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病みすぎててヤバイ!狂気の画家となり絵を完成させるホラー『Layers of Fear』:Steam

2016年02月17日 20時00分更新

 PCゲームのダウンロード販売サイト『Steam』から、面白いゲームを発掘して紹介するレビュー連載。第20回目は、画家として代表作の完成を目指すホラーアドベンチャーゲーム『Layers of Fear』を紹介する。

 なぜ「絵を完成させる」との内容でホラーゲームなのかと言うと、主人公の画家さんがちょっと精神を病んでしまっているのだ。そのため、ゲームを進めて行くごとに表現がかなり危なくなってきてもう完全にホラー。

 筆者はホラーゲームが苦手だが、このLayers of Fearはつい先日製品版がリリースされたばかり(もともとはアーリーアクセス版が先行配信されていた)。さらには「日本語サポート」とくれば読者の皆さんのためにプレイしないわけにはいかないだろう。

 たぶんそのうちアスキー編集部のつばささんが実況するぞ!(この文章がまずかったら担当さんが消すと思うので、載っていればつまりはそういうことだ)

言語を日本語にしよう!

 まずはおなじみゲームの日本語化から。大事なことなので冒頭に続いてもう1回言うが、日本語公式サポートである。

 ただし、Layers of Fearではゲームを起動するといきなりセーブスロットの作成から始まるため、「え? オプションは? 日本語化は?」となるかもしれない。しかし、慌てずそのまま先へと進めて欲しい。

 セーブスロットの作成後にスタート画面が表示され、“設定”→“ゲームプレイ”のオプションから言語の変更が可能になるからだ。

嬉しい嬉しい日本語サポート

 また、3D酔いする体質であればここで“揺れ演出を有効にする”のチェックを外しておくと良いだろう。これがオンになっていると歩くたびに画面が上下にグワングワン揺れるため(リアル系FPSによくある表現)、かなり酔いやすい。参考までに筆者は速効でオフにした。

 オフにしてもゲーム内の表現に大きな影響がでるわけではない(と思う)し、少なくともこのレビューを書くまでにバッチリ驚かされ続けたから問題ないはずだ。

恐怖を増す独特の操作感が◎

 ゲームはとある一軒家の一室から始まる。ここは主人公であるプレイヤーが住んでいる家であり、この家を隅々まで探索することでプレイヤーの知らない記憶を辿っていくのである。

 プレイしてまず面白いと感じたのは、その探索というか操作方法だ。アクションが起こせるポイントの近くにマウスカーソルを合わせると、画像のようにボタンが表示される。

 ここでボタンをクリックすると……ボタンが変わるだけでとくに何も起きない。じつはここからクリックしたまま引っ張る――つまり実際に戸棚を開けるような動作をマウスで行なわなければいけないのだ。

クリックしたままマウスを左へドラッグ

 これを手間と感じるか臨場感と受け止めるかはプレイヤーによって異なるだろうか、少なくとも筆者には好意的な演出に思えた。

 なぜなら「ババーン!」と驚かしてくる演出が多いため、これがクリック即発動だったらさらに怖かったに違いないからだ(なんというヘタレな意見)。

 次の部屋のドアを開ける前にそーっとなかを確認する。そして「ああ、安全だな」と思ったら一気にドアを開くわけだが、部屋に入った瞬間「ババーン!」が起きたりするので、やっぱりビックリさせられることには変わりないのがつらい。

 なお、ドアや戸棚など以外に調べられるオブジェクトには虫眼鏡ボタンが表示される。

 こちらもぐるりと回してオブジェクト全体をチェックできる。

 これで「この譜面から謎を解読しろ」とかだったらお手上げだが、今のところそのような難問は出ていないので安心して欲しい。

日本語ローカライズが親切仕様

 そして嬉しいのがやはり日本語対応だ。壁に殴り書きされた文章であっても、カーソル(視点)を合わせると日本語訳が表示されるのだ。

じつはループモノ?

 こういう細かい部分での対応が英語が苦手な筆者にはとても嬉しい。

 もちろん文章系のオブジェクトは全文が翻訳されている。

 これにより「クリアしたけどストーリーがイマイチ分からない」といった、「分かる英単語拾い系プレイヤー」にありがちな不幸は回避できるぞ。

 ただまあ日本語だろうが英語だろうがおっそろしい絵を見せられる不幸だけは回避できないため、そのへんは我慢して欲しい。

みんなが知っている有名な話の挿絵をこの画家が描くとこうなる

 っていうかそもそもホラーゲームだからこれ。

徐々に崩れていく画家の世界

 そんなこんなでおっかなびっくりゲームを進めていくと、今度はだんだんと世界が崩れ始めていく。

絵の具を撒き散らせ始めたあたりからヤバい

 ゲーム序盤は主人公のことについて「画家っぽいなぁ」としか分からない程度だったが、ゲームを進めるにつれ「夫婦間で問題を抱えている」、「作品にも問題が出てきた」、「精神病を患っている?」といったことが判明してくるのだ。

 このあたりからゲームは「一軒家の探索」から「画家の記憶の探索」へと変わり、扉の先も全く別のところへと繋がり始める。部屋から次の部屋へと行き、最初の部屋に戻ろうとしたらそこはなぜか廊下になっていた――なんてことが起きてからはもう頭が混乱しっぱなし。

通ってきた部屋が一瞬で廊下に

 ゲームとしては基本的に一本道ではあるものの、こうなってくると心情的にどっちに進んで良いか分からない。

 さらにポルターガイスト現象まで起き始めるから筆者としては「もう勘弁して」という気持ちでいっぱいだった。

お化けが出なくても怖いものは怖い

 そのうえ、今度はゲーム内で手に入るアイテムにもその狂気が感染し始めていく。

キャンパスに赤い絵の具かと思ったら“人間の皮膚”

 主人公である画家はいかにして精神に異常をきたしていったのか。それらのアイテムを手に入れるたび、おぼろげながらも画家の心象に触れることができ、さらには仕事部屋にあるキャンパスに絵が描き込まれていくのである。

すごく、おどろおどろしいです……

 この絵が完成したとき何が起きるのか。というかこれを完成させるまでにあとどれだけビクビクさせられるのだろうかと考えると、ドアを開くマウスの手が止まる……。これ、クリアーできるかなぁ?

 ホラーゲーム好きな人はもちろん、Layers of Fearのアーリーアクセス版をプレイしたものの「内容が英語でよく分からん」という人も再度プレイしてみて欲しい。

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『Layers of Fear』は最低システム要件にGeFroce GTX560やRADEON R7 250Xを要求し、旧世代のミドルクラスGPUといえど、CPU内蔵GPUでは厳しいゲームだ。ゲーミングPCユニットコム『LEVEL∞ (レベル インフィニティ) C-Class | コンパクト・ミニマムモンスター・ゲーミングPC』の場合、GTX750TiやGTX950などミドルクラスのグラフィックボードを搭載するモデルも豊富に用意している。

『Layers of Fear』
●Bloober Team SA
●1980円(2016年2月16日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows、Mac、SteamOS + Linux
ジャンル アドベンチャー、独立系開発会社
(c) 2016 Published and distributed by Aspyr Media, Inc.

■著者:篠原修司
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: KiDD
・Twitter:@digimaga

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