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腰痛持ちさんに教えたげてえぇ!正しいイスの座り⽅

2017年06月16日 11時00分更新

文● 盛⽥ 諒(Ryo Morita)
提供: テックウィンド

 おわかりいただけただろうか……

 アスキーゲーム担当ちゅーやんくんのお仕事スタイルである。⾸が歩⾏時のハトのように前に出て「つ」の字になっている。本⼈に聞いたところやっぱり腰痛持ちだった。昔バイトで重いものを運んでいたことがあり、当時から猫背・腰痛気味になったそうだ。「軽い坐⾻神経痛っていわれたこともあります」とも述べており、想像以上に事態は深刻だった。ちゅーやんくん、君はまだ20代なのに。

 「オフィスワークに腰痛リスクはつきものですよね」レベルの軽いリードを書くつもりだったのだが、普通にちゅーやんくんが⼼配なのでどうにかしなければいけない気持ちになってしまった。ちゅーやんくんが⽐較的すぐ実⾏できる腰痛予防策を考えると「正しい姿勢でイスに座る」「体への負担が少ないイスに変える」の2つだろう。まずは腰痛の専⾨家に「正しい座り⽅」を聞いてみることにした。


正しい座り⽅は「尻と⾜」がポイント

 お話を聞いたのは、『頭を5cmずらせば腰痛・肩こりはすっきり治る! ⼀⽇3分の姿勢矯正エクササイズ』(⾓川SSC新書)を書いた綾⽥英樹先⽣だ。

 本はめちゃ⾯⽩いのでぜひ読んでほしい。なぜ姿勢が悪いと腰痛・肩こりにつながるのか、筋⾁のメカニズムをわかりやすく解説した内容で読みごたえがある。「オープンソースの画像処理ソフト『ImageJ』を使って⾃分の姿勢を数値分析する」という項などもあってアスキー的にも楽しいぞ。星5つだ。

●綾⽥英樹(あやた・ひでき)先⽣

⽇本国内でカイロプラクティックを学べる唯⼀の⼤学であったオーストラリア国⽴ロイヤルメルボルン⼤学の⽇本分校「RMIT University Unit Japan」バイオメディカルヘルスサイエンス学部に⼊学、全⽇5年制の同⼤学を卒業。国際基準のカイロプラクターに求められるB.App.Sc.(応⽤理学⼠)、B.C.Sc.(カイロプラクティック理学⼠)を修める。⽇本カイロプラクターズ協会(JAC)会員。2003年、東京都杉並区にAYATAカイロプラクティックを開院。

── 先⽣、ちゅーやんくんなんですが。

 ああ、これはわかりやすいですね。頭が完全に前に出ている「クレーンネック」と呼ばれる姿勢です。ノートパソコンを使っている⼈だけでなくデスクトップパソコンを使っている⼈でもこうなりがちです。ですが、イスに座って作業をしている以上、しょうがない部分もあるんですよ。

── しょうがないんですか?

 ⽣物というのはセンサーを対象物に近づけるものですからね。花のにおいをかぐときは⿐を近づけるでしょう? 顔についている⽬というセンサーを対象物であるパソコンに近づけるのは、⽣物として⾃然なことです。⽣活習慣もなかなか変えようがないですからね。ある意味では⽂明⽣活の業のようなものなんですよ。

── 根深い話ですね……ただ、⾒ているとかわいそうなので、なんとか負のスパイラルから救い出してあげられないかなと思っています。

 「⾜を前に出す」というのが⼀番簡単な対処法ですね。

── それだけでいいんですか?

 作業に集中すると頭が前に向かってしまうのはどうしようもないですから、無意識に出てくるのをおさえる単純な⽅法が⾜を前に出すことです。頭が前に出ると、肩の重⼼が前に移動します。すると、お尻が後ろに下がろうとします。重⼼が後ろに⾏こうとすると、⾜を内側に⼊れようとするようになり、頭が出やすくなってしまうわけです。逆に⾜を前に出しておくと、重⼼が前に⾏き、⾜がつっぱって頭が前に出づらくなるんです。

── へええ、体の仕組みがそうなっているわけですね。

 あとは、できるだけ座⾯のいちばん奥に座ることです。できればヘッドレストがあるイスがいいですね。お尻と頭をくっつけるように座るのが⼤事です。

── ⾜を前に出し、座⾯の奥に座ると。

 この⽅の場合はそれでいいと思いますね。

悪い座り⽅→良い座り⽅

── 普段の座り⽅を変えた上で、根本的に姿勢を良くしていきたいのですが、仕事の合間にできる運動などはないでしょうか。

 頭の位置の調整をしてもらいたいですね。あごに両⼿をそえて引く運動が簡単です。1回10秒間の運動を1⽇5〜6回程度するといいと思いますよ。

── ありがとうございます、帰ったらさっそくちゅーやんくんに教えてあげたいと思います。ところで先⽣、姿⾒についているのは?

 ああ、Webカメラです。これで体を横から撮って、姿勢をご⾃分で⾒てたしかめてもらっているんですよね。よかったら試しに撮ってみますか?

── あっ、いいんですか! 実は新書で紹介されているのを⾒て、やってもらいたいなと思ってたんですよ。

Webカメラで撮影されたわたし

── 先⽣、どうでしょう?姿勢には気をつけているつもりなんですけど。

 いや、これはちょっと……さっきの⽅よりひどいですね。

── えっ。

 いわゆる「ストレートネック」、意識をして逆にひどくなるケースです。

── 逆にひどくなる。

 姿勢をよくしようと気にしすぎて、胸を張ってしまう⼥性などに多いですね。胸を張っていると背中が痛くなってくると思います。胸を張っている姿勢は、⾓度を変えて⾒ると、じつは背中を丸めているのと同じなんですよ。画像を⾒ると、お腹が体の中⼼より前に出ているでしょう。腰が反ることで負担がかかってしまっているわけです。いい姿勢をとるには条件があり、背中がやわらかくないとダメ。ただ背筋だけを伸ばしても逆効果なんですよ。

ちゅーやんくんよりひどい姿勢と⾔われたわたし。たしかにお腹が出て腰が反っている……

── そういうものなんですか……

 ⼈間の体というものは、本来、動いているうちに⾃然と姿勢を整えていくものなんです。そのとき姿勢をよくしようと意識していると、逆に体の働きを邪魔することになってしまいます。変に意識しすぎず、先ほど⾔ったように、ストレッチをするなり、座るときの位置に気をつけたほうがいいですよ。

── ありがとうございました……

 はい、お気をつけて。

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