2019年05月21日09時00分

DevRel活用やダッシュボード連携などノウハウ満載の「Why Slack?」

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 2019年3月26日に開催されたSlack Japan主催のユーザーイベント「Why Slack?」には、IT系のユーザー4社が登壇して事例を披露した。ここでは開発者とのコミュニケーションに活用する日本IBM、メールからSlackに移行して全社で活用しているウイングアーク1stという前半の2社の事例をレポートしていこう。

IBMのデベロッパーアドボケイトが語るDevRelでのSlack活用

 4社の登壇者を迎えた「Why Slack?」はいつものように越野氏の挨拶でスタート。現在、Slackは1000万人のデイリーアクティブユーザーを抱えており、このうち50万人が日本のユーザーになっているという。また、連携できるサービスは1500を超えており、単なるビジネスチャットではなく、ユーザーからはアプリケーションのハブとして利用できる。

 トップバッターはデベロッパーアドボケイトとして、「開発者に向けて技術を啓蒙し、ともに創造する」という役割を担う日本IBMの戸倉氏。業務で重要な「タイムマネジメント」「優先順位付け」「仕事の質の向上」を実現すべく、Slackをどのように活用しているか説明した。

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日本IBM デジタル・ビジネス・グループ デベロッパーアドボカシー事業部 デベロッパーアドボケイト 戸倉彩氏

 グローバルでの従業員が約26万人にのぼるIBMに入社すると、最近ではPCにSlackがインストールされてるという。マシンを開くと、5000以上にのぼるSlackのワークスペースがあり、業務利用はもちろん、プロジェクト、検証などで利用されている。ユーザーは社内ディレクトリから検索し、必要なものに参加し、メンバーとやりとりすればよい。

 Slackはモバイルでも、Webブラウザでも使えるし、グループやプライベートなどで利用可能。多言語対応だし、絵文字で気持ちを共有でき、エンジニアフレンドリーなコードスニペットも使える。戸倉氏は、社内向けの情報発信はもちろん、社外のエンジニアとのやりとり、エンジニアコミュニティとの連携などでSlackを使っているという。

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エンジニアコミュニティとの連携

 Slackを活用するメリットとしては、「いつでも、どこでも」「親しみのあるコミュニケーション」「サービスとの連携」「社員ID認証でセキュアにSNS」といった4つのメリットがあるという。「同じ目的の情報をチャンネル内のみんなで共有する形なので、上下関係のないカジュアルなやりとりが可能になる。一体感のある組織をオンラインで実現できる」(戸倉氏)

 一方、エンジニアにとってみると「使い慣れているツールを使える」「質問のハードルが下がる」「過去データの検索ができる」「通知設定で閲覧の優先順位が付けられる」などがメリットになる。社外とやりとりするプロジェクトでもSlackを活用しており、「今まではメールでお伺いをたてる感じだったのだが、Slackを使うことで意思決定のスピードが上がった」(戸倉氏)。

 最近ではSlack BotとIBM Watsonとの連携も進んでいる。たとえばIBMではトレンドニュースや会社のエゴサーチ、センチメント分析などSlack経由で入手することができる。「SlackとAIを組み合わせることでさまざまな業務改善に役立つし、マーケティングや研究課題などで応用できると思う」と語る。

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Slack BotとWatsonのニュース分析サービスとの連携

ウイングアーク1stは営業部の組織改革でSlack導入

 2番手は基幹システムの帳票基盤の提供や、BI製品などデータエンパワーメントの事業を展開しているウイングアーク1st マーケティング統括部 統括部長 久我温紀氏。営業からスタートし、営業企画、事業戦略、営業本部、経営戦略などを経て、マーケティングを統括している。

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ウイングアーク1st マーケティング統括部 統括部長 久我温紀氏

 久我氏が担当したのはリーマンショックを含めた新規販売の伸び悩みを契機とした営業部の組織改革だ。Excelだった案件管理、予算管理や週報などをSFAに全面移行したほか、予算会議も150分から20分へ短縮。インサイドセールス導入の中で訪問を一部Web化したり、人材育成も感覚的な内容からデータで管理できるようにして、かなり大きく手を入れた。この過程で、業界分析、Web会議、組織サーベイ、ターゲット企業のスコアリングなどさまざまなツールが導入されたが、2017年にメールもSlackへ移行したという。「メールはお作法に気をとられて、コミュニケーションのための思考を止めやすい」(久我氏)。

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同社の組織改革のタイムライン

 また、今までもチャットツールは用いられていたが、各自で思い思いのものを使っていたので、「この人はSkype、この人はHipChatなど、使い分けていたが、UIも違うし面倒くさい」(久我氏)という状態だった。

 Slackを導入したのはひとえに「操作しやすい、好きになる、エモい」という理由だという。「ただのチャットツールではなく、自分たちがこれを実現したいことはけっこう実装できてしまうので、業務の仕組みが変わるのを見ていて面白い」と久我氏は指摘する。また、カスタマイズができるスタンプや、テキストがあとから編集しなおせる点も評価ポイントだ。「重箱の隅をつつくとか、罪を追及するという点では向かないかもしれないが、コミュニケーションにおいては言い回しがあとから直せるってけっこう重要だと思う」と久我氏は持論を展開。もちろん、テクノロジーの親和性も高く、新しいサービスがすぐにつなぎこめるのは大きいという。

 社内のユーザーもどんどん増えており、ヘルプデスクや営業がノウハウをやりとりしたり、コンテンツボックスから資料を引き出したり、ボット経由でニュースや経営情報を引き出したり、さまざまな使われ方をしている。現状、ダイレクトメッセージが4割、プライベートチャンネルが3割で、パブリックチャンネルが2割という使われ方で、ダイレクトメッセージが多いのはユニーク。また、スタンプに関しては「Build The Trust」というコアバリューや自社マスコットなど270以上のカスタムスタンプを作成しており、やりとりでも多用されている。「新人さんが予算達成したりすると、これ以上押せないくらいスタンプが付く(笑)。社内の人が見て、共感してくれるのがわかるので、これ自体がもうコミュニケーション。新しい価値観だと思っている」と久我氏はアピールした。

 また、BIベンダーらしくビジネスの進捗状況や指標は、ボットがダッシュボードからデータを自動取得し、朝8時に社員全員に配信してくれるという。社員はいちいちボードを見る必要もないし、リマインドにもなって便利。「なによりボットが配信してくれるので、嫌みがない(笑)。予算が未達とか言われているのではなく、状況を切々と送ってくれる。マネジメントとしては非常に楽」と久我氏は語る。さらに過去のデータと現在の推移を比較して、達成予測まで立ててくれるので、予算状況を経営陣に聞かれることないという。

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ボットがダッシュボードからデータを取得し、社員に配信

 久我氏はSlack導入のメリットとして、「気軽に質問でき、組織の知恵を全員で活用できる」「コミュニケーションのコストを小さくなる」「組織のスピードが上がる」「業務の自動化が進むので、人間はクリエイテビティな業務に専念できる」などを挙げた。

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