2012年10月02日13時01分

A10-5800Kは1万3000円前後 AMD AシリーズAPU“Trinity”発表

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AMD第2世代AシリーズAPU(開発コードネーム:Trinity)
Trinity
↑CPU部はBulldozer世代のPiledriver、内蔵GPUはRADEON HD7000D(Northern Islands世代)に。
第1世代AシリーズAPU“Llano”からパワーアップ
Trinity
↑対応マザーは第1世代ではFM1ソケットを備えたもの(チップセットはA75/A55)だったが、第2世代ではピン数が減ったFM2ソケットを搭載するものに変更(チップセットはA85X/A75/A55)。なお、両ソケットに互換性はない。

 GPU性能は既報(関連記事)でお伝えした通りだが、AMD AシリーズAPUの最新モデル(開発コードネーム:Trinity)がようやく正式発表となった。発売は本日19時からとなる。GPU性能はCPU内蔵モノとしては出色の出来だったが、CPU性能はどうなのか? 今回はCPU系ベンチマークをご紹介しよう。とその前に、Trinity全6モデルの価格も判明したので、スペック表とともに下の表に示しておく。

Trinity

 最上位の『A10-5800K』でも1万3000円前後と、Core i3-3225(1万2000円前後)のちょっと上あたり。前回のGPU編では、ゲームベンチマークでCore i3-3225を圧倒的に上回っていただけに3D性能においてはかなりお買い得と言える。さて、そうなるといよいよCPU性能が気になってくる。

CPU部の計算能力はイマイチ……

 まずはCPU部のガチな計算能力が試される『CINEBENCH R11.5』から見てみよう。CPUの全コアを使った時と、1コアだけ使う時のスコアーを比較する。ちなみにベンチマークの計測環境は既報のGPU編とまったく同じなので、詳しい環境が知りたければそちらを参照されたし。

Trinity

 GPU編の健闘っぷりはどこへやら、という感じのインテル無双な結果になってしまったが、よく見るとCore i3-3225とA10-5800Kのマルチコア時のスコアーはかなり近い。1万3000円前後という価格は、CPUの演算性能からすれば特別安くはない、といったところだろうか。

 ただ、気になるのはLlano世代のA8-3870KにTrinity世代の2製品がどちらも負けている点。A10-5800Kはターボ時に4GHzまで上がり、A8-3870Kの動作クロックよりも1GHzも高くなるのに遅くなるのは、コアあたりの処理効率が低いという“Bulldozer”世代の欠点が出てしまった感じだ。

 次に総合ベンチマーク『PCMark7』でのスコアーを比較する。テストはデフォルトの“PCMark Suite”を使用した。

Trinity

 Core i5/i3が強いのは相変わらずだが、こちらはTrinity2製品のスコアーがLlanoよりも高いスコアーを示した。

 次に『MediaEspresso6.5』を使い、動画変換の時間を比較してみよう。2分35秒のAVHCD動画(1920×1080ドット、60fps)を、iPad2用のMPEG4(1280×720ドット)に変換した。どの環境もハードウェア支援はエンコードのみで使用するように統一している。また、今回のテスト環境ではA8-3870Kのハードウェア支援機能を有効にできなかったため、当該欄は空欄となっている。

Trinity

 CPU処理がダントツに速いCore i5-3570Kがトップなのは当然だが、Trinity勢がCore i3-3225に肉薄している点に注目したい。今回使った素材や条件がたまたま良かった可能性はあるが、Trinityに新搭載されたエンコーダーはそこそこの働きはしてくれそうだ。

 ちなみにこの新搭載のエンコーダーはCatalystを入れるだけで動作する。RADEONでエンコード支援を利用するためにはドライバーのほかに“AMD Media Codec”(旧AVIVO)を入れる必要があったが、Trinityではセットアップも(ようやく)洗練されてきたようだ。

 最後にCPUとしてのシステム全体の消費電力をチェックしておきたい。計測にはワットチェッカーを使い、アイドル時およびCINEBENCH R11.5のマルチコアテスト実行時に計測している。

Trinity

 CPUの演算性能はCore i3-3225に近い結果を出したTrinityだったが、CPUをガンガン使ったときの消費電力はやはりBulldozer。Core i5をもしのぐ消費電力になったのが残念。Llanoより省電力な点は評価できるが、ガンガンCPUを回すような用途にはTrinityは不向きなことがわかる。

 しかしその一方で、アイドル時の消費電力はほかと横並び。Trinityを選ぶべきか否かは、この相反する特性を生かせるかどうかにかかっている。

まとめ:Trinityはライトゲーマー/ユーザーを狙い撃ち

 単純にあらゆる作業に強いPCを求めるなら、普通にCore i7と鉄板マザー+グラボで組んだ方が圧倒的にコストパフォーマンスの良いPCができあがる。Bulldozerを下地にしたTrinityは単価こそ安いが、動画エンコードなどをバリバリ動かすような使い方には向いていない。

 しかし、アイドル時の消費電力の少なさはメールやツイッターしかしないような、CPUをアイドルに近い状態でトロトロと使うような使い方には向いている。価格もCore i3にほど近いエントリークラスとかなりお手ごろ。Trinity世代のAシリーズは、CPUもGPUも今のOSやゲームがそこそこ動けば十分というライトなユーザー(潜在的なパイの大きさはパワーユーザーよりも多い)をピンポイントで狙ったGPU内蔵CPUだ。

■関連サイト
AMD

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