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AMDがH.265専用チップ搭載で超省電力な新型APU『Carrizo』の詳細を発表

2015年02月24日 09時45分更新

 AMDはノートPCおよび省電力デスクトップPC向けの新型AシリーズAPU(コードネーム:Carrizo)の詳細なアーキテクチャーを発表した。

Carrizo

 『Carrizo』は同社の掲げる“25x20 Energy Efficiency Initiative(エネルギー効率に関するイニシアチブ)”の達成に向けた製品であり、今後の製品ライアップに導入される予定。

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  『Carrizo』は新型x86 CPUコアの“Excavator”と次世代の“AMD RADEON”GPUコアを搭載。従来のAPU『Kaveri』が採用したCPUコア“Steamroller”よりも23%面積が縮小し、ほぼ同じサイズのダイの上に29%多い31億個のトランジスターを搭載する。

 トランジスターの追加により、GPUコンピューティングを容易にする“HSA 1.0”仕様に業界で初めて準拠するプロセッサーとなる。HSAはGPUなどのプログラミング・アクセラレーターを大幅に簡素化することで、消費電力を40%削減しながらも、パフォーマンスも向上できるとしている。

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 『Carrizo』は複数の電力効率テクノロジーを実装している。たとえば、ドループと呼ばれる電圧の一時的な低下に対しては、ナノセカンド(10億ぶんの1秒)単位でドループに対する平均電圧を比較し、電力削減に結び付ける仕組みを実装している。周波数の調整をCPUとGPUの両方で行なうことで、電力消費をGPUで最大10%、CPUで最大19%削減するとのこと。

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 また、温度に電力センサー、特許取得済みの“シリコン・スピード・ケイパビリティ・センサー”と電圧センサーなどを搭載。その特定のシリコン特性、プラットフォームの挙動、運用環境のパラメーターにリアルタイムに適応することで、最大30%電力を削減できる“AVFS(adaptive voltage and frequency scaling)”と呼ばれる技術も披露した。

 さらに、『Carrizo』は前世代の製品と比較して2倍の動画圧縮エンジンを搭載。専用のオンチップで圧縮効率の高い最新の“H.265”規格に対応する。それにより、4K解像度をサポートし、バッテリー寿命の延長、互換性のあるストリーミングビデオ視聴時の帯域幅要件の軽減を実現しているようだ。今後の同APU採用製品の発表に期待したい。

■関連サイト
25x20 Energy Efficiency Initiativeに関する詳細ページ

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