第900回
元Samsung副社長が率いるBOSの勝算 Tenstorrent製NPUとオープン規格で挑む車載AI「Eagle-N」
2026年11月02日 12時00分更新
Eagle-Aとの混載による性能スケーリングと
車載・フィジカルAIでの勝算
下の画像がチップレットの構成例である。N1というのがEagle-N、A1というのは現在開発中のEagle-Aという製品だそうだ。
Eagle-Aが唐突に出てきたが、BOS Semiconductorの製品ページには「2028年に量産開始予定」とある。ちなみに性能以外の詳細はまだ未公開である
Eagle-Nの場合はチップレットのI/Fが1組なので、SoCに接続するか、(このスライドにはないが)Eagle-N同士での接続のみとなるだが、Eagle-AはチップレットのI/Fを2組搭載しているようで、Eagle-A同士やEagle-AとEagle-Nというヘテロ構成の接続も可能になっている。
BOS Semiconductorの製品ページの説明を見ると、Eagle-Aが150TOPS、Eagle-Nが250TOPSで、あとはこれを組み合わせて800TOPSまで狙えるとしている。
さらに外部にスイッチ(おそらくPCIeスイッチ)を置くことで最大2000TOPSも狙えるといった見通しも示されたが、これは「理論的には可能」の域を脱しないものに思える。
Eagle-Nは現在A0サンプルが出荷中になっており、評価用ボードも完成しているそうだ。
ちなみにそのA0サンプルでの性能ではなく量産チップの、それも2チップレット構成(つまり500TOPS)での推定性能が下の画像だ。
車載向けに生成AIが必要なのか? というのは疑問であるが、Computer Visionなどでは効果的だろう。現実問題としてEagle-Nのターゲットとしていきなり自動運転というのは敷居が高い。それよりも現在想定されているさまざまな車内のユースケース、例えば運転者監視(*2) などに使われることになるだろう。
そう考えると、250TOPSというのはわりと十分な性能であって、あとはどこまで自動車メーカーに食い込めるかどうかがEagleの今後の展開に影響してくるだろう。
ただ車一本槍では心もとない、という判断は当然あるわけで、それもあってフィジカルAIにも対応できるとしているわけだ。
とりあえずA0シリコンまで出たのは安心材料ではあるのだが、まだこの先も継続的にビジネスが続けられるかは未知数である。OCAに準拠したチップレットとすることで、どこまで市場が広がるか次第であろう。
(*2) カメラなどを使いちゃんとドライバーが運転しているかどうかを判断するもの。よそ見や居眠りなどを検出して、ドライバーに警告を促すもので、アメリカでは2027年以降に製造する新車に、日本でも2031年9月以降に出る新車には搭載が義務化されている。
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