2012年12月12日17時00分

Windows情報局ななふぉ出張所

ソーシャル情報漏えいを防ぐMSの“エンタープライズソーシャル”とは

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 Windows8タブレットやWindows Phone 8の普及が期待される大きなマーケットとして、法人市場があります。

 それでは、OfficeやSharePointといったマイクロソフトのビジネス向け製品群はどうでしょうか。Officeの次期バージョンはすでにプレビュー版が公開されており、12月からボリュームライセンスが、2013年第1四半期にはOffice 2013やOffice 365の新バージョンが登場する予定です。

エンタープライズソーシャルで変わる企業内コミュニケーション
↑まもなく登場する次期Officeの概要。

 今回はこれら製品群の最新トレンドとして、マイクロソフトが提唱する“エンタープライズソーシャル”についてご紹介したいと思います。

■企業内でTwitterやFacebookを使うのは危ない?

 昨今の“ソーシャル”ブームにともなって、TwitterやFacebookをビジネスに活用している企業は増えています。企業による公式アカウントの運用だけでなく、簡単な業務連絡ならTwitterやFacebookで済ませている、という職場も少なくないでしょう。

 その一方で、これらのサービスはウェブ上に直結しており、設定や使い方を間違えれば情報漏洩につながってしまいます。企業によっては、社内からのSNSの利用を一切禁止しているところもあると聞きます。

 このように、ソーシャルを活用したいのはやまやまだがTwitterやFacebookでは不安が残る、というのが企業側の本音ではないでしょうか。そこで“エンタープライズソーシャル”の出番となります。

■ビジネスもアプリも、すべてがソーシャルになる

 日本マイクロソフト業務執行役員Officeビジネス本部本部長のロアン・カン氏は、12月5日に開催した説明会で“エンタープライズソーシャル”の詳細を説明しました。

エンタープライズソーシャルで変わる企業内コミュニケーション
↑日本マイクロソフトのロアン・カン氏。

 カン氏によれば、マイクロソフトは将来的にすべてのビジネスやアプリがソーシャルになるというビジョンを持っているとのことです。そのためには、特別な“ソーシャル用”のアプリやサービスを導入するのではなく、いま日常的に使っているツールがそのままソーシャルに対応することが重要であると説きます。

エンタープライズソーシャルで変わる企業内コミュニケーション
↑あらゆるビジネスやアプリの基盤としてソーシャルレイヤーがある。

 その背景としてカン氏は、そもそも人間がソーシャルな生き物であることを強調します。ソーシャルは新しい概念ではなく、すべての人は多かれ少なかれソーシャルな存在です。これまでは技術的な理由により、その範囲は身近な付き合いに限られていました。しかし技術の進歩により、よりたくさんの人と、よりグローバルにつながれるようになったというわけです。

 TwitterやFacebookと異なり、マイクロソフトが提供するエンタープライズソーシャル対応の製品群なら、セキュリティーを確保しつつ、安全に企業内にソーシャルを導入できるとしています。

■エンタープライズソーシャルにより、仕事が面白くなる

 それでは、エンタープライズ導入の具体的なメリットとは何でしょうか。たとえばハッシュタグを付けた“社内つぶやき”によってヘルプを求める、あるいは社内のどこかにいる専門家や経験者を探す、迅速に顧客に対応するなど、いくつかのメリットが挙げられています。

 中でも重要なのは“従業員エンゲージメント”の高まりによる、社内の活性化です。カン氏は“トヨタ生産方式”を例に挙げて説明します。トヨタ生産方式の特徴は“アンドン”のひもを誰もが引っ張ることができる点にあります。生産ラインで異常が発生したら、ひもを引っ張るだけで、ライン全体を止めることができます。重要なのは、責任者だけでなく、その場で働く誰もがラインを止める権利を持っている点です。

エンタープライズソーシャルで変わる企業内コミュニケーション
↑エンタープライズソーシャルにより“従業員エンゲージメント”が向上。

 同じことは社内ソーシャルにも言えます。誰もが社内での文書やアイデアに“いいね”を付けたり、コメントによりフィードバックすることができます。誰もが自分の意見を言える、自分の行動が社内全体から評価されるというのは、ソーシャルならではの特徴と言えるでしょう。

 カン氏が引用した調査によれば、従業員エンゲージメントの高い従業員を持つ会社は生産性や収益性が高く、離職率が低い傾向にあるとのこと。これは仕事が面白くなり、やりがいが出た結果と言えるのではないでしょうか。

■SharePointとYammerの関係

 具体的なエンタープライズソーシャル対応の製品としては、マイクロソフトの『SharePoint 2013』や、マイクロソフトが買収した『Yammer』があります。

 SharePoint 2013では“フォロー”や“いいね”、“ハッシュタグ”など、既存のソーシャルサービスでお馴染みの用語がそのまま使われています。社内でのディスカッションや文書に対して“いいね”を押すことができます。

『SharePoint 2013』
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 “フォロー”機能では、Twitterのように社内のユーザーをフォローする以外にも、文書をフォローすることもできます。フォローした文書に更新があった場合、すぐに知ることができるようになっています。

 一般的にグループウェアで問題となるのが、プロジェクトごとにフォルダーや文書が増えていき、見通しが悪くなるという点です。多くの会社のグループウェアでは、閲覧も更新もされなくなったページが多数眠っているのではないでしょうか。しかしSharePointでは、自分がフォローした情報のみを“タイムライン”や“ニュースフィード”のようなスタイルでまとめて表示できるため、情報を過不足無く把握できるようになっています。

 一方、マイクロソフトが買収したYammerは企業内におけるTwitterやFacebookという位置付けのサービスで、世界では3年間で20万社が採用するなど、急速に受け入れられているとのこと。SharePointとYammerの統合はまだまだ始まったばかりではあるものの、今後は徐々に機能面での統合を進め、同じアップデートサイクルに入れていくとのことです。

『Yammer』
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■マイクロソフト製品を導入するメリットとは

 今日では多くの企業が何らかのグループウェアを採用しており、基本的な文書やスケジュールの共有、メールのやり取りは実現していることがほとんどでしょう。また、企業内ソーシャルというのはホットな分野であり、マイクロソフト以外にも様々なソリューションが存在します。では、マイクロソフト製品の優位性はどこにあるのでしょうか。

 ひとつは“監査”機能です。米国で事業を展開するにあたって必要な電子証拠開示(e-ディスカバリー)にも対応しており、システムから必要なデータを抽出できる強力な検索機能を備えています。

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↑監査機能。社内メール、文書、タスクなどから全文検索する。

 もうひとつはWindowsやOfficeといった、ビジネスで利用されてきた製品との親和性の高さです。iOSやAndroidデバイスは、既存の企業内の管理インフラに適合しないため、専用の管理ソリューションと合わせて導入するか、管理されていないケースがほとんどでした。しかしWindows8やWindows Phone 8なら、従来のWindows PCの管理インフラに適応しやすく、情報システム部門にとって扱いやすい端末と言えます。

 SharePointやYammerは、それぞれOfficeカスタマープレビュー(外部サイト)やYammerのサイト(外部サイト)から体験できます。社内ソーシャルが気になる方は、ぜひ試してみてください。

山口健太さんのオフィシャルサイト
ななふぉ

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