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ふつうの3倍以上遅延が少ない「ゲームモード」を搭載

Razer完全独立型イヤフォンは13mm大口径ドライバーが力強いサウンドを鳴らし切る

2020年01月03日 12時00分更新

「Hammerhead True Wireless Earbuds」

 2020年春から日本でも本格的な商用サービスが始まる「5G」と、とくに相性がいいモバイルエンターテインメントのひとつがゲームだといわれている。いまプレミアムクラスのスマホを中心に高性能なCPUを搭載して、ディスプレーも高画質なHDR表示に対応する端末が増えていることから、ゲームの「映像」については期待を膨らませながら5Gの時代が迎えられそうだ。

 ところが一方で「サウンド」については大きな心配事がある。プレミアムクラスのスマホは多くが本体の薄型化を進める過程でアナログイヤホンジャックを取り除いてしまったため、ゲームのサウンドをイヤフォン・ヘッドフォンで聞く場合はBluetooth対応のワイヤレスモデルが必要なる場合が増えてきた。ワイヤレスイヤフォンは便利である反面、音声信号のエンコード/デコード処理を間に挟むため、有線イヤホンにはない音声信号の伝送遅延が発生してしまう。

 音楽リスニングの際に気がつかなかった伝送遅延が、映像をともなってくると、映画やドラマを観るときに役者の口元の動きとセリフがズレたり、ゲームの場合はコマンド入力がすぐさま反映されないため、その遅れがストレスに感じられる。対戦型格闘ゲームや音ゲーの場合は致命的な結果を招くことにもなりかねない。

 ゲーミングアクセサリーのトップブランドであるRazerは、ここ目を付けて音の遅延を大幅に抑えた完全ワイヤレスイヤホン「Hammerhead True Wireless Earbuds」(関連記事)を発売した。本機がどんなイヤフォンなのか詳しくみていこう。

ふつうの3倍以上遅延が少ない「ゲームモード」を搭載

イヤフォンの背面はタッチセンサーリモコンになっている。ロゴは残念ながら光らない。

 イヤフォンはアップルのAirPodsと同じく、ドライバーを格納するハウジングから伸びるスティック状の本体を、外耳のくぼみにフィットさせる装着スタイルとした。ハウジングの構造もAirPodsと同じ開放型。内部に空気を通してドライバーのダイナミックな動きを生むための小さな孔を設けた。

 密閉型構造のイヤフォンに比べるとやや遮音性が低く、外に音漏れもするところがトレードオフになるが、クリアでキレのあるサウンドが楽しめるだけでなく、本体が軽くできることも特徴だ。充電ケースも軽くコンパクトなので、ポケットに入れて持ち運びやすい。

充電ケースも手のひらサイズを実現

充電にはUSB Type-Cケーブルを使う

2つのイヤフォンをケースの中にコンパクトに収納できる。約1.5時間でイヤフォンをフルに充電できる

 本体はIPX4相当の防滴仕様なので、雨の日の屋外やスポーツシーンでのリスニングも安心だ。ハウジングの側面がタッチセンサーになっていて、ペアリングしたスマホの音楽再生やハンズフリー通話のコントロールが可能。この後に触れる特徴的な「ゲームモード」への切り換えも本体のセンサーで操作する。

 Razerからは本機専用のモバイルアプリも提供されている。ボイスガイドの言語設定やリモコン操作のチュートリアル、そしてイヤフォンのファームウェア更新などがアプリからできるようになる。

本機専用のモバイルアプリも提供されている。リモコンの操作方法をまとめたチュートリアルなどが参照できる

 一番の見所は「ゲームモード」だ。本機がBluetoothの音楽再生接続(A2DPプロファイル)時に対応するコーデックはもっとも一般的なSBCと、iOSデバイスにも広く使われているAACの2種類。それぞれワイヤレス接続時の伝送遅延はSBCが220ms(0.22秒)前後、AACが120ms(0.12秒)前後といわれているが、RazerのHammerhead True Wireless Earbudsはゲームモードをオンにすると、遅延を60ms(0.06秒)前後にまで抑えられるという。

 ワイヤレス音声信号の送り出し側となる機器にも特別な仕様や後付けの機器も要らないそうだ。その詳しい仕組みが公開されていないことが残念だが、大切なのは論より証拠。ということで実機で試してみることにしよう。

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