この連載は日々変化し続ける秋葉原の街の、ちょっとおもしろくて、ほんの少しだけ役に立ちそうな情報を紹介するコーナーです。
アキバ発&日本初!
中華ハンバーガー「モーガ」を食べてきた
ラーメン店「わいず」や洋食店「ブラウニー」などが並ぶ蔵前橋通りに、約半年前オープンしたお店「肉夹馍専門店MOOGA」。この聞きなれない不思議な店名が気になっていた方も多いかと思います。筆者もそのひとりです。
「肉夹馍」という難しい漢字は「ロージャーモー」と読むらしいのですが、いったいどういう食べ物なんでしょうか。ということで、今回は謎の食品を調査するため取材してきました。
突然お邪魔したにも関わらず、店長から色々とお話を伺うことができました。「肉夹馍(以下ロージャーモー)」とは、中国の歴史ある街「西安」の料理。小麦粉で作ったパンのような生地に、煮込んだ豚肉を挟んだファーストフードです。西安では、学校や仕事帰りにテイクアウトしたり、朝ご飯代わりに軽く食べたりなど、庶民の味として親しまれているとのこと。
こちらのお店では、カリッと歯ごたえのある焼いたタイプと、フワフワ食感の蒸したタイプの2種類の生地を用意。本場西安では焼いたタイプが一般的なようですが、日本人のお客さんには中華まんのようにフワフワな、蒸したタイプの生地に人気があるようです。生地の間にたっぷり挟まれたお肉が、肉食系ライターの筆者を誘惑してきます。この豚肉の調理方法は、なんと30種類の香辛料といっしょに8時間以上も煮込むのだとか。
リャンピーは茹でて冷水でしめた麺と野菜を、自家製ラー油を使った特製タレに絡めて食べます。たとえるならば「冷製まぜそば」のような料理です。麺は小麦粉が材料のものと米粉が材料のものの2種類。小麦粉のほうはモッチリとした歯ごたえが特徴で、米粉はツルリとした食感が特徴です。
麻辣坦々米線は、リャンピー用の辣油とはまた違う製法で作った自家製ラー油と、豚骨と鶏ガラを10時間煮込んで作ったスープを使用。しっかりとした旨味のあるスープに香り高いラー油が加わり、一口味わうだけで虜になる味でした。辛さを選べるので、辛いのが苦手な方から激辛好きの方まで楽しめます。
アキバに出店したきっかけ
せっかくなので、店長さんにアキバに出店したきっかけを聞いてみました。店長はもともと留学生として来日し、そのまま日本で働いていたそうです。一念発起して日本で起業しようと思い立ったものの、中華料理店や居酒屋などはライバル店が多すぎて、参入するのは難しい……。なにか新しいことはできないかと考えたとのこと。
そんな折、西安出身の友人から西安料理のロージャーモーがアメリカで人気になっていると聞き、調べてみると日本にはまだ専門店もなく、「コレだ!」と思い立ったのだとか。すぐに店長は西安に渡り、現地のお店で修行しながら有名店や口コミで評判の店など200軒以上のロージャーモーを食べ歩いてリサーチ。本場の味を重視しながら日本人の好みを研究し、2018年3月に秋葉原で店をオープンする運びになりました。
商品名であり店名でもある「モーガ」とは、ロージャーモーの「モー」とハンバーガーの「ガ」を合わせた造語。中華ハンバーガーとして認知されて欲しいとの思いを込めて店長が命名。
こんな経緯で秋葉原に開店した「MOOGA」。日本初のロージャーモー専門店として、日本で働いている中国出身の方たちや留学生などの間で口コミが広がり、故郷の味を懐かしんで大阪から食べに来る西安出身の方もいらっしゃるとか。
現状は日本人のお客さんは3割くらいだそうですが、近所で働く方や住民のお客さんが多く、「地域で認められて愛されるお店になりたい」と語る店長。実際に、取材に伺った時も近所に住んでいるらしい高齢の女性がテイクアウトで来店し、親しげに会話していました。また、このお店は近隣のオフィスにデリバリーも行っており、そちらもほぼ毎日注文が入るほど盛況とのこと。
アキバらしいのは、店内にスマホの充電器と電源、Wi-Fiが備わっているところ。フードメニューだけでなく、ドリンクには生ビールもあったりと、昼から夜まで使えるパーフェクトな飲食店です。アキバから発信する中華ファーストフード「モーガ」を、ぜひ食べてみてくださいね。
【肉夹馍専門店MOOGA(モーガ)】
・場所:東京都千代田区外神田3-7-8 インタスビル 1F(Googleマップリンク)
・営業時間:11時~22時(ラストオーダー21時30分)
・定休日:なし(不定休アリ)
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