週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

ロボットに必要な通信を考えたら、既存のIoTとスケールが違っていた

超大容量・超接続・超アップロードの時代に ソラコムとugoが語る「リアルワールドAIプラットフォーム」の通信とは?

2026年09月15日 11時00分更新

そこまでの低遅延って必要? 今の技術でできることは多い

羽田:遅延に関しても重要になりそうですね。たとえば、ロボットが匂いを嗅いで危険を察知する場合は、クラウドAIで思考する余裕があるんですが、転んで崖から落ちそうな場合は、クラウドに送って、AIで考える余裕がない。だから、多くの企業ではエッジで実装するのですが、通信がリッチになればよりクラウドAI側に持って行けるし、ロボットがよりシンクライアント化するのでコストも安くできます。

現場で活躍するugo mini

実際、音声処理をクラウドAI側に持って行けたのは、5Gの恩恵ですよね。遅延がミリセカンド単位まで短くなれば、崖から落ちないどころか、落ちそうな人を助けられるロボットができるかもしれません。

松下:私たちもよくスループット(速度)とレイテンシ(遅延)の話はするのですが、セルラー通信のレイテンシって、構造上これ以上低くならないというところは見えています。だから、その遅延の中でなにができるかを考える方が建設的です。

フィジカルAIの文脈でご相談いただくことも増えてきたのですが、遅延を削減するためにエッジでやること前提のお客さまも正直多いです。でも、用途やユーザー体験を逆算した場合、果たしてそこまでの低遅延が必要ですか?と思うことも多いです。

たとえば、簡単な6軸のアクチュエーターとクラウドAIの組み合わせのデモで試したら、だいたい1.5秒くらいで返ってきます。でも、ミリセカンド単位で遅延を減らしても、エッジの推論で時間かかっていたら、結局のところトータルのエクスペリエンスはよくならないんですよね。

羽田:人命に関わるようなミッションクリティカルな作業が発生したときに、エッジの処理能力がキャパシティを超えてしまうみたいなことは、あってはならないですからね。だから、そういうときは別のリソース使うみたいなことができた方がよい。そう考えると、人間って本当によくできています。

松下:はい。人間をお手本にすると、脳みそ使っていることはだいたいクラウドAIと通信のカバーできると思います。SORACOMのプラットフォームでも、集めたデータを簡単に、安全にAIへ渡して分析・活用するためのサービスを拡充しています。

「動くものすべてに通信を」の世界が到来した

大谷:では、ugoの羽田さんが求める今後の通信について聞かせて下さい。

羽田:正直、5Gでももう間に合いません。6Gなのか、とにかく早く利用したいと思っています。だから、もっと大容量で、もっと品質の高い通信回線がほしいです。

大谷:「あれもほしい、これもほしい」って、なんだかブルーハーツの歌詞みたいになってきました(笑)。ソラコムさんにも大きな使命が課せられていますが。

松下:われわれも5Gの次に取り組んで行くことになると思いますが、通信をいかに感じさせないかが大事になってくると思います。主力の通信サービスに「SORACOM Air」という名前を付けたのも、空気のように通信を使っていただきたいという思いが込められています。だから、簡単に、どこでも、コストも安価で使える通信を今後も追求したいですね。

大谷:では、最後にugoの次の展開を教えてください。

羽田:ugoでugoを作るくらいまでは行きたいですよね。

松下:おっ!ついにセルフアセンブリの世界が来るんですね。

羽田:はい。生産現場と人里って本来、離しておくべきじゃないですか。だから、生産現場の近くに人が住むのではなく、生産現場から自動運転でモノが届くみたいな世界になると思います。けっこう長いタームになりますが、日本でも基地局の敷設がドラスティックに変わっていくかもしれません。

確か1998年にNTTドコモの立川敬二社長(当時)が「動くものすべてに通信を」という話をしていましたが、まさにその時代が到来したんだと思います。

■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります