【違い3】「ドローン」による屋外利用が進むAR、「VR ZONE SHINJUKU」など屋内施設で発展するVR
ARとVRでは「ドローン」との関係も面白い違いだ。AR対応の「MOVERIO」シリーズのポイントは、メガネのようにシースルーのグラスの一部に映像が表示され、現実とディスプレイの映像を同時に見られる点にある。「MOVERIO BT-300」になって、ディスプレイにシリコンOLEDを採用し、明るさが大幅に向上。屋外でも映像の視認性が大きく改善されている。このシースルーであることと、明るさが向上し映像をより見やすくなったことのふたつが、特にドローンの撮影動画の確認に適しているのだ。DJI社がリリースしているMOVERIO用アプリを利用することで、ドローンを操縦すると同時に、ドローン搭載のカメラで撮影している映像を「MOVERIO BT-300」上で確認できる。
「MOVERIO BT-300」「MOVERIO BT-350」のPR動画。ドローンと組み合わせて利用している際の様子を紹介している |
一方VRの場合、ドローンが撮影した映像を「後から、ドローンの視点で見る」ことができる。自分が空を飛んでいるような風景を楽しめるが、あくまで撮影済みの映像だ。また国内の規制上、ドローンの操縦者は目視が必要になり、外界から隔離されたVRでは操縦できない。VRは主にアトラクションなどでの採用が進んでいる状態で、「VR ZONE SHINJUKU」などの屋内施設がおなじみといえるだろう。
【違い4】AR機器とVR(Windows MR)機器は、目指すべきデバイスサイズが違う
ARデバイスとVR(Windows MR)のデバイスは、用途の差もあってサイズ感も異なってくる。VRは室内などで固定して使うことに加え、密閉性が高いほうが没入感が高まるので、なるべく大型のほうが望ましい。あまり重すぎると装着者の負担が増えるので限度はあるものの、少なくとも周囲からの光(現実の世界の光)が入らないほどの密閉性は必要だ。
一方のARは、小さいことが重要だ。屋外でもそのまま装着し続ける機会が多いため、小型化・軽量化されることが期待される。「MOVERIO」シリーズの場合、「MOVERIO BT-100」のヘッドセット部重量が約240gだったが、最新の「MOVERIO BT-300」では約69gになるなど、普段装着していても許容できるレベルまで大幅な小型化・軽量化を実現している。複眼式で映像を同期して表示できるタイプのARスマートグラスとして、現実的なサイズまでコンパクト化できているのは大きなポイントだ。
駆け足になってしまったが、ARとVR、Windows MRおよびMRの違いをザックリとでも理解すれば、それぞれ得意とする分野でさらに楽しめるようになる。来年の今頃は、XRという総称で呼ばれることが一般的になっている可能性もあるので、興味がある方は情報をさらに追いかけてみるといいだろう。それぞれに特徴と楽しさがあり、メリットを生かした新たな体験を楽しんでほしいのだ。
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