【違い2】ARは屋内外を問わない“モバイル”利用が前提で、VR(Windows MR)は室内利用の“据え置き”が多い
現実世界とリンクするAR、現実世界を遮断するVRという違いは、その使い方にも影響している。まずARは、現実を拡張するため、そもそも現実の世界が見えていないと意味がない。屋内は当然として、屋外も自由に出歩いたり動き回ったりできることが大前提と考えていいだろう。普段の生活と同じように行動しつつ、そこに新たな情報を追加するのがARだ。
現実とリンクするARの特徴を生かして、業務用途としての利用も考えられるだろう。例えば機器メンテナンスでは、ARスマートグラスを装着してメンテナンス現場に行くと、修理すべき機器を見るだけで、その周囲に必要な情報が表示される。さらに、「ここのバルブを右に回し、その上のメーターの数値を確認する」といった作業の指示がそのバルブの上に出現して、確実に作業ができる、といった使い方もありえる。
WikitudeのAR開発用SDK「Wikitude SDK」を採用したアプリおよびサービスの利用イメージ。リモートによる指示とARを組み合わせた機器メンテナンス例といった内容だ。Wikitude SDK最新バージョンは「MOVERIO BT-300」「MOVERIO BT-350」をサポートしており、オブジェクト認識、マーカーレスのインスタントトラッキング、画像認識と追跡などの機能を利用できる |
VRは仮想の世界に入り込む性質上、据え置きの状態で使われる例が圧倒的に多い。仮想世界の中で歩いたり乗り物に乗ったりするなどの移動は可能だが、現実世界側では利用者の安全が確保されている必要がある。
PlayStation VRのチュートリアルビデオ。安全に遊ぶため周囲を片付けること、イスなどに座ることを説明している箇所がある |
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