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CeBIT 2017開幕 安倍首相も登場し「モノづくり、イノベーションで成長」を宣言

2017年03月22日 12時00分更新

 2017年3月20日、いよいよドイツ・ハノーバーで“CeBIT 2017”が開幕しました。1月のプレビューイベント(関連記事)で予告したように、今回のパートナーカントリーは日本。前夜祭イベントには安倍晋三首相も登壇し、ドイツとの経済協力を約束しました。

CeBIT会場でWelcome Night開催、基本姿勢は「反トランプ」

 会期前日の3月19日には、CeBIT会場のホール9においてオープニングイベント“Welcome Night”が開催されました。

Welcome Night会場。何重にも設けられたセキュリティーを通過し、なんとか会場に入ることができた。

 ゲストによるスピーチに共通していたのは、「反トランプ」の姿勢。ハノーバー市長のSchostok氏はヨーロッパが「寛容の精神において統合されている」ことを強調、BITKOMのDirks氏は「デジタル化が進む世界で保護主義は回答にならない。世界を分断しようとする人に対抗しなければならない」と米国の保護主義を批判しました。

 直接的に米国やトランプ大統領を名指しすることはなかったものの、ドイツの価値観を強くアピールしていたのが印象的でした。

ハノーバー市長のStefan Schostok氏。

業界団体BITKOMプレジデントのThorsten Dirks氏。

 2017年のCeBITイノベーションアワードは、地元ハノーバーで2015年に設立されたスタートアップ企業のPEAT社が受賞。植物の写真をカメラで撮影し、画像認識することで害虫やウィルスの被害を指摘してくれる農業向けアプリ『Plantix』が評価されました。

イノベーションアワードの受賞者を発表する、ドイツ連邦政府 教育研究大臣のJohanna Wanka氏。

 教育研究大臣のWanka氏は、「食糧供給や飢餓に苦しむ途上国で、農作物への害虫を防ぐ技術は重要だ」とアプリの社会的意義を語りつつ、「米国からも害虫はやってくるのだから……」と痛烈な批判を加えて会場を沸かせました。

安倍首相、メルケル首相が協力を約束へ

 そんな反トランプの空気の中、登壇した安倍首相は「自由で公正な世界」を強調。日本とドイツの共通点を挙げ、自由貿易を重視するという点でメルケル首相の考え方を支持しました。

19日にハノーバーに到着したばかりという安倍晋三首相がさっそくCeBITに参加。

 安倍氏は会場に向けて、「ものづくりに誇りを持ち、よろこびを感じるという点でドイツと日本には共通点がある。ご賛同いただけるだろうか?」と問いかけ、大きな拍手が起こりました。

 またイノベーションへの信頼を語り、「AIや機械が人間の職を奪うという不安は、日本にはない。人口が減ってもイノベーションがあれば成長できるという、最初の事例に日本はなるだろう」と宣言。日欧間で締結を目指している経済連携協定(EPA)への期待感も語りました。

 イベントの最後に登壇したメルケル首相も、CeBITへの日本の参加を歓迎。「自由で公正な世界を、より強靱にしていかなければならない」として、ドイツの立ち位置を明確にしました。

CeBITのオープニングに毎年登壇している、ドイツのアンゲラ・メルケル首相。

 イベントでは同時通訳が提供され、ドイツ人はドイツ語で話し、日本人は日本語で話すというスタイル。それぞれに言いたいことを言った感がありました。

俳優兼ダンサーとして知られる森山未來さんらによるパフォーマンスも披露された。

会場内では寿司や焼きそばといった日本料理が振る舞われた。ちなみにビールはドイツのBeck'sに加え、キリンとアサヒも。

会期初日にはブース視察イベントも

 会期初日となる3月20日には、メルケル首相と安倍首相が再びCeBIT会場に登場。ジャパンパビリオン内の特設ステージで昨夜のスピーチのショートバージョンを披露した後、出展各社と記念撮影するイベントがありました。

会期初日の3月20日朝、両首相がCeBIT会場に登場。

ジャパンパビリオンの出展企業との撮影会。世界各国の報道関係者が押し寄せた。

 その後、1時間ほどかけていくつかのブースを視察。展示物について担当者から説明を受けていました。

こちらはドイツテレコムブースでの一幕。

■関連サイト
CeBIT 2017

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