どこでもマルチタスク環境を実現する「Galaxy Note8」の実力
モバイルとチャットで即応 ウェルスナビCEO柴山氏の仕事の速度感
気が付くと時間が足りない──これは現代のビジネスマンに共有する悩みだ。そこで「ロボアドバイザー」と呼ばれるAIを活用した自動投資運用サービスの「ウェルスナビ」を提供するウェルスナビ株式会社・代表取締役の柴山和久氏に、仕事を効率的に進める方法を伺った。
柴山和久
ウェルスナビ代表取締役CEO。東京大学法学部、ハーバード・ロースクール、INSEAD卒業。ニューヨーク州弁護士。日英の財務省で合計9年間、予算、税制、金融、国際交渉に参画する。その後、マッキンゼーではウォール街に本拠を置く機関投資家を1年半サポートし、10兆円規模のリスク管理と資産運用に携わる。2015年4月にウェルスナビを創業。
仕事上のコミュニケーションや
意思決定はSlack上で完結する
柴山氏は東大卒業後、新卒で当時の大蔵省に入省。その後、イギリスの財務省への出向や外資系コンサルティング会社のマッキンゼーなどを経て、2015年4月にウェルスナビを立ち上げた。名だたる大企業や官公庁で、さまざまプロジェクトに携わって来た同氏だが、効率的な仕事の進め方はスタートアップの世界に入って新たに学ぶことも多いという。
ウェルスナビでは、コミュニケーションのほとんどを「Slack」で行なっている。Slackは、最近流行しつつあるビジネスチャットツールでLINEのようなやりとりが可能だ。「ファイナンス」や「サービス開発」といった案件ごとに関連するメンバーが参加して、チャットでスピーディーに状況報告や意思決定が行なわれていく。柴山氏が初めてSlackを使ったのは、同社を立ち上げる前に通っていたプログラミング学校だという。
業務を進める上でビジネスチャットツールを使うメリットはいくつもあると柴山氏は語る。
柴山和久氏「各案件を並列で処理できることが最大の利点です。メールは上から順番に並ぶので、どうしても着信があった順にリソースが集中しがちです。一方、チャットツールは擬似的なミーティングが並列に走っているイメージで、自分は必要に応じて各案件に顔を出せば良いので、タスクの切り替えが非常にスムーズです」
関連する情報がひとつにまとまっている点も重要だ。
柴山和久氏「メールでは、特定の案件に関連する情報をすべて追いかけて探すのは大変です。チャットツールは過去の経緯や関連する資料が1ヵ所にまとまっているので、すぐに状況が把握できるため、意思決定がスムーズになります。物事の決定事項はGoogleドキュメントやGoogleスライド、Googleスプレッドシートで共有しています」
柴山氏は、キーボードカバーを付けたタブレットとスマホを一緒にどこにでも持ち歩いているという。タブレットを開いている時間の9割以上は、チャットを見ているそうだ。
社員から判断を求められた内容は「OK」「NG」「会議を開いて詳細を検討」の大きく分けて3パターンで、可能な限り迅速に捌いていく。判断を先延ばしにすることは一切ない。
柴山和久氏「普段はオープンスペースで仕事をしていて、オフィス内でも返信しやすいタブレットを使っています。PCは機密情報の処理や執筆活動などに使う程度で、ほとんど利用していません。電車などで移動している際は、必ずチャットをチェックしています」
「スタートアップは圧倒的なスピードで成長し続けることが必須で、それには意思決定の速度が重要」だと話す柴山氏。絶えず各案件の進行状況を確認することで、状況判断や意思決定が遅れないように心がけているのだ。
もちろん、ビジネスチャットツールはタブレットだけでなくノートパソコンやスマートフォンでも利用できる。柴山氏のタブレット利用法は、Galaxyのスマートフォン「Galaxy Note8」でも実現できるテクニックだ。
一方、柴山氏がアナログに頼る部分もある。1日のToDoは、紙に印刷して机に置いているそうだ。理由は「Slackを見ている画面からカレンダーに切り替える動作がもったいないから」(柴山氏)。タブレットではチャットツールをフル活用できるように環境を整えているのだ。
電話やメールはマルチタスクに不向き
柴山氏は業務でチャットツールを使いこなす一方で、電話やメールはほとんど利用していないという。その理由は明確だ。
柴山和久氏「電話は基本的にひとりとしか話せません。通話している間は、その案件にかかりきりになってしまうのです。また、話した内容も文章として残らないので、関係者に共有する余計な手間がかかります。メールも送信をするには宛先を指定する必要があり、チャットツールと比べてスピードが阻害される原因になります」
「先日もある外資系企業の友人と話していて『まだメールを使っているの?』と驚いた」と語る柴山氏。創業以来チャットツールでビジネスを回してきた柴山氏は、マルチタスクが阻害される電話やメールが主役でなくなる日も近いと考えている。
一般的なスマホやタブレットはマルチタスク作業が可能だが、基本的にひとつのアプリやサービスの全画面表示が中心。このため、柴山氏はタブレットを活用しているが、スケジュール確認のためカレンダーに切り替えることはしない。アプリの切り替えというムダな作業が発生するためだ。このムダを解決できるのが「Galaxy Note8」だ。
「Galaxy Note8」はマルチウインドウで指定したアプリを2画面同時に表示する「アプリペア」機能を活用することで、マルチタスク環境をワンタッチで呼び出せる。例えば、打ち合わせの所在地を確認しながらもう一方のウインドウで案件の概要をメールやクラウドで確認したり、スケジュールを随時更新したりと並行して作業できる。もちろん、チャットツールとカレンダーなど、約6.3インチという大画面を活かした2画面表示も可能。柴山氏が重視するマルチタスク作業には最適だ。
出先でスマートフォンを使うことがあると語る柴山氏は、一瞬でマルチタスク環境を構築できる「Galaxy Note8」に驚きを隠さない。移動中に取引先までのルートを地図アプリのナビで確認しながら、同時に別ウインドウで会社のチャットを確認できるのだ。
柴山和久氏「外では地図を見る機会は多いのですが、このマルチウインドウは便利ですね」
そんな柴山氏に、仕事関連でやり取りしたメールや電話の数を教えてもらうと、毎日片手で数えられるほどしか来ておらず、ゼロの日もあった。社外の人とやり取りする場合に使わざるを得ないケースもあるが、基本的に取引相手の社長などと直接会う機会が多いため、実は電話やメールでのコミュニケーションはほとんど発生しないという。
次に利用頻度が高いサービスは「Facebookメッセンジャー」だ。1日10件前後通知が来るという。取材した日も7件来ていた。
柴山和久氏「日本のスタートアップはFacebookの利用が基本ですね。Facebookを仕事に利用するのは、日本の特徴だと思います。アメリカでは、同僚や部下とはFacebook友達になることはありません。仕事のネットワーキングはLinkedlnがメインです」
ビジネスの速度感を重視する柴山氏は、チャットツールをフル活用することで効率的にマルチタスクをこなしている。では、その速度感を実現するために、どのように仕事する環境を整えているのだろうか。
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