2012年10月03日17時00分

Windows情報局ななふぉ出張所

WP8をめぐる冬モデル、SDKなどの最新情報を総括

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 いよいよ2012年も第4四半期。スマートフォンも冬モデルが発表され、年末商戦に備える季節となりました。2010年のWindows Phone 7、そして2011年のWindows Phone 7.5に続き、今年はWindows Phone 8のリリースが予定されています。

 今回はWindows Phone 8の最新状況をまとめてみましょう。

■Windows 8のイベントが多数開催

 Windows Phone 8に先駆けてリリースされるのが、PC向けWindowsの最新バージョン『Windows 8』です。10月26日に発売予定のWindows 8では、Windows PhoneでおなじみのModern UIを採用し、Windows Phoneアプリに似た“Windowsストアアプリ”に対応します。

 ゼロからの立ち上げとなるWindowsストアにアプリを充実させるべく、最近はWindows 8に関する開発者向けイベントが目白押しとなっています。

 9月22日には、がりっち氏主催の“第1回Windowsデベロッパーカンファレンス”が開催され、マイクロソフトのエバンジェリスト大西氏も駆けつけました。

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↑第1回Windowsデベロッパーカンファレンスの様子。

 9月27・28日には、1年に1回の大型イベント“The Microsoft Conference 2012”が開催され、Windows 8、Windows Server 2012、Office 2013といった新製品に関する技術情報がIT管理者や開発者向けに提供されました。

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↑“The Microsoft Conference 2012”で基調講演に立った樋口泰行社長。

 さらに10月4・5日には、“Developer Camp 2012 Japan Fall”が開催。9月12日に正式発表されたVisual Studio 2012を中心に、様々なアプリの開発技術が共有される予定となっています。

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↑“Developer Camp 2012 Japan Fall”の告知。

 このようなイベントにより、Windows 8向けのアプリ開発には大きな注目が集まっています。しかしこれらのイベントで、Windows Phone 8に関する情報はほとんど提供されていません。

 というのも、Windows開発に最も重要な開発環境であるVisual Studio 2012には、Windows Phoneの開発環境は含まれていません。従来のバージョンと同じく、別々のコンポーネントとして提供される予定となっています。Windows Phone 8が遅れているように感じる主な原因は、この点にあると言えるでしょう。

■Windows Phone 8 SDKプレビュー版の配布は限定的に

 前々回の連載で取り上げたように、9月12日よりベータ版ソフトウェアの配布サイト“Microsoft Connect”において、Windows Phone 8 SDKのプレビュー版が配布されています。

 通常のSDKとは異なり、プレビュー版は秘密保持契約(NDA)下での配布となります。そのため、ネット上でSDKについての情報を共有することはできないものの、アプリを公開しているWindows Phone開発者なら、正式リリース前にSDKを受け取れるはずでした。

 しかしフタを開けてみれば、プレビュー版の配布に申し込んだ多くのWindows Phone開発者が“落選”し、SDKを受け取れないという事態になりました。これに対して、国内だけでなく海外でも大きな反発が起こっています。具体的には、Windows Phone 7の頃からずっとアプリを開発し続けている熱心な開発者や、100万ダウンロードを達成したアプリを公開している有力な開発者でさえ、落選したと言われています。

 これについてマイクロソフトは、Windows Phone 8 SDKには未発表の機能が含まれているため、その配布を限定的にする必要があったと説明しています。また、既存のWindows Phoneアプリの多くはWindows Phone 8で問題なく動作するため、安心してほしいとも強調しています。

 しかし、Windows Phoneのエコシステムに貢献してきたと自負している多くの開発者が、この説明に納得していないように見受けられます。マイクロソフトは、CEOのスティーブ・バルマー氏が「Developer, Developer, Developer」と連呼するほど開発者を大切にしてきましたが、これは異例の事態と言えます。

 プレビュー版の配布には、2つの効果があると私は考えています。ひとつは自分が公開しているアプリをWindows Phone 8のエミュレーターで動作確認し、必要があれば修正できるという点。もうひとつは、いち早くWindows Phone 8の新機能を試し、開発技術に習熟することで、一般の開発者より有利な状態でスタートできる点です。

 マイクロソフトは前者について、「互換性に問題はない」と強調することで不安を取り除いています。しかしマイクロソフトの技術が好きな開発者にとっては、後者のようなインセンティブも必要不可欠な要素だったと言えるでしょう。

 やがてこの問題は、誰もがダウンロードできる正式版のSDKが提供されることで解決するはずです。しかしプレビュー版の配布を絞り込むことにより、Windows Phone開発者を“選ばれた者”と“選ばれなかった者”に二分したことは、メリットよりデメリットのほうが大きかったと言えるのではないでしょうか。

■まもなくキャリアの冬モデル発表会、Windows Phone 8は?

 日本国内では、各キャリアの冬モデル発表会が近づいています。ソフトバンクは10月9日に、ドコモは10月11日に発表会を予定。KDDI(au)もまもなく日程を発表することが期待されます。

 特にドコモは、Windows Phoneを冬モデルで検討していると発言しています。もちろん、世界初のWindows Phone 7.5端末『IS12T』を発売したKDDIの動向にも注目が集まっています。

 さらにソフトバンクは、10月1日にイー・アクセスとの経営統合を発表。来春には、ソフトバンクによる2.1GHz帯のLTEと、イー・モバイルによる1.7GHz帯のLTEをまたがって利用することができる見込みとなりました。

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↑経営統合を発表したソフトバンクの孫正義社長(左)と、イー・アクセスの千本倖生会長(右)。
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↑ソフトバンクとイー・モバイル両方のLTEを利用できる見込み。

 1.7GHz帯のLTEは、国際的には1800MHz帯(バンド3)として知られており、ヨーロッパやアジアで広く普及する見込みです。すでにソフトバンクのiPhone 5が対応しているほか、孫正義社長は「グローバル端末の導入も容易になる」と補足しています。

 グローバル端末と聞いて真っ先に思い出すのは、先日発表されたWindows Phone 8端末でしょう。特にLumia 920と820が採用するペンタバンドLTEは、800/900/1800/2100/2600MHzの周波数に対応しています。ほかにもLTEに対応するHTC 8Xや、スペック上は記載がないもののLTE対応版が期待されるSamsung ATIV Sにも、可能性はあります。

 果たしてどのキャリアがWindows Phone 8を採用するのか、発表を楽しみに待ってみたいと思います。

山口健太さんのオフィシャルサイト
ななふぉ

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