たった20分でワインやウイスキー、日本酒を熟成させる。
そんな夢のようなアイテムがあるのです。「Sonic Decanter(ソニック・デキャンタ)」というもので熟成の仕組みは超音波。水を張った筒状の機器にアルコール類が入った瓶を入れ、超音波による振動で液体の酸素を抜き取ることで、長い年月をかけて熟成するのと同じような効果を得られるということ。
目安は赤ワイン20分、白ワイン15分。ワイン以外にもウイスキー、日本酒などで利用できます。
もともとは米国で売られていた製品でしたが、日本ではハンズエイド社が通常価格3万2000円で発売予定。クラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」では、9月13日から10月28日まで先行予約受付中。早期割引として2万1000円からコースを用意しています。
超音波で酒の味が本当に変わった!
酒好きのみなさま。超音波の仕組みはすごそうですが、はたしてそんなに短い時間で本当に長期熟成の効果が得られるのか、にわかには信じられないのではないでしょうか。記者もかなり疑問でした。
ここでいう熟成とは、例えば樽熟成で香りを付けるのとはちょっと異なります。ポイントは先にも書いた“空気を抜く”こと。例えばワインでいうと、デキャンティングにて空気に触れさせオリを取り除いたり香りを開かせたりということは、古来から行なってきました。ですが問題は酸化してしまうこと。
Sonic Decanterでは超音波の振動でワインを攪拌(かくはん)して酸素を抜くので、劣化の心配もなく、デキャンティングと近い効果が得られるということ。樽による香り付けが行われるわけではないのですが、味や香りのポテンシャルを引き出すことができます。
論より証拠と、タンニンが強めのデイリーワインでSonic Decanterを試してみました。Sonic Decanter不使用のもの、10分使用したもの、20分使用したもので飲み比べたところ……。
とても驚きました。味と香りがまったく違います。
もともとがタンニン強めで「少し飲みにくいな」と感じる味だったのですが、Sonic Decanterの使用時間が長くなるほど、香りがフルーティーになりタンニンのトゲトゲしさが抜け、飲みやすくなりました。感覚的には「ちょっとお高いワインに変化した」という気持ち。
ウイスキーと日本酒でも試してみました。
香りが強いどっしりとしたウイスキーで試したところ、Sonic Decanterを使用する前は「ストレートではとても飲めないほどキツイ」と感じたのですが、20分使用した後はスッと鼻を抜ける洗練された香りになり、ストレートでもコクコクと飲めました。品が何ランクか上がった感じ。
日本酒はそもそも鮮度が大事なので熟成させるものではないですが、もともと米の香りが強かった日本酒がSonic Decanterを使用することで、尖ったコクがまろやかになり、とても飲みやすくなりました。当然、米らしい香りが好きという人もいると思います。が、従来そのような日本酒は燗つけて飲むことが多いところ、Sonic Decanterを使うことで冷酒にしてもおいしく飲めるようになります。
ただし、いずれの酒もSonic Decanterを長時間使用しすぎてしまうと、雑味が抜けて純度の高いアルコールに近い味わいになってしまいます。やりすぎても酒の個性を楽しめなくなるので、オススメはSonic Decanterを5分ずつ使用してみて、ほど良い具合を確かめてみること。
前述したように雑味を消してしまうので、個性がある高級な酒を飲む時にはSonic Decanterはもったいないので使わないほうがいい。デイリーワインや少し安めの酒のポテンシャルを引き出したい、違う個性を楽しみたい時にオススメということでした。
超音波が酒の熟成を促すというのは半信半疑でしたが、本当に味がみるみる変わりましたよ。けしてお安くはないですが、酒好きには夢のアイテムであることに間違いありません。使い方はおそろしく簡単。動画もあるので参照ください。
ナベコ
寅年生まれ、腹ぺこ肉食女子。特技は酒癖が悪いことで、のび太君同様どこでも寝られる。30歳になるまでにストリップを見に行きたい。Facebookやっています!
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