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身体介助や生活援助が本来業務であるスタッフの間接業務を軽減するべく運搬ロボットを導入

東大、社会実装に向けた介護施設運搬ロボットを実現

2017年02月13日 19時56分更新

 東京大学は2月13日、ロボットが働く環境の選択と適切技術利用によるロボット実現を特徴とする「社会実装アプローチ」にもとづいて実用的な施設内運搬ロボットを実現したことを発表した。

 ロボットの研究機関の関係者だけでなくユーザーや普及を担うステークホルダーとともに社会共創するロボット学「社会共創ロボティクス」の考え方にもとづいて遂行し、社会実装アプローチによる初めての実用的ロボットの研究開発活動の成果を報告した。

 同プロジェクトでは、介護施設内での間接業務負荷軽減を目指して社会実装アプローチによる実用的な運搬ロボットのデモと実証テストを公開した。身体介助や生活援助が本来業務であるスタッフの間接業務を軽減するべく運搬業務を対象にした。

 運搬ロボットは、床に反射板を貼りつけてロボットの異動軌道を設定できる反射板誘導方式を採用したことで、ニーズに応じた移動ロボットの作業環境を構築した。駆動方式は駆動2輪と受動2輪の4輪構成で、100kgの荷物も運搬できるミツバモーターを搭載。ロボットの作業は、荷物の積み下ろし作業は自動ではなく、スタッフや入居者に近づいたロボットが荷物の積み下ろしをお願いする、人・ロボット協働作業法を採用した。

 販売価格が100万円という安価なロボットの特徴を生かし、ワンフロア型ロボット方式でロボットの作業環境を構築している。ロボットの作業や作業環境、利用技術を絞り込むことで研究開発とその社会実装の並行活動できるという。このような社会実装アプローチは今後、研究開発のみに終止した介護ロボットの実用化を可能にするアプローチとして重要だとしている。

 同プロジェクトは福島県「平成28年度・地域復興実用化開発等促進事業補助金」に採択された「介護施設内運搬ロボットシステムの商用化とその社会実装」事業として進められているもので、東京大学フューチャーセンター推進機構の佐藤知正名誉教授らがSOCIALROBOTICSと協力して実施された。

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