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BYD「RACCO」

航続320kmでフル装備! BYDの軽EV「RACCO」は日本の軽自動車の“聖域”をどう切り崩すか

2026年09月06日 12時00分更新

どっしりとした普通車のような落ち着いた走り

 そんなRACCOを試乗した感想は、「まるで普通車のような高い安定感がある」というものです。パワーステアリングの手応えは重めで、どっしりとしています。試乗車が最上位グレードの「300プレミアム」だったことで、車両重量が1230kgもあり、タイヤが165/65R15という大径だったことも、安定感を強く感じた理由でしょう。

 ただし、スタートはEVらしい力強さとスムーズさ、静かさがありました。モーターのスペックは、最高出力47kW、最大トルク160N・mと、ターボエンジン車同等のパワーと、より強いトルクを誇ります。ただし、トルクのピークに早めに到達してしまい、加速に伸びがありません。勾配のきついワインディングロードを苦もなく上ってゆきますが、速いわけではありません。速さを競うクルマではないですし、必要十分といったところ。

 それよりも感心したのは、ワインディングロードを走っても、軋み音はしませんし、しっかりと4輪が路面をつかんでいたことです。床下に積んだX-PACKが、高い車体剛性を実現しているのでしょう。ボディがしっかりしているので、サスペンションが良く動き、その結果しっかりとタイヤが路面に追従しているのです。

 インバーターからの嫌な高周波の音も、しっかりとマスキングされていました。軽自動車というよりも、小さな普通車という印象。満足できる走りでした。

充実の内容から割安感を感じる

 実際にRACCOを走らせてみれば、EVらしい静かさとスムーズさ、力強さがありました。ハンドリングは安定性が高く、乗り心地も不満のないものでした。また、機能も今どきの軽自動車として十分以上なものが用意されていました。

 EVとして気になる航続距離は、エントリーグレードの「200」はバッテリー容量が22.4kWhで210km(WLTCモード)、上位グレードの「300プラス」と「300プレミアム」は35.84kWh搭載で320km。現在の日本の軽EVのベストセラーである日産「サクラ」が20kWhのバッテリー搭載で航続距離が180kmだと考えれば、RACCOのスペックは十分なものと言えます。

 それでいて価格は「200」が214.5万円、「300プラス」が239.8万円、「300プレミアム」が249.7万円。RACCOの補助金は15万円と、日本車よりも額がかなり小さいけれど、それでも日本の軽EVよりも数十万円安いという設定です。

 走行性能に機能、価格を合わせて考えれば、RACCOは相当に割安感があります。コスパの良いクルマと言えるでしょう。そんなBYDが掲げたRACCOの販売目標は年間1万台。これは、サクラと軽EVトップを争うラインです。

 モノの良さは確認できました。あとは、市場がどう判断するのか? 果たして、RACCOはサクラとトップ争いできるかどうかに注目です。

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