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ARやVRとは? さらにMRやXRまで!? 何がどう違うのか改めて解説だ!

2018年02月26日 12時00分更新

【違い1】ARとVR(Windows MR)のわかりやすい違いは、外界の情報の取り込み

 「MOVERIO」に代表されるARの場合、肉眼で見えている現実世界の情報、シースルーのディスプレイに表示されたデジタル情報を組み合わせることで、肉眼だけでは得られない“新たな現実”を作り出せる点が特徴だ。例えば一般的なスマートフォンで地図アプリを利用する場合、「次の道を曲がる、その先の建物に入る」といった指示は、画面を見なければ分からない。これがARの場合、装着したメガネに矢印が表示され、周りの景色を見ながら簡単に目的地にたどり着けることになる。

       
「MOVERIO BT-350」のPR動画。現実とリンクした利用法が描かれており、ARがどのようなものか分かりやすい

 具体的な利用例では、記事冒頭で紹介した長野県下伊那郡阿智村・ヘブンスそのはらの「天空の楽園 Winter Night Tour 2017 STARS BY NAKED」をはじめ、世界遺産でもある国宝「富岡製糸場」(群馬県富岡市)といった著名な観光地のものが挙げられる。富岡製糸場ではMOVERIOを使ったガイドツアーを実施しており、実際に国宝の東置繭所の外観を見ながら、当時の建物の360度CG映像を見たり、出勤する工女たちの姿を見たり、現実にはもう見られない当時の様子を見ることができる。

世界遺産でもある国宝「富岡製糸場」(群馬県富岡市)ではMOVERIOを使ったガイドツアーを実施しており、実際に国宝の東置繭所の外観を見ながら、当時の建物の360度CG映像を見たり、出勤する工女たちの姿を見たり、現実にはもう見られない当時の様子を見ることができる

 VRおよびWindows MRの場合、ディスプレイにはデジタル情報のみを表示することが特徴だ。現実世界とは違う「仮想空間」をまず作る必要があり、肉眼による外界の情報などはジャマなものとなってしまう。先の道案内でいえば、自宅でHMDを装着して目的地までのルートの映像を見て、実際に歩いたときにどういった景色か確認するという使い方になるだろう。

 また、仮想の世界に入り込んで遊ぶというような没入型のゲームなどでは、VRの方が適している。「異世界の迷路でモンスターと戦う」といった現実にはありえない状況に入り込んで没頭できるのは、現実を遮断できるVRならではの使い方だ。一方ARの場合、「実際に特定のイベント会場やお店に行くとアイテムが手に入る」といったような位置ゲームなどが向いている。現実とリンクして、世界を広げるのがARの特徴だ。

       
Windows Mixed Reality用PR動画。仮想の世界に入り込んでプレイするといった没入型のゲームやエンターテインメントなどは、VRの方が適している

 ちなみに「MOVERIO」の場合、肉眼で見えている情報とはまったく無関係なデジタル情報を楽しむこともできる。具体的には、電車や航空機の中で映画や録画したTV番組を視聴することが可能だ。デジオン「DiXiM Play」(アプリ内課金)を「MOVERIO BT-300」にインストールすると、対応レコーダーなどで録画した番組の持ち出し再生が可能なため、屋内外を問わずお気に入りの番組を楽しめる。メガネ型であるため、周囲の第三者に画面をのぞき見られるということもないのだ。

デジオン「DiXiM Play」(アプリ内課金)を「MOVERIO BT-300」にインストールすると、対応レコーダーなどで録画した番組の持ち出し再生が可能。本体ストレージやmicroSDに保存しておき、あとでゆっくり視聴するということも可能だ

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