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ゲームセンターで大人気音ゲーのPC移植版「GROOVE COASTER」:Steam

2018年09月07日 18時00分更新

 音ゲーの始祖はKONAMIの「beatmania」であるといっていい。1997年末に誕生した本作品をキッカケに様々な音ゲーが切磋琢磨しだしたかに思えたが、実際に盛り上がりだしたのは2010年前後になる。細かい経緯は除くが、現在音ゲーはゲームセンターでプレイする一種の競技ゲームに近いものとなっており、ナムコの「太鼓の達人」が一番他社の音ゲーとしては健闘していた位で、SEGAの「maimai」が出るまではKONAMI社以外の他社音ゲーはあってないと言ってもいい世界がそこにあった。では流れを変えたのは何か?

 それは「iPhone」に代表されるスマートフォンである。スマートフォンの登場は音ゲーにも新たな時代をもたらした。Rayarkの「Cytus」、そして本日紹介するTAITOの「Groove Coaster」だ。元々はスマートフォンのタッチ画面を活かした単純なリズムゲームとして生まれた本作品であるが、買い切りが主流でのなか販売された本作品は、最新モデルのiPhoneでなければ動かない程の重さでありながら大ヒットを記録した。

 紆余曲折を経て、本作品はゲームセンターにも登場することになる。今現在アーケードにある音ゲーで初心者にオススメできるゲームが何かと問われたら「DJMAX TECHNIKA」と本作品と答えるだろう。共通項は家でもプレイできる点であるが、前者は既にロケーションが数えるほどしか存在しないのが残念な所だ。

 音ゲーがキッカケでデザイナーになってしまった筆者だが、ある意味特別編でもある第83回は「GROOVE COASTER」(以下グルコス)を紹介する。

 

 操作はキーボード、各種コントローラーに対応しており、すべて日本語によるナビゲーションを完備している。詳しくは後述するが、Steamコントローラーがアーケードの感覚に一番近い。コントローラーを使用する場合はクセが非常に強いため公式のアナウンスを参照してほしい。更に言えば縦画面のディスプレイもあると最高だが、そこまで用意できるプレイヤーはそこまでいないだろう。

操作は単純、だけど奥深い

 本作品は前述の通り、ゲームセンター(アーケード)でも稼働している。写真は、ゲームセンターに協力を得て撮影した筐体だ。手前に見える二つのブースターと呼ばれる360度方向に可変するコントローラーと上部にある左右のボタンを使用して演奏を行う。それぞれのブースターはキーボードであればASDFが左側、矢印キー/OLK+が右側に対応しており、曲の選択やメニューの選択で使用する。項目の選択はエンターキーもしくはスペースキーで行う。

コントローラーではこんな感じになる。参考になると幸いだ。

DLCがなくても、かなりの楽曲が収録されている。初プレイの場合は初心者オススメと書いてある曲から始めると良いだろう。

 楽曲を決めたら演奏することで結果に応じてスコアが決まるのが古今東西の音ゲーの決まりである。最高ランクはS++だが一筋縄には出ない。だが、難易度が低い楽曲では混乱するような操作は特になく、ボタンをリズムに合わせてたたくだけという非常に簡単な仕様になっており低い難易度から始めていけば自然とプレイできるようになっている。

Lv1楽曲でもある「Music Plot Type Three」は最後までボタンを叩くだけという譜面になっている。

 線に沿って自キャラ(アバター)が流れていき、線上にあるマーカーに重なった瞬間にボタンを押すことで判定が行われ、「GREAT」「COOL」「GOOD」「MISS」の順番で評価される。MISS以外であれば成功するごとにCHAINが増えていき、100CHAINに達するとFEVER状態になる。スコアを伸ばすには如何にミスをせずにGREATでCHAINを繋いでいくがキモとなる。

 また、楽曲にはAD-LIBという隠しマーカーもあり、この隠しマーカーも全て正確にCHAINに組み込めれば更にスコアが上がる(AD-LIBは見逃してもMISSにはならない)。そして楽曲を演奏し終わればその演奏に対して評価されるのである。AD-LIB自体は全楽曲に存在しており、位置は固定だがそれを探す楽しさと如何に組み込むかの苦心がグルコスならではの要素と言える。

 高難易度になると演奏もややこしくなる。両同時押しや連打に加え、スライドのホールドや両サイドの向きが指定されているデュアルスライドなどの叩くだけでなく、ブースターの動きそのものを活かした操作も組み込まれる。

 評価が出ると共にグルコ(GC)も支給される。グルコはショップにてアイテムや楽曲の解禁を行う事ができ、後々大量に使うことになる。ある程度溜めておいて損はない。

消費アイテムを使用することでAD-LIBの位置も大体わかる。しかし結構な額がするため最初の内は手が出ないだろう。

グルコスの真価は演出力である

 静止画で伝えにくいのがもどかしいところだが、グルコスは楽曲毎に演出がかなり細かく設定されており、その演出すらも難易度の中に組み込まれている。何かモチーフがある楽曲にたいしての再現度は唸るほど良く出来ている。こればかりはプレイしてみて納得してほしいとしか言いようが無い所だ。

余談だが、グルコスの前に稼働していた同社の「ミュージックガンガン」というアーケードゲームが、東方プロジェクト楽曲のアーケード音ゲーでのコラボレーションを一番最初に行った作品である。

 流石に全てが同じと言う訳でないが、大筋はゲームセンターでプレイする環境とそこまでは変わらない。今回は筆者の記事では初の動画も一緒に公開するので参考になれば幸いだ。楽曲難易度も高いため、そんなに上手な演奏ではないが参考にはなるだろう。

Solar Storm / xi(Normal)

 右下がアーケード、上にキーボード、Steamコントローラーだ。動画の中ではかなり気合で叩いてしまっているが、Steamコントローラーは軽く触れるだけで反応するのでかなり直感的に演奏できる点がアーケード版と近い理由でもある。

 Steamユーザー向けにチラッと紹介するならば「Crypt of the Necrodancer」の楽曲もアーケード版には収録されている。興味がわいたなら是非ともゲームセンターにも足を運んでみてほしい。

 音ゲーは実際のプレイ動画を見ても自分がハマってみなければ魅力が伝わりにくいジャンルである。だが、その魅力の一端が少しでも伝われば幸いである。

 「Groove Coaster」は音ゲーに触れたことが無い人にこそ一度はプレイしてみてほしい作品だ。

「Groove Coaster」の推奨動作環境は?

 既に公式サイトは消えてしまっているのだが、アーケード版も「TAITO TypeX zero」というPC準拠のハードウェアにて稼働している。カタログスペックだけを見るならばネットブッククラスで今ではかなりスペックとしては古く、アーケード版から逆算すれば、Windows10が安定して動く環境で、現行のCPU内蔵GPUでも十分動作はするだろう。ストア記載の最低動作環境のCPUが2Ghzとメモリ2GBとしか記述がなく、判断が難しい所ではあるのだが、Steamを動作させつつ、他のアプリケーションを同時に動かす一般用PCの観点から見るならばアーケード版以上のスペックが望ましい。

 今回の記事にあたり、以下の方々にお礼を申し上げます。

株式会社アルプス 遊SPACE マジカル三ノ宮店様
お忙しい中、筐体撮影の許可とご対応をいただきましてありがとうございました。

xi様
動画内での楽曲使用許可をいただき、ありがとうございました。

『Groove Coaster』
●TAITO CORP.
●1980円(2018年7月17日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows
ジャンル アクション、リズム、音楽、アーケード、アニメ、良BGM
©TAITO CORPORATION 1978, 2018 ALL RIGHTS RESERVED.

■著者:rate-dat
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: ratedat
・Twitter:@rate_dat

訂正とお詫び:本文中に一部誤りがございました。お詫びして訂正いたします。(2018年11月20日)

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