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巨大エイ、今度の相手は加齢臭だ!

レイコップ加齢臭消すふとんクリーナー

2017年02月08日 07時00分更新

 ロボット掃除機の代名詞がルンバとしたらふとんクリーナーはレイコップだろう。巨大エイのような姿は一度見たら忘れられない。今度の巨大エイが戦う相手は加齢臭だ。7日発表の新製品「レイコップRX RX-100JWH」はまくらの除菌・脱臭に使える「まくらモード」を搭載。作動させてまくらの上に3分間置くだけで、ダニが好むという加齢臭の原因物質「ノネナール」を分解、脱臭する。

レイコップRX RX-100JWH
2月23日発売 希望小売価格6万9660円
レイコップ・ジャパン

http://www.raycop.co.jp/product/rx/

 レイコップRXの新しいところは3つあり、いちばんの目玉がまくらモードだ。

1.まくらモード……3分間でまくらを除菌・脱臭する
2.自動モード……寝具の種類を識別して強さを変更する
3.コードレス……リチウムイオン電池で最長40分間使える

 オゾンを応用した同社独自開発物質「ホメスタイオン」を放出しながら温風「ドライエアブロー」で水分を飛ばすことで除菌・脱臭効果を得るというもの。試験機関・愛研はノネナール(加齢臭)92.3%、酢酸(汗臭)96.3%、イソ吉草酸(足裏臭)95.5%の脱臭効果を確認したという。

まくらに置いて3分で脱臭

 なぜノネナールなのか。

 レイコップ・ジャパンには50万匹のダニを飼育研究している研究開発機関レイコップR&Dがある。同機関によれば寝具には「チリダニ」というダニが多く生息し、人のアカやフケをにおいで見つけて食べている。うまそうなにおいでダニをひきよせるノネナールは、ヒトの毛穴から分泌される脂肪酸が酸化分解されることで生成される物質だ。脂肪酸は加齢にしたがい増加するので「加齢臭」と呼ばれる。同機関でノネナールを使って寝具生地に乗せたダニの誘引試験をしたところ、同じく加齢臭の原因となるジアセチルに比べても倍以上多くのダニが誘引される結果になったという。ようするにノネナールはチリダニにとって加齢臭の中でもとりわけ食欲をそそるいいにおいなのだ。

 発表会では5cm四方の布片にノネナールの原液を5mgたらし、タッパーに入れて密閉性を高めるためにフタをして、新コスモス電機のポータブル型においセンサー「XP-329M」でにおい数値を計測するという実験をしていた。まくらモード使用後、数値は200程度から1~0程度まで低下していた。ちなみに同センサーで駅のトイレを計測すると140~290程度になるという。

実験の様子

 自動モードは圧力センサーで毛布、低反発、高反発、羽毛などの種類を判別して、生地にあわせて吸引力を自動変更するもの。羽毛布団は目が細かく、通常の吸引力だとノズルにくっついてしまうことがあるので便利だ。そのほかの運転モードには音が比較的静かな「サイレントモード」、強力に吸引する「パワフルモード」がある。サイレントモードといっても音が穏やかというくらいだ。

未来的な操作画面

 充電は専用スタンドにセットして満充電まで約3.5時間。寝室に置いておくこともあり充電時の姿はスタイリッシュに見えるようにしたと言っていた。寝室が突然未来になる。

未来的な充電スタンド

 ブラシも新しくなった。ふとんからハウスダストをたたきだす18個の「パンチ」がブラシと一体化した「アクティブパンチブラシ」になった。パンチがふとんを叩く回数は毎分4万5000回。

ブラシについた透明な部品がふとんを叩く

 細かいところでは、軽いドライヤーのような温風をふきだすエアブロー機能がオフにできるようになった。たしかに真夏にそんな機能を使いたい人は少ないだろう。

金属部分から温風が吹きだす

 レイコップのふとんクリーナーがめざしてきたのはダニ対策。もともと医師だったレイコップ・ジャパン代表リ・ソンジン社長が「対処療法には限界がある、健康的な暮らしを実現してアレルギーを予防しよう」と考えて開発したものという。日本のアレルギー疾患を研究したところ、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎の主要因はダニだとわかった。今までは「UV-C(紫外線)」でダニの動きを抑制し、「叩き」でダニやハウスダストを叩き出し、「吸引」でダニを吸い取るという原理を使ってきたが、今回はダニをひきよせる“エサ”にあたる人間の皮膚やアカの匂いに焦点をあてた。

レイコップ・ジャパン代表リ・ソンジン社長

 ダニ対策にはふとんクリーナー以外にもさまざまな選択肢がある。布団乾燥機、ダニ対策ノズルをつけたスティック掃除機、ダニ対策コースをそなえた洗濯乾燥機、ダニを捕獲するシート、ダニがいなくなるスプレーなどなど、あれもこれもダニで百花繚乱だ。アレルギー性鼻炎もちとしてはレイコップに期待がある一方、ダニのことばかり聞いていたおかげでダニへの関心が高まってきた。以前加熱によってダニの動きを弱める実験を見せてもらったことがある。元気に動いていたダニがだんだん動かなくなり、温度が下がるとふたたびわきわき動きだす姿は、いじらしくてかわいかった。

 ダニがおもしろい。次はダニの生態についてだけ話を聞きたい。

レイコップRXを2つもっている博士研究員の木村伸太郎さん

SPEC
消費電力 350W
動作 自動/サイレント/パワフル/まくら
パワフルたたき 毎分4万5000回
ドライエアブロー あり(ON・OFF)
UV除菌 99.9%(公称)
サイズ 幅353.5×奥行き440.2×高さ166.3mm
重量 約2.95kg


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書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)

1983年生まれ、家事が趣味のカジメン。今年パパに進化する予定です。Facebookでおたより募集中

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