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「TUF H370-PRO GAMING」、「TUF B360M-E GAMING」

待望のH370&B360マザーはコスパ志向の救世主! ASUS TUF GAMINGマザー2製品をレビュー

2018年04月04日 17時00分更新

 4月3日、インテルのデスクトップPC向け第8世代Coreプロセッサー(コードネーム:Coffee Lake-S)のローエンドモデルが販売開始され、同時に各社から対応マザーボードが一斉リリースされた。特に新マザーボードについては、販売開始を心待ちにしていた人も多いのではないだろうか。昨年から販売されていたCoffee Lake-S対応マザーは、CPUのオーバークロックなども可能なZ370チップセット搭載製品のみだったが、今後はH370、B360、H310のように機能を絞った製品が販売されることで、より柔軟なPC自作が可能になるだろう。

ASUSのH370マザーボード「TUF H370-PRO GAMING」(左)およびB360マザーボード「TUF B360M-E GAMING」(右)

 ASUSのH370チップセット搭載マザーボード「TUF H370-PRO GAMING」およびB360チップセット搭載マザーボード「TUF B360M-E GAMING」は、4月3日にリリースされた製品の中でも、コスパ良しなゲーミングPCを組み上げるなら有効な選択肢となる。発売に先駆けて製品サンプルをお借りできたので、2製品の特長を見ていこう。

バランス良くゲーミング以外でも使えるTUFシリーズ最新製品

最近はASUSマザーボードの主力シリーズとなりつつあるTUF GAMINGシリーズ。チップセットカバーにはTUF GAMINGのロゴが印刷されている

 TUF GAMINGシリーズは、高耐久に特化したASUS製のゲーマー向けマザーボードだ。同シリーズの製品としては、すでにZ370チップセット搭載の「TUF Z370-PLUS GAMING」や、AMD B350チップセット搭載の「TUF B350M-PLUS GAMING」といったモデルが販売されており、手頃な価格と信頼性の高さで人気を集めている。特に後述するような高耐久部材の採用には安心感があるため、PCゲーマーはもちろん、特にゲームをプレイしないがデザインが気に入った、という人にもオススメできる。

最上段のPCIe x16スロットは金属補強済みのセーフスロット。シリーズ独自のハードウェア保護「TUFプロテクション」の一例だ

 いずれの製品も、PCIeスロットなどのハードウェア部分を保護する「TUFプロテクション」を実装しているのが特徴だ。代表的な例としては、PCIe 3.0x16スロットを金属補強したセーフスロットや、対静電気用ダイオードなどを使用した業界標準の2倍のESD耐性(静電気保護)、メモリーの過電圧保護機能、従来の3倍の耐腐食性を誇るステンレス合金製バックパネルなどが挙げられる。

コンデンサやチョークコイルにも高耐久な部材を使用。

 加えて、独自基準を満たした部材「TUFコンポーネント」の採用も、製品としての耐久性の向上に寄与している。スループットを向上させた「TUF LANGuard」、システムの安定性を向上させるチョークコイル、20%の温度耐性向上と5倍の長寿命をうたうTUFコンデンサー、電力効率を向上させ発熱を低減したTUF MOSFETなど、充実の仕様だ。購入から1年間の製品保証もあり、安価ながら信頼性の高さは折り紙付きだ。

ライトアップ用の4ピンRGBコネクターはどちらの製品も1つのみ。最近は分岐可能な製品も多いが、コネクターが足りない場合は別途分岐ケーブルを購入しよう

 今回取りあげる「TUF H370-PRO GAMING」はATXフォームファクター、「TUF B360M-E GAMING」はmicroATXフォームファクターを採用する。外観はこれまでのTUF GAMINGシリーズと同じく、黒地にイエローのラインが印象的なデザイン。外見的には(サイズこそ変わるものの)よく似ているので、PCケースの都合や価格優先で選ぶのもいいと思うが、両製品はチップセットが異なる都合もあって、メモリースロットやM.2スロット数、映像出力インターフェース、利用できるUSBポートの最大数などが変わってくることには注意したい。

In WinのTUF GAMINGコラボケース「101-TUF GAMING」。実売価格は1万3500円前後

強化ガラス製のサイドパネルにも迷彩パターンが

ケースの構造そのものはIn Win「101」と同一

 余談だが、PCの外観にこだわるならIn WinのPCケース「101-TUF GAMING」とあわせてPCを組み上げるのもひとつの手だろう。「101-TUF GAMING」はその名の通り、TUF GAMINGシリーズとのコラボレーションモデルで、TUF GAMINGの配色やロゴが再現されているのが特徴。サイドパネルは強化ガラス製で、PC内部の鑑賞にも適しているので、マザーボードのデザインを生かすならピッタリの選択となるはずだ。今回紹介する両製品は、どちらも基盤上に4ピンRGBコネクターを1つ備えており、LED同期機能「Aura Sync」にも対応しているので、ライトアップPC環境を構築するのもいいだろう。ちなみにこうしたコラボレーション製品は“TUFゲーミングアライアンス”として、Cooler Master、Corsairといった他のPCパーツメーカーとも協力し、展開していく予定とのことだ。

取り急ぎ、ケースに「TUF H370-PRO GAMING」を組み込んでみた。ファンは別売(作例ではIn Win「POLARIS」を使用)だが、上部のLED付きTUF GAMINGロゴ入りアクリルパネルは付属する。さらにCPUクーラーやグラボなどもLED対応製品にすれば、より印象の強いライトアップPCになりそう

TUF H370-PRO GAMING

TUF H370-PRO GAMING。実売価格は1万5000円前後

 ATXフォームファクター採用の「TUF H370-PRO GAMING」は、メモリーが最大64GB(DDR4-2666×4)で、ストレージはSATA 3.0(6Gbps)ポート×6のほか、2つのM.2スロットを備える(M.2_1はSATAおよびPCIE 3.0x2モード、M.2_2はPCIE 3.0x4モードに対応)。

背面インターフェース類。映像出力にDisplayPortを備えており、PS/2ポートも搭載

 拡張スロットはPCIe x16スロット×2(うちPCIe x16_2スロットはPCIe 3.0x4接続となる)、PCIe x1スロット×4で、マルチグラフィックスはAMD CrossFireXのみに対応している。映像出力はDisplayPort×1、HDMI×1、D-Sub×1。インターフェースは、PS/2×1、ギガビットLAN×1、USB 3.1(Gen2 Type-A)×2、USB 3.1(Gen1 Type-C)×1、USB 3.1(Gen1 Type-A)×2、USB 2.0×2、オーディオジャック×3。

 実売価格は1万5000円前後。H370マザーはCPUの倍率変更オーバークロックこそできないが、それ以外の一般的な用途でなら十分な機能を備えている。M.2スロットもしっかり2つ使えるので、K型番以外のCPUを使った自作をするならコスパも含めて広くオススメできる製品だ。

TUF B360M-E GAMING

TUF B360M-E GAMING。実売価格は1万500円前後

 microATXフォームファクター採用の「TUF B360M-E GAMING」は、メモリーが最大32GB(DDR4-2666×2)で、ストレージはSATA 3.0(6Gbps)ポート×6のほか、M.2スロットを1つ備える(SATAおよびPCIE 3.0x4モード対応、SATA接続時はSATA6Gポートと共有)。最新のマザーらしく、小型でもしっかりM.2スロットが利用できるのは嬉しいポイントだろう。

背面インターフェース類。映像出力はHDMIおよびDVI-Dの2系統となる

 拡張スロットはPCIe x16スロット×1、PCIe x1スロット×2で、マルチグラフィックスには非対応。映像出力はHDMI×1、DVI-D×1。インターフェースは、PS/2(キーボード用)×1、PS/2(マウス用)×1、ギガビットLAN×1、USB 3.1(Gen2 Type-A)×2、USB 3.1(Gen1 Type-A)×2、USB 2.0×2、オーディオジャック×3。シンプルな構成だが、コスパ志向のPCを組むなら十分な仕様だろう。

 実売価格は1万500円前後。基盤サイズの大きい「TUF H370-PRO GAMING」と比べれば機能やインターフェースは絞られているものの、約1万円で購入できる安価さは大きな魅力だ。ローコストなゲーミングPCを作りたい人、microATXサイズのPCケースを使いたい人であれば、魅力的な選択肢になるだろう。

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