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Galaxy Note8の進化点に迫る!

Galaxy Note8のライバルは「文房具」だ! S8+やNote FEと比較した

2017年08月24日 11時30分更新

 2017年秋のフラグシップモデルとなるGalaxy Note8がサムスンから発表になった。初代「GALAXY Note」が登場してから6年、最新のNote8はどのように進化したのだろうか?

 今年登場した「Galaxy S8/S8+」や、昨年発売中止となったGalaxy Note 7をリフレッシュしたGalaxy Note Fun Edition(FE)と比較しつつ、Galaxy Note8の魅力を探ってみた。

Galaxy Note8のユーザーターゲットはクリエイティブなユーザー
Galaxy S8+との比較

 Galaxy Note8のディスプレーのアスペクト比は2017年のフラグシップモデルであるGalaxy S8/S8+と同じ18.5対9。本体の形状を見るとかなり縦長に感じられる。

 しかし、横幅は74.8mmと、片手でも十分保持できるサイズであり、実際に手に持ってみると数字ほどの大きさは感じられない。

6.3型ディスプレーの大型モデルながらも片手で十分持てるGalaxy Note8

 Galaxy Note8のディスプレーサイズは6.3型で、Galaxy S8+の6.2型よりわずかに0.1インチだけサイズアップしている。

 だが、本体の形状を比べるとS8/S8+は角のRが大きく、全体的に曲面で構成されているのに対し、Galaxy Note8はよりスクエアな形状になっている。そのためNote8のディスプレー面積はGalaxy S8+より数値以上に大きくなっている印象を受ける。

Galaxy S8+(左)とGalaxy Note8(右)。角やエッジの処理が大きく異なる

 本体を側面から見てみると、S8/S8+は上下対称にゆるやかなカーブを描いている。これは手の平にしっかりとフィットしやすい形状と言えるが、その分、ディスプレー両端のエッジ部分がやや目立つように感じる。

 一方、Note8は角のRがきつくなり、ベゼル部分の幅はより狭くなっている。つまり、Note8はディスプレーの全体を表示&手書きエリアにしようとしているわけだ。

Galaxy S8+(下)は本体の断面が上下対称でRはゆるやか。Galaxy Note8(上)は本体表面側のRがきつく、ディスプレー表示面をより広くしている

ややわかりにくいが、Galaxy Note8(上)はディスプレーの角はすぐに曲げられ側面へ接合、Galaxy S8+(下)はディスプレーの端はゆるやかに側面へとカーブして接合されている

 本体形状の変更やディスプレーザイズの(わずかだが)大型化は、Galaxy Note8が付属のスタイラスペン=Sペンを使うことを考えた製品だからである。

 Galaxy S8+との見かけ上の差は「0.1インチのディスプレーサイズ」に思えるが、Galaxy Note8はSペンを使うユーザーを考えた、まったく別の製品に仕上がっているのである。

 Sペンを使わず指先操作をするならば、エッジ部分がゆるやかなカーブのGalaxy S8/S8+のほうが手に持ちやすいだろう。

 しかし、紙の手帳のように片手で本体をもち、Sペンを使って細かい書き込むのであれば、フロント面すべてがディスプレーになっているほうが使いやすい。両者のデザイン差はユーザーの端末の使い方の差がそのまま表れているのである。

Galaxy Note8の活用にSペンは切り離すことはできない

Noteシリーズとして最高傑作のGalaxy Note8
Galaxy Note FEとの比較

 Galaxy Note8の公式な前モデルは2015年登場の「Galaxy Note5」となる。しかし、サムスンは2016年に「Galaxy Note7」を発売し、その後販売中止となり、2017年に入り韓国でバッテリーを交換したモデルとして「Galaxy Note Fun Edition」を販売している。

 Galaxy Note7の機能をそのまま引き継いだGalaxy Note FEは、過去のGalaxy Noteシリーズの中でも最大の進化を遂げた製品だ。しかし、Galaxy Note8と比較してみると、Galaxy Note8はより「紙のノート」に近づいた製品だと感じられる。

 Note FEのディスプレーは16対9のアスペクト比で5.7型。横幅は73.9mmで、Note8よりも0.6mm狭い。また、縦方向のサイズは153.5mm。Note8は162.5mmで、9mmほど縦長だ。

 数字だけ見ればNote FEのほうが小型で持ちやすい、そう思えるだろう。ところが、Note FEはディスプレー上下に非表示部分が幅広くあるため、ディスプレー上でSペンが使えないエリアが多くある。左右のベゼル幅もNote8より広い。

Note FE(左)とNote8(右)。本体の差の違いよりも、ディスプレーサイズの差が目立つ

 そのため、Sペンを右手に持ち、左手に本体を持って両者を比べてみると、Note8は「紙そのもの」で書きたいところに自由に書き込めるのに対し、Note FEでは上下左右に書けないエリアが多い。Sペンをディスプレー上で走らせると書き込み可能エリアの狭さによる制約を感じてしまう。つまり、どことなく窮屈さを感じるのだ。

本体の断面形状は、Note FE(上)とNote8(下)を比べると、S8+ほどの差はない。また、横幅の0.6mmの差はあまり感じられないところだ

Note8の上にNote FEを乗せると、縦方向の長さの差がかなりあることがわかる

 実は、Note8とNote FEのSペンの機能はほとんど変わっていない。ペン先は7mm径、圧力感度は4096段階で、ペン本体の形状もほぼ同じだ。

 しかし、本体側の書き込みができるエリアの面積の差が、ペンを使う際の自由度に大きな影響を与えるのである。一度、Note8でメモを書いてからNote FEを使ってみると、Note8は紙の手帳のような書き心地が感じられるのに対し、Note FEは画面の大きさを気にしながら手書きしなくてはならない。

Note FE(左)とNote8(右)のSペンの差。形状はほぼ変わらないようだ

 Galaxy Noteは大きな画面とSペンにより、クリエイティブなツールを目指した製品である。しかし、Note FEまでの進化はハードウェアの進化にすぎなかった。

 Note8はスマートフォンという製品の枠を越え、紙の手帳の書き心地にデジタルツールならではの利便性を加えた「文房具」といえる製品に大きく進化したと言えそうだ。

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