ロボットに必要な通信を考えたら、既存のIoTとスケールが違っていた
超大容量・超接続・超アップロードの時代に ソラコムとugoが語る「リアルワールドAIプラットフォーム」の通信とは?
2026年09月15日 11時00分更新
IoTプラットフォームを手がけるソラコムが提唱する「リアルワールドAIプラットフォーム」の世界観を語り合う対談企画。第2回は国産AIロボットメーカーであるugo(ユーゴー)の取締役CSOの羽田 卓生氏をゲストに迎え、ソラコム エバンジェリストの松下 享平氏と議論を深めていく。ロボットという新しいIoT機器が活躍するためには、どのような通信環境が必要なのだろうか?(インタビュアー ASCII編集部 大谷イビサ)
巡回機能から横展開 ugoの原点は家事代行ロボ
アスキー大谷(以下、大谷):ソラコムの「リアルワールドAIプラットフォーム」は現実世界のデータをサイバー空間上のデータと掛け合わせてAIで価値を創出するという世界観です(関連記事:AIは、これから現実のモノと結びついていく──IoTの次は「リアルワールドAIプラットフォーム」)。リアルワールドに当たる現場のIT化を進めている会社の方と対談して、この世界観を深掘りしていこうという企画です。
今回は国産AIロボットを手がけるugoとソラコムで、リアルワールドAIプラットフォームで必要な通信についてお話ししていこうと思います。まずはugoの羽田さんから会社概要の説明をお願いできますか?
ugo取締役CSO 羽田 卓生氏(以下、羽田):弊社ugoは「ugo Pro」や「ugo mini」といったロボット、「ugo Platform」というクラウドサービスの開発や販売を行なっています。
会社はできて9年目なのですが、最初にやろうとしたのは、コンシューマー向けの家事代行ロボットでした。今思うとだいぶ早すぎました(笑)。
ソラコム エバンジェリスト 松下 享平氏(以下、松下):お掃除するとか、洗濯物をたたむとかですか?
羽田:はい。だから、その名残でugoには顔があるんです。ただ、当時はいろいろなことが技術的に難しくて、ものになりそうだった巡回機能を用いて、建物内を自律的に警備するという用途にフォーカスし、それを横展開することにしました。
その後、お客さまの声を元に機能を実装していきましたが、今は提供できる機能をソリューション化する提案型にシフトしています。特定のお客さまに特化する機能より、標準機能をリッチにし、利用範囲を拡げるという思考です。
松下:まさにプラットフォーム的な発想ですね。ソラコムでもお客さまの声は重視していますが、ほかのお客さまでも利用できる機能の方が実装の優先度は高い。そこは両者の共通項かもしれません。
足りなかったのはAIの機能 ユーザー企業自身が使えるロボット
大谷:創業当時、ugoのロボットに足りなかった技術はなんだったんですか?
羽田:やはりAIですね。作業を自律的にやろうとすると、今のAIの技術がなければ難しかった。今のugoでは、工場やプラントでは不審者を識別したり、工場の計器を見て数値をテキスト化したり、小売り現場でお客さまと対話したり、いろいろなところで生成AIを使っています。
その後、今のフィジカルAIにつながる技術がどんどん進化し、警備向けのugoの機能を拡張し、さまざまなことが自律的にできるようになっています。
大谷:ugoのロボットは、どのようなところで使われているのですか?
羽田:オフィスビルであれば警備や防犯、小売り現場であればお客さまの案内業務などに活用されています。商業ビルだと万引きの抑止にも効果があります。特に小型のugo miniは工場やプラントで自律的に動いて、計器をチェックしたり、センシングして戻ってくるみたいな作業が可能です。導入先は、食品工場、水処理施設、ゴミ焼却所、火力発電、データセンター、駅、大学、空港などです。
大谷:すごく幅広いんですね。
羽田:センサーも、クラウドも、通信も自由に選べるし、あとから変更できます。今のお客さまも、結局コストとできることのバランスでugoを選んでいただいています。
あとは、お客さま自身で利用できるようにこだわって開発しています。設定もルート変更も、すべてお客さまで行なえます。ugo Proは宅配便で送れるし、ugo miniに至っては組み立てすら必要ありません。使い慣れたお客さまだと、組み立てもセットアップもお客さまでできるので、宅配便を送ったら、われわれの作業は終了です。
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