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日本RPGとローグライクの再構築、ハクスラのようなローグライク「Tangledeep」:Steam

2018年08月24日 18時00分更新

 日本ではローグライクという言葉は通じにくい。ローグライクという言葉より“不思議のダンジョン”という商標の方が有名となっており、その名前の方が理解が早いからだ。ただ、それが悪いというつもりもなく商標と有名タイトルの存在により同ジャンルの明解さが説明しなくても通じてしまうのはライターとしてもありがたい限りである。

 第82回はそんなジャンル説明で苦労するローグライクの名作「Tangledeep」を紹介しよう。

 

 本作品は日本語字幕に対応しているが、タイトル画面の右下から国旗を日本にすることで日本語字幕を使用できる。執筆時の段階でも一部訳抜けや文字抜けがあるが、日々のアップデートで更新されている。

また、本作品の操作はキーボードとマウス、コントローラーのどちらも対応している。自分にあった方を選んでいただきたい。詳しい操作方法は後述する。

タングルディープに魅せられし者へ

 物語登場するキャラクターはタッチという能力を所持した者たちだ。タッチを所持したものはタングルディープと呼ばれる果ての見えない変化を続けるダンジョンへと魅せられる。主人公となるキャラクターは、その果てなき謎に魅せられてタングルディープへと足を踏み入れる。

 ゲームを始めるとまずはキャラクターの作成から始まる。数多く用意されたジョブから自分に合うジョブを選び、名前を指定する。ここで選べるジョブは後に転職も可能で、クセのあるジョブもあるが、見た目で好きに選んでしまっていいだろう。

 ゲームモードは初心者なら冒険モードを選ぶのがいい。ローグの特徴である所持品のロストの辛さと、知識と行動で立ち回る同ジャンルの旨味も同時に味わえる。逆にローグライクに慣れているプレイヤーならばデフォルトにもなっている英雄モードがベストだ。硬派モードは“裏白”とか“フェイ最終”のワードでピンと来る人にしかお勧めできないマゾモードだ。

 ここまで書くとさきほどのワードにピンときたプレイヤーには“不思議のダンジョンシリーズ”と似たゲームと思う方もいるだろう。果たして、その通りではあり開発者も参考にしていると名言しているのだが、決定的に違う要素がある。スタート地点に何度も戻ることができ、なおかつターンを経過しても自動回復せず、空腹度の概念がなく、ダンジョンマップはキャラクターデータを作り直すまでは固定であることだ。

ゲーム開始時はリヴァーストーン村から始まる。全ての始まりであり、全てが集約された場所だ。

 キャラクターの移動はキーボードのWASD、もしくはコントーラーの左スティックか十字キーを使用する。調べたり、話しかけたりする場合は移動キーをそのキャラクターの方向に重ねると実行される。モンスターに攻撃するときも同じ動作となる。

村ではクエストの受理、ショップなどの施設が集約されており何度も利用することになる。

 村の右端にある洞窟に入れば果てしないダンジョンへ足を踏み入れることになる。最初は必ずチュートリアルをプレイすることをオススメする。ローグライクの基本に加えて本作品の独特な仕様などは必ず覚えなければならない重要な部分だからだ。

 ダンジョンに一歩足を踏み入れれば、危険に満ちている。何時でも村へ帰れるとはいえ基本は死なないように持てる全てを使うのがローグライクの基本中の基本である。とはいえ、足を止めている間は時間は動かない。じっくり考えるときは、その場に止まっていれば何も起きないので慎重に動くことを心がけよう。

ダンジョンの階段は自由に上り下り可能だ。ポータルを使わずとも下り続けることで村へ帰ることもできる。

 ジョブの特徴として、ジョブ毎に使えるスキルが全く違う。画像のソウルキーパーは敵を攻撃した際に発生する鬼火を取得することで使役できる精霊を召喚できる。他にも武道家はモンスターを攻撃すると確率でデバフを与えるスキルが多いといった特徴がある。ただし、スキルを使った際はスタミナかエナジーを消費するので多様は禁物だ。スキルはレベルアップや特定条件で得られるジョブポイントを消費することで覚えられる。

 ダンジョン内ではアイテムも落ちており、装備から食糧まで幅広く揃っている。アイテムにはレアリティもある。効果にプラスで付属されるため基本はレアリティの高い物を狙いたい。

 また、筆者が本作品で一番面白いと思っているのは画像に見える“パンドラの箱”である。開けることで経験値、お金、スキル取得に使用するジョブポイントが手に入る。また、開けるたびにダンジョン内のアイテムの質も上がるという良いことずくめなのだが、反面モンスターも凶悪になるため開けるのは慎重に行きたいところだが、博打好きなプレイスタイルの筆者は開けてしまうのである。

プレイしやすいとは簡単であるということだけではない

 “プレイしやすい”と紹介の際に書くことは多々あり、筆者も過去に紹介したタイトルで何度も書いた文面でもある。だが、それは決して簡単であることとイコールではない。本作品はローグライクの再解釈として“不思議のダンジョンシリーズ”やスーパーファミコン時代の日本産RPGをオマージュした作品デザインとはなっている。だが、それでも決して簡単になっているわけではない。原点であるローグを抑えつつも初心者にも熟練者にも楽しめる、全く新しいデザインのローグライクとして再構成されているのだ。

 それはBGMにも表れており、全体的に聖剣伝説などの旧スクウェア作品を思い出す曲調からも伺える。楽曲の作曲者の中には菊田裕樹氏と日比野則彦氏も混じっておりオマージュ元そのものである音楽はある意味でプレイ中の癒やしでもある。その点でもDLCのサウンドトラックも非常にオススメである。

 果てなきダンジョンの頂上には何があるのか、それは魅力に惹かれて上った貴方が確かめるべきである。

「Tangledeep」の推奨動作環境は?

 最低動作環境のグラフィックの要件が、SSE2をサポートしたCPUでかつWindows XP以上、と18年近く前のスペックとなっている。現行のノートパソコンで問題はないだろう。

『Tangledeep』
●Impact Gameworks
●1480円(2018年2月2日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows
ジャンル ローグライク、独立系開発会社、RPG、女性主人公、ドット絵、良BGM

■著者:rate-dat
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: ratedat
・Twitter:@rate_dat

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