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インテルの超小型4K PCでHDR映像を堪能する

2017年12月02日 12時00分更新

HDRのオン/オフで画質は違うのか!?

 というわけで、HDR出力ができたわけだが、そもそもHDRにすることで何のメリットがあるのだろう?

 HDRはダイナミックレンジの拡張技術の総称である。これは動画も静止画も同じで、静止画(デジカメ)の場合は複数枚の写真を連写し、合成して階調の多い写真を生成する。

 動画のHDRは大きく分けると「PQ」(Perceptual Quantization)と「HLG」(Hybrid Log Gamma)の2方式がある。前者は「HDR 10」としてUHD BDに採用されており、後者は放送やデジタルカメラ/ビデオのHDR記録方式で採用されている。

 テレビの入力信号情報で確認したところ、我が4K PCで出力されているのはPQ方式のようだ。つまりHDR 10を採用するUHD BDの再生もできるのだろう。

 一方で、デジカメなどで撮影したHDR(HLG方式)は再生できても、きちんとしたHDR映像としては表示されないと思われる。

 では、実際にHDRにすることで画質に違いはあるのだろうか? まず、4K PCで静止画を表示させ、HDRオンとオフで画面をキャプチャーしてみた。

 しかし、2枚のキャプチャー画像に違いはない。そこで今度は4Kテレビの画面をデジカメで撮影してみた。

HDRオン(左)とオフ(右)

 結果としては、画質は異なってくる。ダイナミックレンジが広がっているかどうかはよくわからないが、黒が引き締まって見える。

 その傾向は動画も同じで、YouTubeのHDR映像を表示させてみると、非HDRよりも黒い部分の描写が引き締まって見える。

 YouTubeのHDRを忠実に再現しているかはわからないが、少なくともデスクトップに表示された画像や映像の立体感が高まっているような印象だ。

音楽CD用に光ドライブがほしい

 さて、NUC7i5BNHにはmicroSDカードスロットはついているが光ドライブはついていない。あれだけコンパクトなのだから当然だ。

 それはわかっていたが、筆者はよく音楽CDを買ってきて、楽曲を携帯音楽プレーヤーに転送する習慣があり、光ドライブは必要。

 それもわかっていたので、事前に光ドライブを調達していた。パイオニアのBlu-ray Discドライブ「BDR-XD06J-UHD」(実売価格 1万4500円前後)と「BDR-S11J-X」(同3万3000円前後)だ。

パイオニアの「BDR-XD06J-UHD」と「BDR-S11J-X」

 前者はポータブルタイプで後者は3.5インチベイ内蔵タイプ。実はでき上がる4K PCがどんなタイプになるのかわからなかったので、両方調達しておいたのだ。

 BDR-XD06J-UHDは、音楽ファイルのデータ補間を極力低減する「PureRead3+」機能を搭載。通常、音楽CDの読み取りでエラーが発生するとデータを補完してファイルを生成するが、そうすると音質が悪くなる。そこで、PureRead3+では読み取れなかった部分を再度読み取りを試みて、それでもだめならさらに読み取りを実行。できるかぎりデータ補完を行なわないようにする。

 BDR-S11J-XはPureRead3+をさらに機能強化した「PureRead 4+」を搭載。さらに、読み込む音楽CDを診断し、最適な設定などを提示する「オーディオCDチェック機能」も搭載する。そのほか、防振ゴムの装備や銅メッキのネジなど、強力な音楽取り込み性能を持っている。

 BDR-S11J-Xを使えば最強のAV PCができそうだし、検討もしていたのだが今回は予算とスペースの都合でミニPCにしてしまった。ということで、BDR-XD06J-UHDを使うことにした。

 BDR-XD06J-UHDはAC駆動もできるがバスパワーでも動作可能。だが、その場合はUSBポートを2つ使用する。一方で4K PCのUSBポートは4つしかないため、マウスとキーボードをつないだら埋まってしまう。

 今のところはそれ以上の機器をつなげるつもりはないが、今後USB HDDなどを増設する場合は、USBハブを買うか、キーボードをタッチパッド内蔵のものとするか、BDR-XD06J-UHDのACアダプターを調達してUSB1本で接続するか、という選択を迫られそうだ。

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