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11.2MHzに進化したAKIRAのサウンドを体験する

DSD版「交響組曲アキラ」は、音の氾濫を体で感じさせる

2016年08月03日 20時22分更新

大きな器に、人の脳をリラックスさせる高域を追加

 今回のリリースは、DVD-Audio盤の音源をベースに、CD盤にしか収録されてない箇所を追加したものとなる。さらに“ウルトラディープ・エンリッチメント”と名付けたオリジナル処理を加えた上で再マスタリング。11.2MHzのDSD形式としている。

山城祥二(大橋力)氏

 過去の記事でも紹介しているが、山城氏(大橋氏)は研究者として、可聴域外の音を浴びる(耳で聴くのではなく)ことで、脳がリラックスし、活性化する“ハイパーソニック効果”について取り組んできた。アナログ時代の録音で、あえて隠し味として、50kHzの高域を入れていたとのこと。脳の血流を放射性物質を使って測定する実験をするが、最近の研究では、耳で聴くだけではダメなこと、可聴域外でも30kHz程度だとあまり効果がないそうだ。

 ウルトラディープ・エンリッチメントは、11.2MHzのDSDにハイレゾ化する際に高域を補う技術だ。オリジナルレコーダーを使い、熱帯雨林の環境音を収録。その可聴域外の成分だけを取り出し、高域の補完に使っている。熱帯雨林の音は、瞬間的に200kHzにも達する成分を含むとのこと。これを元の音源の音量変化に連動したレベル調整を加えて追加する。

減衰してしまう高域を熱帯雨林で録音した音で補う

仕組みと機材についての解説

 その再生のために京セラと共同で、200kHzに及ぶ高域の再生ができるスーパーツィーター(セラミクスアクチュエーター搭載新スーパーツィーター)を試作している。本体サイズは幅11×奥行き22×高さ6.5cmと小型。フロント部分に3色のLEDを備えており、高周波が再生されている際に視覚的に分かる仕掛けとなっている。バイモルフ型積層圧電セラミクスアクチュエータを使用しており、150kHzまでフラットな特性を持つほか、指向性の広さもウリだという。

ハイパーソニックの効果は40kHz~80kHzという超高域だが、一般的なスピーカーではなかなか再生できない。そのためツィーターから作った。

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