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ASCII Connected Industries Award:

すごい! PCやスマホで成長するAI

2018年03月30日 11時00分更新

 アスキースタートアップは3月22日、赤坂インターシティでハイテクスタートアップのプレゼン大会「ASCII Connected Industries Award」を開催。5つの会社が、未来の社会をつくる技術No.1の座をめぐって争いました。

 大賞を獲得したのは東京工業大学 長谷川修研究所生まれのAI技術を活用するSOINNです。データを元にネットワークを構築するAIを開発しています。スマホのように小さなコンピューターの中でも、データがたくさんなくてもすばやく学習できるため、いろいろな人や会社で使えそうなところが評価されました。SOINN代表でもある長谷川さんは「人様の役に立てるようにしたい」と話していました。

 大会はIoTやハードウェアの会社を集めたイベント「IoT&H/W BIZ DAY」で開催され、注目を集めました。SOINN以外も審査員特別賞を受賞しています。


手元で育てるAI
SOINN

 SOINNは学習型汎用人工知能です。画像、テキスト、気象データなど、あらゆるデータを読み込み、入力したデータに連動したモデルを自動生成・更新します。会社のパソコンに入れて社内で使えるため会社のデータがもれる恐れがありません。特徴は少ないデータからでも比較的効果が出せること。400枚ほどの画像による学習でもロボットのセンサーに使えた事例があるそうです。質問に対する答えが「なぜその答えになったのか」ということも説明する情報も出力できます。学習済みAIは使いまわすこともできます。

AIを会社のPCで育てるようなイメージ

「事前のモデル設計いらず」「データなんでもOK」「説明可能」が強み

 セブン銀行との実証実験では、SOINNを使って2万2000台のATMから5年分のデータを学習させて90日分の予測をさせた事例があるそうです。使ったのはIntel Core i7を搭載する普通のパソコン1台だけ。学習はわずか2時間強で終わったそうです。

セブン銀行はふつうのパソコンで使ってみた

 これからはSOINNをスマホに入れて、みんなに「自分専用のAI」として使ってもらいたいと考えているそうです。スマホに入ったSOINNはやがて、自分たちの代わりにいつも行く店の割引券を探してきてくれたり、大盛りのラーメンを食べてもカロリー的に大丈夫かをアドバイスしてくれるようになるかもしれません。

学習に必要なことをAIがすべて自分でやる

スマホに自分だけのAIをもつ時代に

SOINN長谷川修代表

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