突然だが、みなさんは自分が使っている椅子の座り心地、気にすることがあるだろうか?
「椅子に座る」という行為があまりにも日常に溶け込みすぎているので、よほどひどい椅子でないかぎり、あまり気にしないという人も多いかもしれない。筆者もこれまではさほど気にしていなかった。そう、編集部にレビュー機材として『AKRacing PRO-X』がやってくるまでは。
『AKRacing PRO-X』はオフィスチェアとしても最高に使える!
『AKRacing』といえば、その名の通りレーシングカーのシートのような外見が特徴の、世界でもトップクラスの知名度を誇るゲーミングチェアブランドだ。ヨーロッパなどのeスポーツ競技会でも採用実績があり、日本国内ではテックウインドが8月に国内独占販売権を取得。すでに第1弾として『AKRacing NITRO』を販売している。12月19日に販売開始されたAKRacing PRO-Xは、AKRacing NITROにさらなる改良が加えられた上位モデルとなる。
“ゲーミングチェア”という名前からして、ターゲットとなる購買層は当然ゲーマー……なのかと思いきや、意外とそうでもないらしい。長時間のゲームプレイを想定し、プレイヤーの疲労軽減と集中力の維持を目的とするゲーミングチェアだが、機能的にゲームプレイに特化しているわけではないので、普通のオフィスチェアとしても利用できるのだ。実際、Amazonのデスクチェア売れ筋ランキングを見ると、オレンジカラーのAKRacing NITROがカテゴリーの2位に食い込んでいる(2015年12月21日現在)。ゲーマーに限らず、我々のような長時間のデスクワークで腰を痛めている人など、あらゆるユーザーにオススメできるわけである。
ということで、さっそく組み立てて座ってみた。いやあ、座った瞬間の適度な反発感からして、普段使っている会社支給のオフィスチェアとは全然違う。リクライニング機能でちょっと背もたれを傾けてしまえば、そのまま椅子に溶け込んでしまいそうなほどの快適さだ。しばしこのまま座り心地を堪能したい……と思い目を閉じた矢先、隣の席に座っていたハッチ先輩が突然謎のうめき声を上げはじめた。
「どうしたんですか、ハッチ先輩」
「いやあ、最近腰が痛いんだよ。ウーッ!」
「イスが悪いんじゃないですか? いいですよ、高級デスクチェア。よく見たら編集部にもけっこう椅子にお金かけてる人いるし、やっぱりデスクワークの時間が圧倒的に長いじゃないですか、僕ら。毎日、長く使うものですし、少しぐらい投資してもいいんじゃないですか?」
「バカ言ってるんじゃないよショータ。イスにお金かけるぐらいならブラウザーゲームに課金するよ。ウーッ!」
そう言って、勤務中にも関わらずブラウザーゲームのスタミナを消費するハッチ先輩。本人はあのように言っているが、このままでは長時間のデスクワークで腰をやられてしまうかもしれない。
後輩として何とかしなければ……と思った筆者。せっかくなので、ハッチ先輩を強引に誘い、AKRacing PRO-Xが普通のオフィスチェアと比べてどれほど快適なのかを身をもって体感してもらうことにした。
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