探索を伴うアクションゲームを呼称する際に“メトロイドヴァニア”と呼ぶことがある。任天堂の“メトロイド”とコナミの“悪魔城ドラキュラ 月下の夜想曲”を合わせた造語なのだが、プラットフォーマーという昔から言われている、足場を乗り移るタイプのアクションを指す名称もある。このメトロイドヴァニアとプラットフォーマーという名称は割とゴチャゴチャに使われているきらいがある。だが、どちらにせよ大切なのはゲームの面白さであり、ジャンル名称の論争で時間を浪費するのは勿体ない。
そんな第72回は美麗なドットとタワーディフェンス、前述のプラットフォーマーの融合した「Aegis Defenders」を紹介する。
遺跡を探索し遺物を守れ
遙か昔、世界の荒廃とともに人間は目覚めた。目覚めた人間はキカイと出会いその不死の存在“死なず”を神として崇めるにいたる。そんなキカイたちの遺跡の発掘や遺物を集めるルインハンターと呼ばれる職業を生業とする老人“バート”と、その孫娘“クルゥ”が本作品の主人公となる。
本作品は前述でも触れたように二つの側面を持っている。探索パートを伴うアクションステージ。そして、探索後に突入する防衛パートだ。探索パートでは“チップ”と呼ばれる作品世界でのお金や、ルインポイント(RP)という施設の強化に使うポイントになる遺物の回収を行いながらゴールを目指していく。マップはステージ毎に区切られており、一度クリアしたマップでも、戻ってやり直すことが可能だ。
操作方法はアクションゲームお馴染みと言っていい、コントローラーの十字キーで移動、Aボタンでジャンプ、Xボタンで攻撃、Bボタンでスキルを使用できる。また、RBボタンで操作キャラを入れ替えることが可能だ。勿論二人はそれぞれできることが違うのだが、それは防衛パートで説明しよう。
ゴールにたどり着けば防衛パートに突入する。一定のウェーブ間、迫り来る多数のモンスターからオブジェクトを守り切らなければならない。本作品では敵の色別に属性が定められており、同色で攻撃すれば大ダメージが与えられるが、異色での攻撃はほぼ通じないようになっている。
前述のキャラクターの違いはここにある。クルゥは青、バートは黄とそれぞれに有効な攻撃の違いがあるが、それだけではなく建造できる施設も全く違う物になっている。防衛パートではウェーブ毎に襲撃のクールダウンがあり、襲撃の幕間で施設の建造に必要な資源の回収と施設の設置を行う。
バートは敵の足止めブロックや攻撃タレットといったスタンダードな施設がメインだが、クルゥは使い捨ての設置型爆弾や、継続ダメージの設置トラップというクセのある施設がメインになる。攻撃色は施設にもあるので襲撃してくる敵に合わせて設置する必要がある。
この際にLトリガーを押すことで操作していない側のキャラクターをその場所で放置することができ、放置されたキャラクターは自動で戦闘を行う。更に状況に応じてスキルも自動で使用する。特にバートは設置中の施設に攻撃を行うことで設置速度を早めることができるが、損傷した施設の修理も同じように行えるのでバートを施設の真上に放置するのが序盤の鉄則でもある。
無事襲撃を撃退すれば結果画面と共にステージクリアだ。探索パートの報酬に加え、防衛パートの結果に応じてボーナスが支給される。初回だけのボーナスだが、達成出来なかった場合でも後からやり直すことはできるので難しいようならば後から挑戦してもいいだろう。
幕間ではキャラバンでRPでの施設の強化や、チップを使って武器の購入が行える。プレイスタイルに合わせて強化を行うのがいいが、武器の強化を行えば探索パートも楽になるので、できるだけケチらない方が楽になる。
構成の巧さと、引き込ませる工夫
本作品はストーリーが進むにつれ、死なずに反乱を起こしたインドラ帝国との争いに巻き込まれていく。それは祖父バートが隠しているクルゥの両親の死の真相や、人々の信仰といった大きなテーマが顔を出してくる。美麗なドットアニメーションもさることながら、幕間のカットシーンもかなりの力が入っており、ストーリーの進行を追いたいがためにのめり込むようにステージをどんどん進めていくことになる。
とはいえ、ゲーム自体の面白さが重要なのは冒頭でいったとおりで、終盤にさしかかる頃には探索パートも一筋縄ではいかない謎解きも出てくれば、防衛パートもキャラクターを交代しながら目まぐるしく設置や防衛に回ることになる。最終的には色も4色に増え、ステージギミックや特定のキャラクターしか通行できない通路など、難しすぎるわけではないが挑戦的な構成にどんどんとハマりこんでいく。
没入感と合い待った防衛パートの目まぐるしくも楽しい忙しさを是非ともオススメしたい。
「Aegis Defenders」の推奨動作環境は?
最低動作環境のグラフィックの要件がGeforce 9800GTX以上となっている。ここ数年のCPU内蔵GPUでも問題なく動作するだろう。推奨スペックでも1世代以上前のスペックとなっているのでWindows10が安定して動く環境であれば問題なくプレイ出来る。
『Aegis Defenders』
●GUTS Department
●2200円(2018年2月9日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows MAC
ジャンル アクション、独立系開発会社、アドベンチャー、ドット絵、プラットフォーム、タワーディフェンス
■著者:rate-dat
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: ratedat
・Twitter:@rate_dat
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