第886回
CFETの足を引っ張るPMOSを救え! imecが提案する新絶縁層と、あえて精度を緩める「Notch Alignment」の妙手
2026年07月27日 12時00分更新
歩留まり(Yield)低下の犯人を特定
Fin Si残留と漏れ電流を叩くプロセス手順
もう1つ、FS-BDIを利用する理由として挙げられたのが歩留まりの向上である。下の画像は5種類(wfr1~5)のウェハーで、それぞれ同じようにBeta schemeを利用してCFETを構築した際に、シリコンフィン(Fin Si)の残留(左側)や、SiGeから隣のMDBへの攻撃(電流が流れること)に起因する不良は決して少なくないとする。
こうした問題も、FS-BDIを挟むことで解決できるわけだ。Fin Si残留は10~20%、Sige:B Attachは40%前後のYield Loss(つまり欠陥)になり、これを減らすことは歩留まり改善に重要なポイントとなる。この2つがFS-BDI構築の動機だ。
先程は簡単に製造方法の説明があったが、もう少し細かな説明がここから行なわれた。まずTop-Channel/Bottom-Channel用のNanoSheetを、厚めのSiGe2層の上に構築し、Siゲートを構築した後に、すべてのSiGe2層を剥離する。
次いで剥離した間隙にGSP(Gate Spacer)を充填することでFS-BDIとMDIを構築し、その後にソース/ドレインをエッチングで構築する(Photo08)。
最後がB-Channel FETへのSiGeの積層であり、これはCDE(Cyclic Deposition/Etch:周期的堆積/エッチング)という技法で構築される。
右の2つのイラスト、左側が従来の方法で製造したもので、紫色の部分がSiGeの堆積されている部分である。ごらんの通り体積が小さいというか、変な形になっている。これが低温CDEを利用することで、一番右の写真のようにキレイに堆積できるようになったそうだ
まずはCSP(Cover Spacer)と呼ばれるものを構築し、ここでSiGeを成長させるやり方となる。論文によれば、表面積が限られていることなどもあり、成長速度が低下しやすく、SiGeの体積が小さく、かつ変動しやすくなる問題があるため、低温CDEを利用して構築したとされている。
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