な選択肢だろう。
さらに、本体正面や側面・背面ロゴ部分には同社のLED制御機能「Aura Sync」に対応するマルチカラーLEDを内蔵。専用ユーティリティーからカラー・パターンの変更や、他の対応PCパーツやデバイスとのLED同期が可能だ。また、カード背面にはLEDをオン・オフ(Stealth Mode)するための物理ボタンがあり、ソフトウェアを使わずともLEDを点灯・消灯できる。
搭載メモリーはGDDR6 8GBで、出力端子はHDMI 2.0b×2、DisplayPort 1.4×2、USB Type-C×1(VirtualLink対応)。また、従来のSLI端子に変わり、NVlink用のブリッジ接続用コネクターを備えている。
RTX 2080がGTX 1080 Tiを上回る性能を発揮
ここからは、「ROG-STRIX-RTX2080-O8G-GAMING」および「ROG-STRIX-RTX2080TI-O11G-GAMING」、2モデルのベンチマーク結果を紹介していこう。比較対象として、前世代のGeForce GTX 1080 Tiで計測した値を併記している。なお、グラフィックスドライバーは「GeForce 411.70 Driver」。
検証環境 | |
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CPU | Intel Core i7-8700K |
マザーボード | ASUS ROG STRIX Z370-F GAMING |
CPUクーラー | サイズ 虎徹 Mark II |
メモリー | 16GB DDR4-2666 |
ストレージ | Intel SSD 600p(NVMe M.2 SSD、256GB) |
電源 | 850W、80PLUS Platinum |
OS | Windows 10 Pro 64bit版 |
3Dグラフィックス描画性能を独自の指標で数値化する「3DMark」では、DirectX 12ベースの「Time Spy」テスト2種類と、DirectX 11ベースの「Fire Strike」テスト3種類を実行した。どちらのベンチマーク結果も同じ傾向で、「ROG-STRIX-RTX2080TI-O11G-GAMING」が他のグラボを圧倒するスコアーを叩き出し、「ROG-STRIX-RTX2080-O8G-GAMING」がそれに続いている。RTX 2080が前世代の最上位であるGTX 1080 Tiに勝るスコアーを記録していることに注目すべきなのはもちろんだが、それに加えて、RTX 2000シリーズが未だその“真の実力”を発揮していない点にも留意する必要があるだろう。今後ビッグタイトルを中心に実装されていくと思われる「リアルタイムレイトレーシング」が活用されたテストを行った場合、この差はさらに広がると思われる。すでにあるゲームはもちろん、最新のゲームにおいてはなおのこと、RTX 2000シリーズの優位は揺るがないわけだ。
また、「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」の実ゲーム内でのfpsも計測してみた。マップは「Erangel」で、所定のコースを1分間移動した際のフレームレートをフルHD解像度、および4K解像度で計測している。毎回完全に同じルートを辿れているわけではないため、結果にはややブレがあったが、スコアーの傾向的には「3DMark」のときとほぼ変わらない。4K解像度・最高画質でPUBGをプレイするユーザーはあまり多くないかもしれないが、60fpsを割り込まずに遊ぶことができるのは嬉しいポイントだろう。
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